受験勉強法学 Examics

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■生物の勉強法

3.二次・私大生物の勉強方法

 二次・私大試験で生物を使用する場合の勉強方法について述べる。本節では、難関大学や医学部で合格点をとることこを目標にしている。中堅大学を志望する者については説明中に適宜説明を加えるので、参考にしてもらいたい。センター試験のみで生物基礎を使用する者は1.センター生物基礎の勉強方法を閲覧してもらいたい。センター試験のみで生物(専門)を使用する者は、2.センター生物(専門)の勉強方法を閲覧してもらいたい。

 学校の授業を真面目に聞き、学校で配布された教科書傍用問題集を隅々まで勉強して来た者については、3-1.二次・私大生物の勉強方法と計画から読み進めてもらいたい。
 履修できずに独学で勉強したり、学校の授業が教科書の読み上げに終わるなどして使えなかったり、余り勉強して来ずに生物をかなり苦手とする者については、3-2.二次・私大生物の独学から読み進めてもらいたい。

 構成は以下のようになっている。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

  3-1.二次・私大生物の勉強方法と計画
   A.基礎的事項の復習
   B.入試レベルの問題演習
   C.総復習
   D.難問演習
  3-2.二次・私大生物の独学


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3-1.二次・私大生物の勉強方法と計画
 ここでは、学校の授業と定期試験を毎回真面目に受けて来て、教科書傍用問題集を解いてきた者を対象にしている。つまり、生物の基礎的な学習は基本的にできている者を想定している。学校の履修の関係から未習部分もあるかもしれないが、その場合は適宜補足していく。


A.基礎的事項の復習:4月

 最初に教科書レベルの基礎的な事項に漏れがないかを確認するために学校で配布された教科書傍用の問題集を使用する。典型的な基礎的な問題が多い教科書傍用問題集は一度解いたことがあるために比較的すぐ解けるだろうから、正確の基礎的な問題を解けるか否かを確認することが目的だ。苦手な分野があれば理解し完璧にする。後々の問題演習で躓かないためにも、基礎を固める。


 最初に、学校配布教科書傍用問題集を最初から解く。解答を見て間違えた問題にチェックを付した後に、解いた範囲の教科書を読み直す。1カ月で生物の全範囲を終わらせるように回していく。
 解けなかった問題は、例題や基本問題のレベルは必ず解けるように復習して、基本的な暗記を完璧にする。
 このとき、疑問点等があれば『大森徹の最強講義117講』を適宜参照して理解を深めるようにする。


 これと並行して、『大森徹の最強講義117講』を1週間に7〜9講ずつ読む。覚えるつもりで本書を読むのは当然であるが、一度に全て覚えるには無理がある量である。ここでは、二次・私大入試に対応するのに最終的に必要な知識量を確認することであり、7月半ば、遅くとも8月に入るまでに本書を1周することを目標とする。したがって、じっくりと読むのではなく、覚えるつもりで読みつつも生物の入試範囲を概観するつもりで、時間をあまりかけずに少々の理解不足も致し方なしという軽い感じで読むようにすればよい。

 ここで、中堅大学非医学部を志望する者や難関大学を志望するも生物に時間をかけたくない者は、『大森徹の最強講義117講』ではやや重いので、『田部眞哉の生物』で代替することをすすめる。


 また学校進度の都合上未習分野に入り独学をしていかなければならなくなったら、『山川喜輝の生物が面白いほどわかる本』を使用する。未習分野の項目を『山川喜輝の生物が面白いほどわかる本』で読んだ後に、学校配布教科書傍用問題集を解くようにすればよい。詳しくは3-2.二次・私大生物の独学を参照してほしい。



 ■『大森徹の最強講義 生物I・II』 新課程増補版 文英堂
1.特徴
 生物の二次・私大入試にも対応できる参考書。教科書に掲載されていない知識も掲載されており、図表も多く濃厚な内容となっている。本書の内容を完璧に暗記できていれば、入試生物で必要な知識は必要十分以上に揃えることができる。
 本書は、重要語句は赤字等で示されており、知識のインプットのために入試直前まで何度も繰り返して行うとよい。

2.補足
 初学者が最初から使うには厳しいものがあるので、3-2.二次・私大生物の独学で知識を仕入れてから使用するべきである。
 中堅大学や難関大学でも生物が簡単な場合は、本書の網羅性は逆に他科目の勉強時間を圧迫する可能性もある。生物で他受験生に差をつけることを考えていない者は下で紹介する『田部眞哉の生物』で代替してもよい。
 高校1・2年生の者は、授業に並行して本書を読み進めると、受験生になった時に生物の勉強の負担を軽減できる。

3.進度
 上及び下で紹介する勉強法に沿って使用してもらいたい。一応まとめておくと以下のようになる。
 1周目(4〜7月半):1週間に7〜9講
 2周目(5〜7月):『理科標準問題集 生物』に合わせる。
 3周目(8〜9月半):1週間に20〜25講(8月)、10講(9月)
 以後、覚えきれていない箇所や問題演習に合わせる。


 ■『田部眞哉の生物 生物I 合格39講』 パワーアップ版 学習研究社
  『田部眞哉の生物 生物U 合格33講』 パワーアップ版 学習研究社

1.特徴
 入試に問われることに絞った生物の二次・私大入試に対応した講義調の参考書。教科書に掲載されていない知識も入試に必要な範囲で掲載されている。『大森徹の最強講義117講』に比べれば詳しさは劣るが、本書でも入試に必要な知識を十分に身に付けることができる。

2.補足
 初学者が最初から使うには厳しいものがあるので、3-2.二次・私大生物の独学で知識を仕入れてから使用するべきである。
 中堅大学や難関大学でも生物が簡単な場合は、『大森徹の最強講義117講』では詳しすぎるため他科目の勉強時間を圧迫する可能性もある。生物で他受験生に差をつけることを考えていない者は本書を使用すればよい。

3.進度
 上及び下で紹介する勉強法に沿って使用してもらいたい。


 ■『サイエンスビュー生物総合資料』 実教出版
1.特徴 2.補足 3.特徴
 資料集は、それ自体を中心に生物を勉強することはないが、教科書や参考書で不足しがちな図や表を多く掲載しており、生物の理解をよい深めることを助けてくれる。二次・私大生物では深い理解を求められるので、生物のイメージが湧かない時等に資料集を引いて暗記・理解していくと忘れにくくなる。手元に1冊置いて置かなければならないものである。
 学校で配布された資料集で十分だが、独学で生物を勉強するため、資料集を新しく購入する者のために一応本書を紹介しておく。



B.入試基本レベルの問題演習:5〜7月

 基礎的事項を確認して暗記し直した後は、入試レベルの問題を解くための問題演習を行うことと、二次・私大入試で必要な知識を仕入れることを目標に勉強を行う。


 問題演習では『理系標準問題集 生物』を使用して勉強する。本書を完璧に仕上げることができれば、入試問題の基本的な問題は解けるようになる
 本書を1週間1日12題程のペースで解き進める。解けなかった問題を中心に翌週に復習する。3カ月かけて1周する。


 問題演習と並行して、問題演習で解いた範囲について、『大森徹の最強講義117講』を読み理解しながら覚える。この時、些末な事項までは無理でも本書を可能な限り多く覚えるようにしたい。注意点としては、この『大森徹の最強講義117講』を理解しながら読むことは、A.基礎的事項の復習で読み進めている学習とは別に読む、いわば2周目に相当することである。4月から読み進めている1周目とは別に最初から2周目を読み進めることを並行するということだ。
 また、『田部眞哉の生物』を使用している者は『田部眞哉の生物』で代替することに注意されたい。


 ■『理系標準問題集 生物』 新装版 駿台文庫
1.特徴
 標準問題と応用問題に難易度を分けて、入試典型問題を扱った問題集。解説も詳しく、単なる知識問題だけでなく、考察や計算問題も無理なく解けるようなる。本書を完璧に仕上げることで、中堅大学の入試生物に対応できるようになる。
 本書で入試生物の基本問題を解けるようになった後は、難問も解けるようになるための演習に移ればよい。

2.補足
 本書を消化すれば中堅大学の入試問題はを解くことができ、合格点を取ることができるようになる。したがって、中堅大学非医学部を志望する者は、本書の学習を終えた後に過去問演習に移ればよい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。



C.総復習:8月

 『理系標準問題集 生物』を3週間で最初から全て解き直す。ここで解けなかった問題については、残りの1週間で復習する。これで、本書の使用を終了するので、完璧に仕上げる。

 『大森徹の最強講義117講』を1週間に20〜25講ずつ読み、本書での知識の整理と暗記をより完璧にする。おそらく8月中には本書の復習を終えることは難しいであろうから、9月からは1週間に10講ずつ程でよいので9月半までに終えるようにする。

 以上のように、総復習を行うことで、問題演習と知識の暗記を行えば、二次・私大入試にも対応できる基礎力は身に付いているはずである。生物の問題が簡単な中堅大学非医学部の者は、この後に過去問演習に入ればよい。


D.難問演習:9〜11月半

 『大森徹の最強講義問題集150問』と『生物 新考える問題100題』を用いて、より難しい問題、実験考察問題を解くための演習を行う。

 問題演習の中心は『大森徹の最強講義問題集150問』を使用して行う。
 本書を1週間に15題程のペースで解き進める。間違えた問題については翌週に復習する。
 本書を10週間程で1周して解き終えたら、間違えた問題は必ず解き直し、本書を3週間で総復習する。


 医学部や難関大学を目指しており生物で高得点を取りたい者は、上の問題集と並行して、実験考察問題を解く思考力を重点的に鍛える学習を行う。
 『生物 新考える問題100選』を使用して勉強する。
 1週間に10題程解く。おそらく1周目はほとんど解けないだろうが、思考法を学ぶことを重点に置き、翌週に復習しながら進める。
 本書を10週間程で1周したら、3週間程で総復習する。


 上記2つの問題集を解いた範囲の知識は、『大森徹の最強講義117講』を使用しながら整理しながら覚えていくようにする。


 以上の勉強を終えれば、生物の入試問題については、難問を解く実力が十分に身に付けることがきているはずである。その後は、今まで解いてきた問題集と『大森徹の最強講義117講』の復習をしながら、過去問演習を行えばよい。
 なお、私立大学医学部、単科医大では、非常に些末な知識も問うてくることがあるが、そのような問題は捨て問として割り切って、英語や数学に勉強時間をかけた方がよい。


 ■『大森徹の最強講義問題集150問 生物T・U』 文英堂
1.特徴
 『大森徹の最強講義117講』に対応した問題集。『理系標準問題集 生物』の応用問題以上の難易度で構成されている。本書では考察問題や論述問題の演習ができ、難関大学で合格点を取ることができるようになる。
 解説は、問題の解き方が主で、『大森徹の最強講義117講』で説明されている知識については、そちらを参照するように付されているので『大森徹の最強講義117講』も揃えて本書を使用するようにすると効率的に勉強できる。

2.補足
 本書を完璧にこなすことで、難関大学及び医学部でも生物で合格点を取ることができるようになるが、実験考察問題をさらに解いて演習いしたい者については、下の『生物 考える実験問題50選』を併用するとよい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。


 ■『生物 新・考える問題100選』 駿台文庫

1.特徴
 入試生物で中心となる実験考察問題に絞った問題集。上記の『大森徹の最強講義問題集150問』に加えて、難しい実験考察問題を演習したい場合に適している。本書で思考法を身に付ければ、実験考察問題を確実に得点源とすることができるようになる。

2.補足
 難しい問題が多いので、無理して使用する必要はない。『大森徹の最強講義問題集150問』を学習した上でさらに難しい問題を解きたい場合や生物で安定して高得点をとりたい場合等、他科目の兼ね合いから勉強時間に余裕がある場合のみに使用すればよい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。または、各自の勉強進度に合わせて適宜使用すればよい。



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3-2.二次・私大生物の独学
 履修できずに独学で勉強したり、学校の授業が教科書の読み上げに終わるなどして使えなかったり、生物をかなり苦手とする者において、生物を二次・私大入試で使用する場合の勉強の導入について説明する。


 生物は、物理や化学に比べて抽象度も低く、暗記の要素が強いため、独学でも勉強の取り掛かりはしやすい。勉強の導入として『山川喜輝の生物が面白いほどわかる本』を使用する。

 本書を1週間に100ページ前後読み、読み終えた範囲は、学校配布の教科書傍用問題集か『トライアル生物』を解いて基礎を固める。このようにして2カ月で、『山川喜輝の生物が面白いほどわかる本』と教科書傍用問題集を終えて、基礎的事項の暗記と理解を行う。


 以上の勉強の導入を終えたら3-1.二次・私大生物の勉強方法と計画のB.入試基本レベルの問題演習に繋げていけばよい。この場合、A.基礎的事項の確認に1カ月多く費やしているため、単純に計画を進めていくと12月半頃にD.難問演習を終えることになる。他科目との兼ね合いもあるが、勉強量を増やして夏休み前後で追いつくように調整してみてもよい。

 この勉強から開始する場合に注意してもらいたいことは、基礎的な知識の習得が学校の授業を受けて来た者に比べて不十分になりやすいので、3-1.二次・私大生物の勉強方法と計画に移っても、知識の復習をより多く行うようにしておきたい。



 ■『山川喜輝の生物Tが面白いほどわかる本』 中経出版
  『山川喜輝の 生物Uが面白いほどわかる本』 中経出版

1.特徴
 講義形式の参考書。初学者でも使用できるように基礎的な事項から発展的な事項まで扱っている。本書で、中堅大学の入試生物の知識を大体揃えることができる。図や表も多く、実験考察の基礎も解説されている。
 講義形式であるため生物の知識を単に暗記するだけでなく、事象を理解しながら覚えていくことができる反面、問題演習が不足してしてしまう。教科書傍用の問題集等で補完する必要がある。

2.補足
 最初に説明した通り、生物を基礎から理解するための参考書なので、初学者や生物が極度に苦手な者以外は使用する必要は特にない。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。


 ■『リードLightノート 生物基礎』 数研出版
  『リードLightノート 生物』 数研出版

1.特徴
 教科書傍用の問題集。穴埋めの語句確認から基本問題、応用問題と段階的に問題レベルを上げて学んでいける。本書自体は、解説が詳しい等の特徴はないが、教科書傍用であるため、漏れなく基礎的な事項を問題を解きながら確認できる。

2.補足
 セミナーやセンサー等の学校で配布された問題集がある者は、そちらを使用すればよい。独学のため学校の授業も生物を履修していない等でセミナー等が入手できない場合に、本書で代替すればよい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。




 以上で、二次・私大入試で生物を使用する場合の勉強方法についての解説を終える。


 生物の勉強方法
1.センター生物基礎の勉強方法
2.センター生物(専門)の勉強方法
3.二次・私大生物の勉強方法
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