受験勉強法学 Examics

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■公民の勉強法

1.倫理、政治・経済の勉強方法

 センター試験で「倫理、政治・経済」を使用する場合の勉強計画を述べる。センター試験では、「倫理」と「政治・経済」が各々別にあるが、「倫理、政治・経済」ではその両科目を一つの試験として受験することになる。それ故に、「倫理、政治・経済」は公民の中でも地歴と同じくらいの勉強量を必要とする科目である。
 「倫理、政治・経済」は、「倫理」と「政治・経済」から半分ずつ出題されるので、万遍なく勉強しなければ高得点はとれない。しかし、問題は「倫理」と「政治・経済」とほとんど同じため、勉強量は必要だが問題の難易度が高いわけではない。したがって、勉強をしっかりと行えば高得点をとることも他の公民や地歴の科目と同様に可能である。

 先ず、1-1.倫理、政治・経済の勉強計画において、勉強計画と勉強方法を説明する。次に、勉強計画に基づいて使用する参考書を1-2.倫理、政治・経済の参考書で説明する。

 それでは、倫理、政治・経済の勉強について具体的に説明する。次のような構成となっている。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

 1-1.倫理、政治・経済の勉強計画
  A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画
  B.10月から3カ月かけて仕上げる計画
 1-2.倫理、政治・経済の参考書

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1-1.倫理、政治・経済の勉強計画
 倫理、政治・経済をセンター試験のみで使用する場合について、A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画B.10月から3カ月かけて仕上げる計画に分けて示す。この両者の勉強計画を参考にして、自分で勉強計画を組み立ててもらいたい。言うまでもないが、高得点を安定してとりたい場合は前者Aの計画をすすめる。


A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画

 当勉強計画では、7月から「倫理、政治・経済」の勉強を開始して、1月のセンター試験までに地理を安定して高得点(8、9割以上)を目指す。基本的にはまとまった時間の「倫理、政治・経済」勉強を週1日行い、翌日に復習をざっとするという方式で進めて行く。
 基本戦略としては、最初に「政治・経済」を勉強して、次に「倫理」を勉強するようにする。これは、「倫理」の方が暗記量が少ないため追込みがかけやすいこと、「政治・経済」で学んだ思想が「倫理」でも少し登場するため「倫理」で覚える量が少し軽減されることを理由としている。ここでは週1日のペースで「倫理、政治・経済」の勉強を行う。


 最初に、『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』をキリの良いところまで約100ページを目途に読む。この時、語句の定義は勿論、背景や関連を意識しながら読むようにする。
 翌日に、重要語句を中心に記載されている内容を覚えるつもりでもう一度同じ範囲を読み込む。
 この一連の流れを1セットとして勉強を行う。新しいセットに入るときは、1セット前に行った範囲を読み直してからにすること。
  4セット繰り返して、『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』を読了して「政治・経済」の勉強を終える。


 次に、「政治・経済」と同様にして「倫理」の勉強に移る。
 『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』をキリの良いところまで約100ページを目途に読む。この時、語句の定義は勿論、背景や関連を意識しながら読むようにする。
 翌日に、重要語句を中心に記載されている内容を覚えるつもりでもう一度同じ範囲を読み込む。
 この一連の流れを1セットとして勉強を行う。新しいセットに入るときは、1セット前に行った範囲を読み直してからにすること。
 4セット繰り返して、『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』を読了して「倫理」の勉強を終える。


 以上の勉強を行えば、8月が終わるまでに「政治・経済」と「倫理」の両科目について一通り勉強が終わる。9月と10月も同様に、約100ページを1セットとして1週間に1日程、両書を読み込みながら通読していく。その際に、知識や理解が曖昧だと感じた箇所は重点的に覚えるようにして勉強していけばよい。


 11月からは、1週間に1日程「政治・経済」と「倫理」のセンター試験の過去問を解き、問題演習をしながら知識の補充と確認を行う。両科目の10年分を1月に入るまでに解き終えることが目標である。
 問題を解き終えた後は、『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』と『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』で該当箇所を確認して理解と暗記に漏れがないようにして、気になったり間違えた事項については両書に書き込みを行う。直前の復習の際に自分の弱点を潰すようにする。

 この過去問演習で注意してもらいたいのは、「政治・経済」は法律の改正等があることだ。出題された時点では問題の内容が適切でも、過去問演習を行う現在では古い誤ったものであることがある。したがって、解説をよく読んで誤った知識を覚えないように気を付けてほしい。
 こうした古い内容の問題を避けるという意味でも5年分程過去問を解いたら、予備校が出している模擬試験の問題集を解くように切り替えることもありだ。

B.10月から3カ月かけて仕上げる計画

 当勉強計画でも、基本的な流れは、「A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画」と同じであるが、勉強内容を薄く、回数を圧縮して行うことになる。


 最初に、『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』をキリの良いところまで約100ページを目途に読む。この時、語句の定義は勿論、背景や関連を意識しながら読むようにする。
 翌日に、重要語句を中心に記載されている内容を覚えるつもりで、もう一度同じ範囲を読み込む。
 この一連の流れを1セットとして勉強を行う。新しいセットに入るときは、1セット前に行った範囲を読み直してからにすること。
 4セット繰り返して、『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』を読了して「政治・経済」の勉強を終える。


 次に、「政治・経済」と同様にして「倫理」の勉強に移る。『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』をキリの良いところまで約100ページを目途に読む。この時、語句の定義は勿論、背景や関連を意識しながら読むようにする。
 翌日に、重要語句を中心に記載されている内容を覚えるつもりで、もう一度同じ範囲を読み込む。
 この一連の流れを1セットとして勉強を行う。新しいセットに入るときは、1セット前に行った範囲を読み直してからにすること。
 4セット繰り返して、『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』を読了して「倫理」の勉強を終える。


 以上の勉強を行えば、11月が終わるまでに「政治・経済」と「倫理」の両科目について一通り勉強が終わる。
 12月からはセンター試験の過去問を解きながら、両書を読み進めて理解と暗記の補充と確認を行いながら勉強を行う。過去問演習で解いた問題については、該当箇所を確認して理解と暗記に漏れがないようにして、気になったり間違えた事項については両書に書き込みを行う。直前の復習の際に自分の弱点を潰すようにする。


 この勉強計画は短い期間に行うため、復習が少なくなり、安定して高得点をとることが難しくなる危険もある。さらには高得点自体がとれない可能性もある。やはり、試験で高得点を安定してとるためには時間がかかるものであるということに注意してほしい。


 また、この時期から『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』と『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』の2冊を使用して勉強するのでは勉強時間を確保することが厳しい場合には、『センター試験 倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本』の1冊で代替してもよい。その場合は、1セットを約50ページとして進めればよい。ただし、『センター試験 倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本』では、全くの初学者では2冊を使用するときよりも説明等が簡略過ぎたり不十分に感じる可能性があることは注意してもらいたい。


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1-2.倫理、政治・経済の参考書
 上述した勉強計画の中で使用する参考書を紹介する。


 ■『改訂版 センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』 中経出版
1.特徴
 センター試験に特化した「政治・経済」の参考書。「政治・経済」についてセンター試験に必要な知識と理解を本書で学ぶことができる。解説は講義調で詳しく、語句の説明も問題での問われ方を意識したものとなっている。
 本書でセンター試験での「政治・経済」の知識と理解が必要十分に得られる。本書を一通り暗記した後は、過去問演習を行いながら本書で該当箇所を確認していけば、「政治・経済」で安定して高得点を取れる。

2.補足
 本書を隅々まで読み込めば、8、9割は取れるが、満点を狙う場合は時事問題についての対策が必要となる。時事問題については、「政治・経済」の知識と関連させながら新聞を読むとよい。最低でもよく新聞の1面に載るような事柄は押えておく。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。


 ■『改訂版 センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』 中経出版

1.特徴
 センター試験に特化した「倫理」の参考書。「倫理」についてセンター試験に必要な知識と理解を本書で学ぶことができる。解説は講義調で詳しく、語句の説明も問題での問われ方を意識したものとなっている。
 本書でセンター試験での「倫理」の知識と理解が必要十分に得られる。本書を一通り暗記した後は、過去問演習を行いながら本書で該当箇所を確認していけば「倫理」で安定して高得点を取れる。

2.補足
 本書を隅々まで読み込めば8、9割は取れるが、満点を狙う場合は、文章を読解して正答を導き出す対策が必要となる。これには国語力が必要となるが、「倫理」の知識と上手く結びつけながら解くことを意識すればよい。その前提知識となるものは本書で手に入るので、過去問演習の際には、文章と知識をどのように結びつけて正答を導いているかに注意を払いながら解説を読んでもらいたい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。


 ■『改訂版 センタ―試験 倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本』 中経出版

1.特徴
 センター試験に特化した「倫理、政治・経済」の参考書。「倫理、政治・経済」についてセンター試験に必要な知識と理解を本書で学ぶことができる。解説は講義調で詳しく、語句の説明も問題での問われ方を意識したものとなっている。
 本書でセンター試験での「倫理、政治・経済」の知識と理解が得られるので、一通り暗記した後は、過去問演習を行いながら本書で該当箇所を確認していけば、「倫理、政治・経済」で高得点を取ることは一応可能である。

2.補足
 「倫理」と「政治・経済」を1冊で解説しているため、『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』と『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』の2冊を使用する場合に比べて若干抜けができる。特に「政治・経済」についてはやや説明不足な所もある。本書のみを使用する場合は、問題演習で補足していく必要が2冊を使用するときよりも求められる。
 『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』と『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』の2冊を使用することをすすめるが、時間がない場合等は『センター試験 倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本』のみを使用して切り抜けることも一応はできる。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。


 ■『用語集 政治・経済』 新訂版 清水書院
1.特徴 2.補足 3.進度
 言わずとも知れた用語集の鉄板書。本書は、政治・経済の語句を網羅している。これを用いて直接語句暗記等に努めることはないが、勉強中に出会った分からない単語等を調べるときに非常に有益である。
 『センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』で語句の説明等は基本的に足りるが、より詳しく知りたいときに本書を使用するとよい。必携とまではいわないが、独学の場合は、持っていた方がよい。
 地歴では用語集といえば山川出版社だが、政治・経済では清水書院の方が用語の網羅性が高いので本書の方を購入することをすすめる。


 ■『資料 政・経 2014』 東学

1.特徴 2.補足 3.進度
 政治・経済の資料集。判例や統計、理論等が多く掲載され、語句の解説も詳しい。本書を中心に勉強することはないが、政治・経済の勉強で具体的な事実や事件の背景等が教科書や参考書では不明瞭だったりして暗記や理解がしにくい箇所があるとき、本書で確認すると勉強の効率が上がる。
 毎年度最新のものを置いておくことで、参考書や問題等で古くなった事項を最新のものに更新するのにも役立つ。1冊は何かしらの資料集を持つことをすすめる。

 ■『倫理用語集』 山川出版
1.特徴 2.補足 3.進度
 言わずとも知れた用語集の鉄板書。本書は、様々な出版社が出す倫理の教科書の語句を頻度とともに網羅している。これを用いて直接語句暗記等に努めることはないが、勉強中に出会った分からない単語等を調べるときに非常に有益である。
 『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』で語句の説明等は基本的に足りるが、より詳しく知りたいときに本書を使用するとよい。必携とまではいわないが、独学の場合は持っていた方がよい。
 なお、本書の頻度は、どれだけの教科書に掲載されているかを示すもので、入試での頻出度では決してないので注意されたい。

 以上で、「倫理、政治・経済」の勉強方法についての解説を終える。「倫理、政治・経済」は、他の公民科目と同じように短い時間と少ない勉強量で高得点を取るという考えは捨て、地歴と同等の勉強量を求められることを肝に銘じて、真摯に勉強するようにしてもらいたい。そうすれば、高得点も安定して取れるので、頑張ってもらいたい。

 公民の勉強方法
1.倫理、政治・経済の勉強方法
2.倫理の勉強方法
3.政治・経済の勉強方法(私大試験含む)
4.現代社会の勉強方法
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