受験勉強法学 Examics

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■英語の勉強法

2.英文法の勉強方法

 ここでは、英文法の勉強方法について解説する。1.英語の勉強計画でも述べた通り、英文法は、英文解釈・長文読解・英作文・リスニングの基礎となるので、最優先で固めることが求められる。英語を読み、書く、聴くということを英文法を抜きにして行うことは、海外に住んだことがなく幼児の頃から英語に触れたことのない日本人にとっては不可能といっていいだろう。
 また、大学受験での英語の答案を作成する上では、ほぼ全てといっていいほど、英文法の知識が絡んでくる。例えば、英文解釈をする場合、まず英文の文型の把握が必要となり、和訳する上で様々な英文法の知識が必要となり、それらを前提とした上で自然な日本語となるように和訳することが答案として求められている。また長文読解の場合も、一文一文が理解できた上での文章であることを考えるならば、英文法が必要になることは理解できよう。以上のことから、英語を得点源とする上で英文法の習得が如何に大切であり大前提となっているかが分かるだろう。

 では、英文法の勉強方法について詳細を説明する。1.英語の勉強計画で大枠は述べた通りで、具体的には、基礎固めに3週間程度割き、その後、2カ月半程度でセンター試験レベルの問題集を1冊仕上げる。この約4カ月の間に文法の基本は完成させる。そして、二次・私大レベルの問題集を解き、入試突破レベルまで英文法の学力を上げることが大まかな流れである。

 次のような構成となっており、各段階で使用する参考書を紹介する。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

  2-1.基礎固め
  2-2.基礎から応用力養成
  2-3.総合力強化
  2-4.過去問演習に加えて
  2-5.英文法書と参考書


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2-1.基礎固め
 基礎固めの時期に、英文法の全範囲を大雑把でいいので把握して基本事項を習得する。ここでは、3週間程で1冊の文法問題集をこなすことを目指す。英文法が重要といっても、英文解釈・長文読解・英作文も勉強しなければならず、大学入試の配点もそれらの方が高い場合が多いことを考えると、この基礎固めに時間をあまりかけることは得策ではない。したがって、3週間程の短期間で集中してあらかた英文法を固めた後に、何度も復習して他分野とともに並行して仕上げていくことになる。使用する参考書を以下に掲げる。


基礎英文法問題精講』 3訂版 旺文社
1.特徴
 書名通り、基礎を固める上で役に立つ文法問題集である。文法事項ごとに例題とその解説が付されており、類題でその項で扱った知識を確認できる編集となっており、英文法の各単元を実際に問題を解きながら勉強していくことができる。この問題集を解き終える頃には、センター試験の文法問題のレベルはあらかた解けるようになっているはずだ。

2.補足
 解説がそこまで詳しいわけではないが、疑問に思った部分は後述する文法書を用いて補足していけばよい。類題や練習問題は確認問題的な位置づけなので、当該文法事項に不安があったり、時間がある場合のみ解くので構わない。
 なお、この問題集を使用するのが辛い者は、英文法の基礎固め以前に、英文法についての学習が余りに不十分と思われる。後に述べる英文法を解説する参考書を読みながら、1単元を終える度に『基礎英文法問題精講』の該当単元を解き進めていくことをすすめる。

3.進度
 まず1日1〜2Chapterずつ解く。Chapterは全部で19あるので、2週間もあれば1周できる。なお、一度解いたChapterは翌日にもう一度解きなおし、さらに1週間後に解きなおし、合計3回解くこと。これを3週間程でこなす。



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2-2.基礎固めから応用力養成
 センター試験から中堅二次・私大レベルの文法問題に対応できるように学力を向上させる段階では、基礎固めの時期に身に着けた英文法の知識をより確固としたものにすると同時に、入試問題に対応するための知識を肉付けすることが目的である。2カ月半程度で1冊の問題集を仕上げることが目標である。使用する参考書を以下に掲げる。


英文法・語法のトレーニング1 戦略編』 改定版 Z会出版
1.特徴
 まず例題があり、その例題に関係して解き方のポイントと文法事項についての詳しい解説がある。この1冊を完全に習得することができれば、センター試験の文法問題は確実に高得点を狙えるようになるはずである。また問題のレベルも二次・私大レベルのものが含まれるため、この1冊で、センター試験レベルの問題を解く学力と共に、の問題にも対応できる能力を養うことができる。

2.補足
 1つの例題に対して例題とそれと関連する文法事項を解説するため、本書では関連分野について問題を解くことができない文法事項もある。問題数は決して少ないわけではないが、漏れなく問題演習を積むためには二次・私大レベルの段階で補う必要がある。

3.進度
 「第1章文法の攻撃点」を1日1節ずつ解く。一度解いた節は翌日にもう一度解きなおし、さらに1週間後に解きなおす。
 「第1章文法の攻撃点」を1カ月半程度で終了した後、その1週間後の復習をしつつ、「第2章語法の攻撃点」を1日2、3節ずつ解き1〜2週間で仕上げる。「第2章語法の攻撃点」も一度解いた節は翌日に再度解き、さらに1週間後に解きなおす。
 このようにして本書を2カ月半程度で終える。その後、1カ月後にもう一度第1章、第2章とともに解きなおし、英文法の基本を完璧なものとする。



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2-3.総合力強化:二次・私大レベルの問題演習
 上記の勉強を終えれば、文法問題に関してはもう十分な学習を終えているといえる。それ以降の英文法の勉強法はひたすら問題を解くこととなる。英文法の力は相当程度身に付いているはずなので、知識に穴がないようにひたすら埋めていくことになる。おそらくこの単純な作業を苦痛に思う者も多いだろうが、仕方ないと割り切って知識の確認と穴埋めを淡々とこなしていくことにくじけることなく精進してもらいたい。なお、京都大学のような文法問題を1問も出さない大学を志望する者は上記の勉強だけで十分対応できるので、以下の問題集を使用する必要は特にない。
 それでは使用する参考書を以下に掲げる。


 大学入試 英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ3)』 最新六訂版 桐原書店
 1.特徴
 左ページに問題があり、右ページに問題の解説が非常に簡潔にあり、解答は別冊となっている。問題の種類も、文法から語法、口語、熟語、そして発音・アクセント等多岐にわたり、問題総数も約1900と豊富である。網羅性があり、問題の配列も単元毎に並んでおらず、入試の実践問題として使える。この1冊を完璧に仕上げれば、文法問題に関しては怖いものなしである。

2.補足
 問題数が多いだけでなく解説も本当に簡潔なものなので、基礎固め及びセンター試験レベルを行わずにこの問題集をいきなり使用することは、知識が闇雲に増えるだけで効率が悪いので絶対に行ってはならない。文法知識が体系的に身に付いている者が、文法事項の漏れを潰すために使用してこそ本書の意味があることに注意すること。
 ただし、「第2章重要イディオム」と「第5章語いの問題」は入試までの時間に余裕がある場合に解きたければ解けばよく、基本的には解かなくてもかまわない。また、「第4章口語表現の問題」と「第6章アクセントの問題」も出題される大学の受験者のみ解けばよい。
 なお、偏差値60未満の大学を第1志望とする者は、本書が若干重く感じられるかもしれないので、英語で他受験生に差をつけるつもり以外の者は、下に紹介する別の文法書を使用することをすすめる。

3.進度
 進度は使用する各自の学力や勉強計画次第で、1日に10〜20問程度ずつ解き進めてもよいし、英文法に自信がある者は、他の科目との兼ね合いもあるが、一気に100問解き進めてもよい。
 一度解いた問題は翌日にもう一度解きなおし、さらに1週間後に再度解きなおし1カ月後の解きなおす方法は上述してきた通り変わらない。特に、何度も解きなおす過程で同じように間違えてしまう問題は、知識に欠けがあったり弱点となっている可能性が高いので重点的に潰していくこと。
 以上のようにして1周終了後に2周目以降を行う場合は、1日で大量に解き、間違えた問題のみ翌日にも復習するという形式で、何度も反復して行うとよい。


 ■『大学入試 New基礎英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ8)』 最新四訂版 桐原書店
 1.特徴 2.補足 3.進度
 上述の『大学入試英語頻出問題総演習(即戦ゼミ3)』の学力レベルが1つ下がったものなので、偏差値60未満の大学を第1志望とし英語で他受験生に差をつけるつもりのない者はこちらを使用することをすすめる。


 ■『全解説入試頻出英語標準問題1100―文法・語法・イディオム・会話表現の総整理』 桐原書店
 1.特徴 2.補足 3.進度
 上述のものとは別系統であるが同じ桐原書店から出版される問題集。解説も比較的詳しく載っているので、センター試験レベルで養成した学力はあるが、やや不安を感じる者はこちらを使用することをすすめる。



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2-4.過去問演習に加えて
 補足として、主に早慶上智等の難関私大を受験し、英語に万全を期して英語で少しでも差をつけたい場合について述べる。このような者は更なる英文法の学習をしたいだろうから、一応そのための問題集を紹介しておく。余裕があれば使用すればよいのであり、無理して以下の参考書をやる必要はないし、はっきり言って費用対効果は低いことに注意されたい。


 ■『英文法・語法のトレ−ニング2 演習編』 改定版 Z会出版
 1.特徴
 『英文法・語法のトレーニング 1 戦略編』の発展版。難関大にのみ対象を絞っているため、問題もかなり難しい。解説も詳しく、『英文法・語法のトレーニング 1 戦略編』の攻撃点と関連させているので、使用しやすいだろう。

2.補足
 実際に使ってみて難しすぎると感じた場合は、即座に使用をやめ、二次・私大レベルの問題に戻り、時間をやたらと浪費することを避けるようにしたい。本書をこなせなくても大学受験において、英語の学力に不安があることにはならないので、あくまで難関大志望者が英語において万全に期するため以外には使用しなくてよい。

3.進度
 各自の学習計画にあわせて、適宜組み込んでいけばよい。



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2-5.英文法書と参考書
 次に問題集とは別に、英文法書と英文法参考書を紹介する。
 英文法書は通読する必要はないが、勉強中に不明なこと、詳しく知りたこと等に出会ったときに辞書的な使い方ができるので便利である。高校で配布されることがほとんどなので、それを使用すればよいが、一応ここでも紹介する。
 英文法参考書は、英文法についての知識が全く0に近い場合、つまり高校1年生または不勉強のために悲しくもそれに準ずる受験生が最初のとっかかりとして使用するとよいものである。したがって英文法参考書は全ての人に必要というわけではない。以下、英文法書及び英文法参考書を紹介する。

英文法書


 ○『ロイヤル英文法』 改定新版 旺文社
  英文法書の大御所。内容も非常に細かくこの1冊あれば英文法についての知識を探す際困ることはまずはないだろう。ただし、初学者や英語が苦手なものは使用しづらいことが多いだろうから、英語が得意な者にすすめる。





 ○『総合英語Forest 7th Edition』 桐原書店
 英文法の鉄板書。解説も初学者でも分かりやすいように工夫されており、多くの人にとって使いやすいはずだ。『ロイヤル英文法』が上級者向けなのに対して、本書は初学者から上級者と選ばずに使用できるので、迷うならこちらをおすすめする。




英文法参考書


 『英文法・語法のトレーニング 基礎講義編』 Z会出版
 本書は、本当に英文法を1から学ぶために基礎中の基礎から解説している。英文法の学習を全く行ってない者でも容易に読み進めることができるになっている。Lessonで問題を解いて確認もできるので、2週間程度で集中して一気に読み進めて、英文法の勉強の取り掛かりにするのに最適である。




 最後に、ここまで英文法の勉強方法についての解説をしてきたが、入試までに十分な時間がなく数学が苦手である等で英語に時間をあまり割けられない者は、『英文法・語法のトレーニング 1 戦略編』『大学入試New基礎英語頻出問題総演習(即戦ゼミ8)』『全解説入試頻出英語標準問題1100―文法・語法・イディオム・会話表現の総整理』のいずれか1冊のみを仕上げる等で応急処置的な方法もある。そこは各自の英語の学力や時間等と相談して学習を進めてほしい。

 以上で、英文法の勉強方法についての解説を終える。

 ・英語の勉強方法
1.英語の勉強計画
2.英文法の勉強方法
3.英文解釈の勉強方法
4.長文読解の勉強方法
5.英作文の勉強法
6.リスニングの勉強方法
7.英単語等の勉強方法
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