受験勉強法学 Examics

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■英語の勉強法

4.長文読解の勉強方法

 ここでは、長文読解の勉強方法について解説する。長文読解については、英文法及び英文解釈の学習がある程度進んできでから開始することは、1.英語の勉強計画で既に述べた。ほとんどの大学入試の英語において最も配点が高い分野であり、最近ではセンター試験ですら語数が800wrodsを超える長文が出題される。それ故に、長文読解の対策はしっかりと行わければならない。

 長文問題は、正確に速く読むことが必要となる。正確さは英文法と英文解釈で一文一文の意味をとることで練習をするが、長文読解では、その一文一文がどのように繋がり論理を展開するかを理解することまで求められる。それを前提として、語数が800words、さらには難関大学になると1000wordsを超える超長文を読むために速く読み切ることが重要である。この正確さと速さを両立させることが長文読解で高得点を獲得するために不可欠である。以上のことを踏まえて、内容一致や説明問題、そして段落整序や要約問題等の多様な問題形式を処理していく。


 では、長文読解の勉強方法について詳細を説明する。長文読解の勉強は英文法の勉強を開始して2週間後、英文解釈の勉強を開始して1週間後を目途にして開始する。1カ月程度で、英文法と英文解釈で培った知識を長文読解で応用しながら長文を読むことに慣れる。それから2カ月位かけて、入試レベルの長さの長文を読解できるようにする。
 その後、要約問題や段落整序が課される場合は、その対策をする。この段階において、1000words前後の超長文を出す大学を志望する場合は、超長文を時間内に読み解ける体力を養う。このような流れで長文読解の学習を進める。
 長文読解においても復習は重要である。同じ文章を何度も読むことに意味を見出し難いかもしれないが、一度読んだ文章を読み返すことは、頭に蓄積されている英語構文や英文法の知識を長文を読むときに使う練習となる。読解における英語の知識を分析することなく反射的に使えるようにするためでもある。英語自体に慣れて読む正確さと速さとを向上させてくれる。

 復習する際に音読をすることを強くすすめる。音読をすると文を返り読みして意味を把握する時間的余裕がないので、英語の語順で読み理解していくことになる。もちろん初見の文章ではそのようなことはできないだろうが、何度も復習する(した)文章ならば予め文意や構文を把握できているので比較的日本語に頼らずに理解できていくはずだ。このように同じ文章を何度も復習し音読することで、英語の型をどんどん蓄積していき、返り読みせずに読めるようになっていくのだ。焦らずに時間をかけて長文読解に慣れてほしい。

 次のような構成となっており、各段階で使用する参考書を紹介する。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

  4-1.読解基礎力の養成
  4-2.入試レベルの読解力の養成
  4-3.問題演習
  4-4.パラグラフリーディング


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4-1.読解基礎力の養成
 最初に長文読解に慣れる最初の時期に使用する問題集を紹介する。この時期は、300words前後の短い長文を読み、長文を一文一文がどのように繋がり文章を構成するかを理解しながら読み通す力を身に付ける。また、問題を解いて解説を読む際には、一文一文しっかりと英文法と英文解釈の知識を確認しながら、全文和訳もしていくことで英語の総合力が養われる。
 なお、模試(河合・駿台)で長文問題の偏差値が60を安定して超えたり、長文を読むことにある程度慣れている者は、この時期は飛ばして入試レベルの長文読解の段階に入ってもよい。


 やっておきたい英語長文300』 河合出版

 1.特徴
 読解力をつける最初の段階の基礎固めに最適な問題集である。本書に収録されている長文は、語数が300wrods前後で、内容も比較的平易であり、関連して文法事項の解説もあり、そして設問の解き方の解説がしっかりしている。全30問なので、本書を解き終える頃には短い長文を読み慣れているだろう。

2.補足
 上でも述べたが、長文読解に慣れてない初学者等がやればよいので、ある程度長文読解に慣れている者は本書を使用せずに下で紹介する『やってきおきたい英語長文500』から開始してよい。

3.進度
 1日2題ずつ解き、1カ月で1冊解き終える。
 1度解いた問題は、翌日と1週間後に、もう一度読み直して、長文を読む体力を養う。
 その時、余裕があれば、解答のポイントを意識ながらもう一度設問を解きなおすとよい。


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4-2.入試レベルの長文読解力の養成
 次に、入試レベルの長文読解を学習する時期に使用する問題集を紹介する。この時期は、入試で最も多く出題されているであろう語数700words前後の長文を読む力を付け基本的な学力・体力を習得することが目標である。正確さに加えて、時間を計りながら速さも意識しながら長文問題を解いていく。また、問題を解く際には、文意を取ることに戸惑ったりした箇所は印を付けておき、設問解説を読むときに文構造の分析と和訳をしてよく確認して、ただ解くだけで終わらせないようにする。


 やっておきたい英語長文500』 河合出版
1.特徴
 『やっておきたい英語長文300』の続編。全20問あり、語数が500words前後の長文で、内容も入試実践レベルとなっている。
 設問の着眼点やディスコース・マーカー等の論旨の展開の解説もしっかりしている。本書を解き終えれば、長文読解の基本を身に付けることができる。

2.補足
 本書を使用した後に、『やっておきたい英語長文700』でさらに長い長文を読むことに繋げる。本書で語数500words前後の長文はしっかりと正確に速く読み通せるように、3.進度の勉強量では不足していると感じた場合は、さらに読み直すことをすすめる。
 また、要約問題が出題される大学を志望する者は、本格的に要約問題の学習にとりかかる前の練習として、本書の要約が本文をどうまとめているかを意識しながら読んでみるとよい。

3.進度
 1日2題ずつ解き、3週間程で1冊解き終える。
 1度解いた問題は、翌日と1週間後に、論の展開を意識しながら、もう一度読み直すこと。
 その時、余裕があれば、解答のポイントを意識ながらもう一度設問を解きなおすとよい。

 やっておきたい英語長文700』 河合出版

 1.特徴
 『やっておきたい英語長文500』の続編。全15問あり、語数が700words前後の長文で、内容もやや難しいものとなっている。本書をしっかりと解けるようになれば、センター試験及び二次・私大中堅大学入試レベルの問題は十分解けるようになっているだろう。
 英文の大学入試でテーマとなりやすいトピックについての説明もあるので、背景知識もしっかりと身に付けられる。

2.補足
 語数が1000words前後以上の超長文を出題する大学の志望者は、本書に加えて、下で紹介する『やっておきたい英語長文1000』を使用することをすすめる。
 本書も上記の『やっておきたい英語長文500』と同様に、要約問題が出題される大学を志望する者は、本格的に要約問題の学習にとりかかる前の練習として、本書の要約が本文をどうまとめているかを意識しながら読んでみるとよい。

3.進度
 1日1題ずつ解き、3週間程で1冊解き終える。
 1度解いた問題は、翌日と1週間後に、論の展開を意識しながら、もう一度読み直すこと。
 その時、余裕があれば、解答のポイントを意識ながらもう一度設問を解きなおすとよい。



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4-3.問題演習
 続いて、設問形式に沿った演習について説明する。上述の長文読解の学習を進めることで、この段階に入る頃には長文を正確に速く読むことができるようになっているはずなので、長文読解で安定して高得点をとるための勉強を開始する。


 ■
速読のプラチカ 英語長文 入試精選問題集3』 改訂版 河合出版

 1.特徴
 試験時間内に問題文から設問の解答を効率よく導き出すことを本書で学習できる。全20問あり、英文の難易度も二次・私大レベルに対応できる。過去問演習に入る前の長文読解の解法の習得に適した問題集である。
 なお、速読といっても、本書は特段特別な速読法を身に付けるためのものではない。

2.補足
 段落の繋がりや、論理展開をもっと詳しく学習したく、時間に余裕がある者は下記で紹介するパラグラフ・リーディング系の勉強をしてから本書を使用するとより効果的である。ただし、パラグラフ・リーディングは必ずしも時間をかけて勉強する必要があるかは何とも言えないところがあるので、あくまで勉強時間に余裕のある者のみにすすめる。

3.進度
 1日1題ずつ解き、3週間程で1冊解き終える。
 1度解いた問題は、翌日と1週間後に、論の展開と解答の根拠をどのように探しながら読むべきなのかを意識しながら、もう一度読み直すこと。
 その時、余裕があれば、解答のポイントを意識ながらもう一度設問を解きなおすとよい。

 やっておきたい英語長文1000』 河合出版

 1.特徴
 『やっておきたい英語長文700』の続編。全10問あり、語数が1000words前後の長文で、最大1600wordsの超長文も収録さており、内容も難しいものとなっている。
 論旨展開のまとめと要約もあるので、超長文を解き終えた後に、自分が文章の内容を論理的に追えていたかを確認できる。
 本書を入念に仕上げれば、超長文も難なく時間内に読みこなす体力がつくだろう。

2.補足
 語数が900words以上の長文を出題する大学の志望者は、本書で超長文を集中力維持して読む練習を行うことをすすめる。それ以外の者は、例え京都大学のような難関大学志望者といえども、使用する必要ない。

3.進度
 1日1題ずつ解き、2週間程で1冊解き終える。
 1度解いた問題は、翌日と1週間後に、論の展開を意識しながら、もう一度読み直すこと。
 その時、余裕があれば、解答のポイントを意識ながらもう一度設問を解きなおすとよい。

 ■『英語要旨大意問題演習』 駿台文庫

 1.特徴
 要約問題に特化した問題集。Part1で要約問題のパターンを学習し、Part2でその演習を行う形式となっている。問題文の一文ずつをまとめて各文がどのような関係にあるかを示しながら要約する方法が示されている。この一文のまとめと各文の関連を読む能力は要約だけでなく、英文整序や段落整序にも役に立つ。
 Part2には採点基準もふされているので、自己採点しながら要約問題を学習できる。本書でしっかりと学習すれば、過去問演習で要約問題を解き、模範解答と自分の答案を比較して、ある程度の自己採点ができるようになるだろう。

2.補足
 問題文の英文法・英語構文についての解説もあるが、基本的に自力で読める者が使用すべきである。問題文の英文解釈等が難しく感じる者は、英文解釈の学習を進めてから挑戦することが望ましい。

3.進度
 Part1は1日1Chapterずつ解き、1週間程度で終える。一度解いた問題は1週間後にもう一度解きなおす。
 Part2は、1日1題ずつ2週間程度で終える。ここでも一度解いた問題は1週間後にもう一度解きなおす。


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4-4.パラグラフリーディング
 英文を論理的に読むパラグラフ・リーディングの勉強ついて説明する。『速読のプラチカ』の2.補足でも少し触れたが、パラグラフ・リーディングは、論説文の導入(序論)・本論・例示・結論といった論理展開を予測しながら英文を読み進めていく読解方法である。論理的に読む習慣があれば、特段意識せずとも「普通に」文章を読めるのだが、案外その「普通に」ができない学生は多い。そこで、読み方を学ぶということなになる。
 パラグラフ・リーディングを習得できれば、確かに読む速度は上がるが、方法論に拘り過ぎるのは禁物で、あくまで文章がそのように書かれやすいということに注意が必要である。また、一文一文の英文がしっかりと読めるのが前提で、そうした基礎なしにパラグラフ・リーディングをしても意味はない。
 以下で、パラグラフ・リーディングの参考書を紹介する。「普通に」読むことができない者や長文読解の方法論が詳しく知りたい者が以下の参考書を使用すればよい。他にも東京大学のように段落整序問題を出題する大学を志望する者は、『パラグラフリーディングのストラテジー (1)読み方・解き方編』だけでもやっておくとよい。


  パラグラフリーディングのストラテジー(1)読み方・解き方編』 河合出版

 1.特徴
 方法論から問題への応用までを丁寧に解説しているパラグラフ・リーディングについての導入的な参考書。本書でパラグラフ・リーディングの基本は習得できる。
 本書は、段落整序問題や英文整序問題を読み方と解き方の説明が主なので文構造の分析は各自で行う必要がある。

2.補足
 パラグラフ・リーディングの基礎は本書で学習できるが、問題演習という点では弱い。本書で学んだパラグラフ・リーディングの方法を様々な設問形式において演習したい場合は、続編である『パラグラフリーディングのストラテジー (2)』『パラグラフリーディングのストラテジー(3)』を使用することをすすめる。
 また、本書を使用する場合は『速読のプラチカ』に入る前の段階をすすめる。反対に、『速読のプラチカ』が難しいと感じた場合は、本書で勉強してから再挑戦するとよい。
 なお、本書は段落の最初と最後を読めばよいという謎の「パラグラフリーディング」ではなく、長文を読む上でパラグラフ毎に要旨を読み取る方法論を解説している。

3.進度
 各自の学習計画にあわせて、適宜組み込んでいけばよい。
 使用時期としては、設問形式に沿った問題演習(『速読のプラチカ』)に入る前が最適である。遅くとも1カ月程度で仕上げること。

 パラグラフリーディングのストラテジー (2)私立大対策』 河合出版

 1.特徴
 本書は、『パラグラフリーディングのストラテジー (1)』の続編で発展にあたる。『パラグラフリーディングのストラテジー (1)』で学んだ方法論を、空所補充問題・パラフレーズ問題・内容一致問題に応用して解くことを学ぶ。本書名に「私立大対策」と謳われているが、国公立大志望者も使用することをすすめる。

2.補足
 本書は、パラグラフ・リーディングを設問形式に応じて解法を適用していくことを学習するのだが、使用せずに、『速読のプラチカ』に移っても構わない。
 『パラグラフリーディングのストラテジー 1.読み方・解き方編』の内容をパラグラフ・リーディングを意識しながら練習したい者に対して本書をすすめる。

3.進度
 各自の学習計画にあわせて、適宜組み込んでいけばよい。本書も遅くとも1カ月程度で仕上げること。

 パラグラフリーディングのストラテジー (3)国公立大対策』 河合出版

 1.特徴
 本書は、『パラグラフリーディングのストラテジー (1)』の続編で発展にあたる。『パラグラフリーディングのストラテジー (1)』で学んだ方法論を、説明問題・要約問題・下線部和訳問題に応用して解くことを学ぶ。記述がない私大専願者は特にやる必要はないだろう。

2.補足
 『速読のプラチカ』で説明問題・下線部和訳等の演習が不足していると感じた者は、本書の使用をすすめる。

3.進度
 各自の学習計画にあわせて、適宜組み込んでいけばよい。本書も遅くとも1カ月程度で仕上げること。


 以上で、長文読解の勉強方法についての解説を終える。後は志望校の過去問演習を行い、時間内に解けるように練習を積めばよい。長文読解は安定して高得点をとることができるようになるまで時間を要するが、毎日何かしら長文に触れながら忍耐強く継続すれば必ず成績は向上するので精進してもらいたい。

 ・英語の勉強方法
1.英語の勉強計画
2.英文法の勉強方法
3.英文解釈の勉強方法
4.長文読解の勉強方法
5.英作文の勉強法
6.リスニングの勉強方法
7.英単語等の勉強方法
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