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■英語の勉強法

1.英語の勉強計画

 英語の学習にとりかかる前に勉強法の総論について述べる。外国語たる英語を学ぶ上で最初に注意すべきことは、学習すべき範囲が英文法・英文解釈・長文読解・英作文・リスニング、つまり読み・書き・聴きと非常に広く相互に関連しいることだ。英語の成績を向上させるためには、各分野自体及びそれらの相互関連を上手く理解して習得することが必要となっている。

 英語の勉強計画のスケジュールの1つのモデルを示すと下の図のようになる。このモデルでは、4月から受験勉強を開始して2月に入試をうけるという約11カ月の期間を想定している。現時点の受験生の学力によっては当スケジュールのモデルは柔軟に変更すべきであり、あくまで1つのモデルであることに注意しておくこと。

 それでは下図のスケジュールの詳細を説明する。なお、英文法・英文解釈・長文読解・英作文・リスニングの各分野の詳しい勉強法については後に譲り、ここでは学習スケジュールの各分野の配分について述べる。また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
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4〜5月:英文法重点強化

 英文法は、英文解釈・長文読解・英作文・リスニングの基礎となるので、最優先で固めることが求められる。したがって、英文法の勉強を最初に取り組むべきである。英文法の大枠を理解した後に、英文法の細かい事項の学習に力を入れ、それと並行して英文解釈・長文読解・英作文・リスニングの勉強をしていくのがよい。この期間の目標は、英文法の基礎を固めると同時に英語に対して慣れることである。
 具体的には、英文法の勉強を開始して1週間後に英文解釈の勉強を開始する。続いて英文法の勉強を開始して2週間後、つまり英文解釈の勉強を開始して1週間後に、長文読解と英作文の学習を開始する。これは、英文法の基礎知識を一定程度学習した後でないと各々の分野の学習が円滑に進まないため、段階的に勉強分野を広げていくことを狙っている。英語の学習計画

6〜7月前半:英文解釈強化

 4〜5月で固めた英文法の知識を基にして英文解釈の学習を重点的に行う。英文解釈で1文の構造を分析して、自力での精読と構文把握ができるようになることが目標である。英文解釈は、長文を正確に読み解く能力と英作文を構成する上で必要な知識の土台となっているので、この時期が英語の入試問題を解く実践の第一歩となる。
 英文法については、二次・私大レベルの問題にも対応できるように基礎から応用へと移る。
 長文読解については、英文解釈の知識を活かしながら文構造をとりながら精読して、読み慣れをつくる。
 英作文については、英文法の知識を土台として、必要な知識をインプットする時期である。

7月後半〜8月:長文読解・英作文強化

 夏休みとなるこの時期は、長文読解と英作文を重点的に学習する。
 勉強時間を多く確保できるこの時期に、長文読解の問題を速く正確に解くために、多くの英文を読み問題を解く。今まで長文の読み慣れで培った体力をここで一気に磨き上げる。
 英作文については、4月下旬から7月が終わる頃までにコツコツと積み重ねてきた知識を約1カ月かけて復習して総整理し盤石なものとする。
 英文法と英文解釈については、意識せずとも反射神経で使える段階まで引き上げられるように、今まで学習してきたことを復習して知識の整備を行う。

9〜11月前半:問題演習と総合力強化

 夏までに固めてきた基本的な英語の学力を入試に対応できるように全分野で実践的な演習を行う。この時期は、今まで学習してきたことを復習しながら、問題形式に合わせて解答を導き出す段階であり、全く新しい知識と出会うことは少ないので問題演習を重ねることとなる。
 英文法はひたすら問題を解き暗記を繰り返す。
 英文解釈と長文読解は、多読を重ね速読力を上げるとともに精読して正確に読む練習を繰り返す。
 英作文は志望校の出題に応じて長文英訳と自由英作の対策を各々行う。
 このようにして、英語の入試で問われる学力を総合的に伸ばしていく。これらの勉強の際に自分に弱い分野を発見した場合には、その弱点補強も抜かりなく行っておく。
 人によって程度と詳細な時期は異なるが、この時期は英語の全ての分野が有機的に結びついて学力がかなり伸びる時期である。今まで頑張って英語の勉強をしてきた効果を実感できるだろう。それに油断して英語の勉強を疎かにするとあっという間に英語の勘が鈍り取り返すことに苦労することになるため、油断せずにしっかりと学んできたことを復習しながら問題演習で学力を養ってもらいたい。

11月前半〜2月:過去問演習

 問題演習で総合力を強化した後は、いよいよ志望校の過去問演習に入る。過去問演習を通じて、時間内に合格点・目標点を超えるように英語の学習の総点検をする。
 過去問から、どのような出題傾向かを分析するのは当然として、大問をどの順番から解き、時間をどれだけかけることができるのかという戦略もしっかりと立てる。時間内に問題を全て解き終わることができるように実践的に試みることが肝要だ。また、国公立志望者は、志望校の過去問だけでなく、12月後半、遅くとも1月からはセンター試験の過去問を解き、その形式に慣れる必要がある。

 ここまで英語を真面目に勉強して来たならば、特段穴となる分野はないと思うが、それでも抜けがあればこの早い内に埋めておくことを忘れずに行う。過去問演習は実際の入試問題に慣れるだけでなく、自己の弱点を再確認するためにも重要であるため、過去問を解いて答え合わせだけでなく、知識の確認を怠らずに繰り返さなければならない。
 過去問演習だけでは、過去問で問われてない知識が忘却される恐れがあるので、今まで解いた問題集と参考書の総チェックを行う。今まで何度も解いた問題なので復習には時間が余りかからないと思われるが、何度も間違えてきた問題はここでしつこい位に繰り返して完璧に解けるようにしておく。

英単語(英熟語)とリスニングの強化

 最後に、リスニングと英単語(英熟語)について述べる。両方とも、英文法・英文解釈・長文読解・英作文の4分野以上に反復が大切だ。他の英語の分野とは別に毎日継続して繰り返し勉強することがかなり重要となる。したがって、リスニングと英単語(英熟語)については、スケジュールを通じて継続して勉強し続けることが必要である。

 リスニングは、通学時間や休み時間等細切れの時間でもできる限り英語を聴き、英語を聴き取れる耳を鍛錬するとともに、実際に問題を解いたり、シャドーイングやディクテーションの練習を行うまとまった時間を確保し、毎日継続して勉強することが大切である。リスニングができるようになれば、長文読解の速度も向上し、リズムや英文も頭に残ることで、英文法や英作文にも良い影響を与えるので、他の分野と異なり中々伸び難いリスニングではあるが、辛抱強く投げ出さずに勉強することを肝に銘じてほしい。

 次に英単語(英熟語)については、リスニングと同様に、毎日継続して暗記していくことが肝要である。英単語は忘れることを前提として、短期間に大量に覚え、それを何周も繰り返すことで覚えていく。その過程で、どうしても暗記できない単語については短期間・大量暗記とは別に、個別に暗記していく。

 以上、英語の勉強計画についての説明を終える。続いて、英文法・英文解釈・長文読解・英作文・リスニング(・英単語)の各々の分野の学習法について詳しく述べる。したがって、上述の勉強計画のモデルに各分野の勉強法を当てはめて、各自で英語の勉強を行って頂きたい。

 ・英語の勉強方法
1.英語の勉強計画
2.英文法の勉強方法
3.英文解釈の勉強方法
4.長文読解の勉強方法
5.英作文の勉強法
6.リスニングの勉強方法
7.英単語等の勉強方法
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