受験勉強法学 Examics

更新:LAAD[説明詳細]

■英語の勉強法

5.英作文の勉強方法

 ここでは、英作文の勉強方法について解説する。英作文は、英文法及び英文解釈の学習がある程度進んできでから開始することは、1.英語の勉強計画で既に述べた。英作文、つまり自分で英語を書くことは、確固とした英文法及び英文解釈の知識と豊富な語彙力(熟語含む)があって初めて可能となる。また、受験英語においては高度な英文を書く必要はないし普通はできるわけもない。自分の持っている知識から、如何に英作文を書くかを学び習得する。

 では、英作文の勉強方法について詳細を説明する。英文法の勉強を開始してから2週間後、英文解釈の勉強を開始してから1週間後を目途に勉強を開始する。2カ月程で英作文の書き方と英文法事項と頻出表現を学び、それと並行して基本例文の暗記に努める。この段階では、英作文の基本的な知識をしっかりと習得する。
 その後、習得したした知識を基にして和文英訳の演習を繰り返す。この段階では、一見すると難しい日本語や英語へと直訳しにくい日本語を平易に言い換えて、英語へと書き換える能力を身に付けることが目標である。また、自由英作文が課される大学を志望する者は、自由英作文の練習が別に必要である。
 最後に、過去問演習に入る。今まで学んできた知識を復習しながら、それを応用して志望する大学の過去問を解いて合格に必要な点数をとることができるように演習を重ねる。なお、自分で書いた英作文の答案を高校の教師または、予備校・塾の講師に添削してもらうことをすすめる。

 次のような構成となっており、各段階で使用する参考書を紹介する。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

  5-1.基礎固めと例文暗記
  5-2.問題演習


ページのトップへ戻る
5-1.基礎固めと例文暗記
 英作文の基本的な書き方を学ぶ時期について説明する。問題文の日本語をかみ砕き、英文をどのように構成するかを考えることを学習し、それに必要な例文を暗記する。
 英作文は確かに知識があればあるほど書きやすくなるが、際限なく英単語、構文を覚えていくことは到底無理がある。例文暗記を行い、英訳の際にそれを流用していく形で英作文の答案を作成する。

 以下で紹介する参考書の勉強後は、中堅私大の者は、本書と『例解 和文英訳教本 文法矯正編』を何度も復習した後、過去問演習に入ればよい。
 京都大学や大阪大学等のような本格的な長文の和訳を課す難関大志望者は、さらに本書の姉妹本の『例解 和文英訳教本 長文編』に移る。
 東京大学や一橋大学等のような自由英作文のみを課す大学を志望する者は、『
[自由英作文編] 英作文のトレーニング』に移る。ただし、余裕のある者は、表現や思考の幅を広げる意味でも『例解 和文英訳教本 長文編』を並行して使用するのも手である。

 以下に、英作文の参考書を紹介する。


 例解 和文英訳教本 文法矯正編』 プレイス

 1.特徴
 英作文を書くために必要で間違いやすい文法事項を105項目にわたって丁寧に解説している。本書では、英作文に必要なものだけでなく、英文法の知識を整理できる程詳しく説明されている。英文法学習を一通り終えた段階で本書を使用すれば、英文法の知識を整理しながら英作文を書くための知識も習得できるようになっている。
 英文法の用語も本書の著者独自のものが多いが、解説が丁寧なため理解できないということにならないので安心して使用できる。
 英作文の学習で多くの者が迷うであろう自分の解答の表現は英語として可なのか不可なのかの判定も本書では細かく例とともに○△×で示されているので独学しやすい。
 本書を読み終えた後は、姉妹本の『例解 和文英訳教本 公式運用編』に移って英作文に必要な表現を覚えれば、英作文に必要な知識はほぼ揃う。

2.補足
 解説が丁寧なので少々英文法の知識が曖昧でも一応読めるような構成にはなっているが、やはり英文法の基礎知識をしっかりと身に付けた段階で使用することが望ましい。
 英作文のための例文集のまとめがついてないが、本書の問題の英訳を例文集として使用すれば、例文集を他に用意しなくても十分間に合う。その際は、ノートを見開きで使用して、左ページに日本語文(和訳)を書き、それに対応させて右ページに英訳を書けば暗唱用の復習がしやすくなる。

3.進度
 1日で5題ずつ解く。問題を自分で解いて書いてみた後に、解説をしっかり読み込む。この段階では、英文法を英作文でも使えるように研磨することが目的である。したがって、細かい表現は覚えられる範囲で覚えるだけで、文法事項の理解と暗記に重点を置く。
 翌日に復習を行う。このような流れで本書を4週間で1周する。
 1周した後、本書の細かい英作文上の表現も覚えるようにもう一度最初から問題を解き、解説を読む。1周目にどれだけ英作文上の表現を覚えられていたかで2周目に1度に解く量が人によって変わるが、少なくとも1周目と同じ1日5題のペースは崩さずに行いたい。可能ならば2週間程度で2周目を終えることが理想である。
 この段階では、英作文に必要な文法事項を確固とするとともに、英作文でよく問われる表現をしっかりと覚えることが目標である。

 例解 和文英訳教本 公式運用編』 プレイス

 1.特徴
 『例解 和文英訳教本 文法矯正編』の姉妹本で前書で学んだ知識を実際に使いながら、英作文でよく問われる表現等を本書で学んでいく。
 最初の1/4程度は『例解 和文英訳教本 文法矯正編』の復習なので、英文法の基本事項を確認した後に、天気や社会問題等のテーマごとに問題を解いていく構成となっている。本書で出てくる表現を覚えれば、簡単な英作文では困ることはなくなるだろう。
 本書も英作文のための例文集のまとめがついてないが、本書の問題の英訳を例文集として使用すれば、例文集を他に用意しなくても十分間に合う。その際は、ノートを見開きで使用して、左ページに日本語文(和訳)を書き、それに対応させて右ページに英訳を書けば暗唱用の復習がしやすくなる。

2.補足
 本書で問題を解く際は、英文法の注意点を意識するだけでなく、問題文の日本語をかみ砕き、如何に自分の知っている英語の表現に落とし込めるかを意識しながら行う。漫然と問題を解いて解説を読むだけに終わらすことのないように注意されたい。
 また、本書の学習中に理解が曖昧であった英文法の事項は、『例解 和文英訳教本 文法矯正編』に戻って随時確認することが必要である。

3.進度
 最初の文法事項の確認は、『例解 和文英訳教本 文法矯正編』をしっかり終えていれば、さらっと確認程度で進められるので、ざっと読む程度でよい。
 問題を1日5題ずつ解く。上述したことと重なるが、英文法の知識を丁寧に答案に反映させて、日本語をかみ砕きながら英語へと訳していく。問題を解いた後は解説を読んで英語での表現を覚えるが、この段階では細かい違いはできる限りでよく、表現の仕方と語法に違いがあることが意識できればよい。
 翌日に復習をする。このような流れで本書を4週間で1周する。
 1周した後、細かい英作文上の表現も覚えるようにもう一度最初から問題を解き、解説を読む。1周目にどれだけ英作文上の表現を覚えられていたかで2周目に1度に解く量が人によって変わるが、少なくとも1周目と同じ1日5題のペースは崩さずに行いたい。可能ならば2週間程度で2周目を終えることが理想である。
 この段階では、英作文でよく問われる表現を覚えて自分で選択できるようなることが目標である。



ページのトップへ戻る
5-2.問題演習
 上記の段階を終えた後に、自由英作文の形式の学習と和文英訳の問題演習について説明する。
 前者の自由英作文は、出題される者は必ず問題演習をし書き方を身に付けておかなければならない。とはいえ、自由英作文も問題に対する発想のや書き方を学べば、『例解 和文英訳教本』で学んだ知識で書けるので恐れることはない。
 後者の和文英訳ついては、上でも述べたように京都大学や大阪大学等のような本格的な長文の和訳を課す難関大志望者は必ず行い、それ以外者は、時間に余裕がある者はできるだけやるべきで、余裕がなければ、過去問演習に入ってもよいだろう。

 いずれにしろ、『例解 和文英訳教本』の復習を適宜行いながら学習を進めれば英作文の基礎と応用は身に付けることができる。なお、『例解 和文英訳教本 文法矯正編・公式運用編』が7月までに終了しているならば、8月は両書の復習に充てて、9月から自由英作文と和文英訳の学習に本格的にとりかかることをすすめる。
 それでは以下に使用する参考書を紹介する。


 ■『[自由英作文編] 英作文のトレーニング』 Z会出版

 1.特徴
 本書は、自由英作文の書き方が丁寧に解説され、問題演習と共に学習していく形式となっている。英作文でのディスコース・マーカーを用いて文章の構成方法を学ぶことができ、指定語数に応じた書き方も紹介されている。
 この1冊によって、和文英訳と異なり自分で文章の内容と論理を構成しなければならない自由英作文を無理なく書くことができるようになる。

2.補足
 東京大学などの自由英作文が課される大学を志望する者は必ず本書を使用しなければならないが、そうでない場合は使用しなくてよい。また、自由英作文も英作文なので、英作文の基本を学習してからでないと本書を使っても意味がない。
 付属の例文集は、自由英作の際に役立つ表現が掲載されているので覚えられれば覚えることをすすめる。ただし、『例解 和文英訳教本』の例文暗記が十分に行えていればの条件であるので、こちらの例文暗記ができた者が行うようにすること。

3.進度
 1日5題ずつ解き、2、3週間で本書を1周終える。
 自由英作文の構成方法と着眼点を学ぶことが目的なので、自分の答案と解説を比べるときは、英作文の表現自体に加えて、論理構成や内容の過不足に注目することを心掛けてほしい。
 構成や理解が曖昧な問題は再度解きなおす。


 例解 和文英訳教本 長文編』 プレイス

 1.特徴
 『例解 和文英訳教本 文法矯正編・公式運用編』の姉妹本。最初に『例解 和文英訳教本 文法矯正編』の確認があり、その後に全48問の長文英訳問題を解く構成となっている。
 問題文の日本語をかみ砕き、しっている英語表現へと落とし込みながら、英語表現の可と不可を丁寧に例示している。本書で本格的な長文英訳問題を演習することで、過去問演習の際に手も足も出ないということはなくなる。
 内容は非常に濃く問題も難しいが、姉妹本をしっかりと消化してきた者にとっては、使用しきれないことはないのでじっくりと取り組むべき良書である。問題を解く際は、先ず何も見ずに自分の頭だけで日本語をかみ砕き日本語を「やさしく和訳」して英語に訳す。さらに、解説を見る前に辞書を用いて自分なりに完璧な答案を作成してみる。
 その後、解説を読み、自分の英語表現が適しているか否かを確認しながら、英語表現と思考法を覚えていくように学習すると効果的である。

2.補足
 東京大学や一橋大学を受験する者は本書を使用する必要はないが、長文英訳に止まることない解説があるので余裕があれば本書を使用してみることをすすめる。

3.進度
 1日4題ずつ解き、4週間程で解き終える。1度解いた問題は、翌日に細かい表現を覚えるつもりで復習すし、さらに1週間後に、解きなおす。


 ここまで英作文の学習を終えれば、英作文で致命的な間違いや知識の欠如はほぼなくなる。後は過去問演習で志望校の問題形式に慣れればよい。
 以上で、英作文の勉強方法についての解説を終える。英作文は、正確な英文法と英文構造を分析する力が基礎であることを忘れず、そうした所で減点されないように気をつけて学習を進めてほしい。


 ・英語の勉強方法
1.英語の勉強計画
2.英文法の勉強方法
3.英文解釈の勉強方法
4.長文読解の勉強方法
5.英作文の勉強法
6.リスニングの勉強方法
7.英単語等の勉強方法
トップページへ戻る
勉強法コラム
検索:過去問と演習
 


Copyright 2012-2019 受験勉強法学 Examics. All Rights Reserved.

inserted by FC2 system