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■地理の勉強法

1.センター地理の勉強方法

 センター試験でのみ地理を使用する勉強計画を述べる。地理を二次・私大試験で使用する者については、センター試験のための勉強を特別に行わなくても対策できるため、2.二次・私大地理の勉強方法を閲覧してもらいたい。

 ここでは、先ず1-1.地理をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画において、勉強計画と勉強方法を説明する。次に、勉強計画に基づいて使用する参考書を1-2.地理をセンター試験のみで使用する場合の参考書で説明する。

 なお、完全に独学で地理の勉強を開始する場合は1-3.センター地理の独学を参照してから1-1.地理をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画に進んでもらいたい。

 次のような構成となっている。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

 1-1.地理をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画
  A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画
  B.10月から3カ月かけて仕上げる計画
 1-2.地理をセンター試験のみで使用する場合の参考書
 1-3.センター地理の独学

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1-1.地理をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画
 地理をセンター試験のみで使用する場合について、A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画B.10月から3カ月かけて仕上げる計画に分けて示す。この両者の勉強計画を参考にして自分で勉強計画を組み立ててもらいたい。言うまでもないが、高得点を安定してとりたい場合は前者Aの計画をすすめる。
 また、総論で述べたように、語句暗記の際は、「いつの時代に(背景・理由も含む)」、「どこで」、「意義・役割(何をした・惹起した結果)」を意識しながら行うことを心掛けてほしい。


A.7月から6カ月半かけて仕上げる地理の勉強計画

 当勉強計画では、7月から地理の勉強を開始して、1月のセンター試験までに地理を安定して高得点(8、9割以上)を目指す。基本的にはまとまった時間の地理勉強を週1日行い、翌日に復習をざっとするという方式で進めて行く。


 最初に、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』をキリの良い節まで50〜60ページを目途に読む。この時、事象が何故そうなるのかという因果関係に注目して押えるようにする。また赤字と太字はそれぞれ紙に書き出しておく。手を動かすことで語句暗記の助けになるはずである。因果関係等が説明されていることは簡単にメモしておく。

 次に、上で読んだ範囲の教科書の該当箇所を読む。上で読んだ内容を思い出しながら、教科書の記述がどのようになっているかを確認して覚えながら読む。この時、紙に書き出していおいた語句とメモを教科書にチェックペン等で印をつけたり必要と思った説明等を書き込んでおく。

 翌日、教科書をチェックした語句、事項を暗記しつつ読み直す。以上の一連の流れを1セットとして勉強を行う。
 なお、新しいセットに入る前に、1セット前に行った箇所を教科書で読み返す。つまり、翌週に新しいセットを始める前に復習することになる。

 1セットに何ページ読むか人によって変わるが、このセットを8回前後繰り返して、8月末までに『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』と教科書を読了する。この段階で、教科書は、ある程度センター試験で重要な事項にチェックされた状態になっているはずだ。


 9月から11月にかけて、『センター試験地理B[系統地理編]超重要問題の解き方』、『センター試験地理B[地誌編]超重要問題の解き方』を解き、8月までに覚えたことを実際に問題で使えるように地理的思考を養う。

 両書とも、先ず問題を解く。その後、どのような思考過程で問題を解くのかに注意しながら板書と解説を読む。そして、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる点数』と教科書で該当箇所を読む。

 具体的な進度としては、1週間に1日程地理の問題を解く時間をとる。
 『センター試験地理B[系統地理編]超重要問題の解き方』は、第1章と第2章を各2週間ずつかけて解き、第3章から第5章を各1週間で解く。
 『センター試験地理B[地誌編]超重要問題の解き方』は、第1章と第2章を併せて2週間、第3章は1週、第4章と第5章を併せて1週間、第6章と第7章を併せて1週間かけて解く。


 以上の勉強を進めて行くことで、地理の語句の暗記と地理的思考の養成が終えられる。12月からは過去問演習を行いながら語句、統計等の暗記を行う。

 また、センター試験型の模試を受験し終わった後は、解説で示された正誤問題の判定に用いた箇所等を教科書に書き込んでいくことを忘れずに行う。
 なお、この勉強計画を4月から行えば、8月末までに語句暗記と地理的思考の養成を終えることができるので、教科書の復習する時間をさらに多くとることができるので、英数国等の他科目の進行状況次第で、早めに開始してみてもよいだろう。


B.10月から3カ月かけて仕上げる地理の勉強計画

 当勉強計画でも、基本的な流れは、「A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画」と同じであるが、勉強内容を薄く、回数を圧縮して行うことになる。

 最初に、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』をキリの良い章まで50ページを目途に読む。この時、事象が何故そうなるのかという因果関係に注目して押えるようにする。また赤字と太字はそれぞれ紙に書き出しておく。手を動かすことで語句暗記の助けになるはずである。

 翌日に、先日に読んだ該当範囲の『センター試験地理B[系統地理編]超重要問題の解き方』、『センター試験地理B[地誌編]超重要問題の解き方』を解き、解説を読み終えたら、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』を再度読み直す。

 これを1セットとして、週1回行い、9セット程度繰り返して、12月半頃までに、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』、『センター試験地理B[系統地理編]超重要問題の解き方』、『センター試験地理B[地誌編]超重要問題の解き方』の3冊を終える。これで一応の語句暗記と地理的思考の養成ができるので、後は過去問演習に入ればよい。

 この勉強計画は短い期間に行うため、復習が少なくなり、安定して高得点をとることが難しくなる危険もある。さらには高得点自体がとれない可能性もある。やはり、試験で高得点を安定してとるためには時間がかかるものであるということに注意してほしい。


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1-2.地理をセンター試験のみで使用する場合の参考書
 上述した勉強計画の中で使用する参考書を紹介する。


 ■『改訂版 センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』 中経出版

1.特徴
 系統地理、地誌の全範囲を網羅しており、何故そうなるのかを丁寧に解説している。センター試験のための知識は、本書で仕入れることができる。本書の解説を丁寧に読めば、地理的思考もある程度分かってくる。したがって、本書を基本にしてセンター試験で問われる暗記事項を確認していく。
 ただし、本書では地理に重要な問題演習が圧倒的に不足するので、別の参考書で補完する必要がある。

2.補足
 地図や統計資料等も掲載されているが、勉強の際は、地図帳やデータブックを他に用意して確認することも忘れないでほしい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。


 ■『瀬川聡のセンター試験 地理B[系統地理編]超重要問題の解き方』 中経出版
  『瀬川聡のセンター試験 地理B(地誌編)超重要問題の解き方』 中経出版

1.特徴
 センター試験の過去問とオリジナル問題を使用して、地理的思考を養うことができる問題集。解説が非常に丁寧なので、過去問演習にいきなり入るよりも本書でじっくりと学習した方がよい。
 問題を解く際は、何となくではなく、解答の根拠となる箇所をちゃんと見つけ出し、他の選択肢が何故誤りなのかを1問ずつ丁寧に解くこと心掛けてほしい。また、地理的思考を養う目的であるから、すぐに解答を見るのではなくしっかりと考えて解いてもらいたい。

2.補足
 2冊と分量が多いが、完全にセンター試験に狙いを絞った問題集なので、学習が遅れても12月半ばまでに終えられればよい。その場合、その後に過去問を4、5年分解き、時間内に全問解く練習をして、センター試験本試に臨めば何とかなるはずである。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。



 ■『新詳高等地図』 帝国書院

1.特徴 2.補足 3.特徴
 地理の学習では、地図帳は欠かせない。地形、国、都市等の位置を覚えていないと地理は始まらない。参考書に掲載されている地図以外にも、詳しい地図帳で地図を確認することは地理の理解を深めることに有益である。
 学校で配布された者はわざわざ買い替える必要はないが、地理を独学で学習する者は必ず地図帳を1冊買っておかなければならないので、一応ここで紹介しておく。


 ■『地図と地名による地理攻略』 四訂版 河合出版

1.特徴 2.補足 3.進度
 本書は、大学入試に絞った地図帳である。見開きで構成されており、左ページに国や大陸等の地図が掲載され、地名や地形に番号がふられており地名が暗記できているかの確認にも使える。右ページに関連する知識が掲載されている。
 内容はセンター試験レベルを超えているが、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』等で勉強を進める時に、本書を開いてチェックしていけばセンター試験用の参考書に変身する。
 上では地図帳は必須といったが、地図の参照の際には本書を基本として、さらに詳細な情報が欲しい場合に地図帳を開くという方法が効率的である。
 本書を是非手元に置いて地理学習を行いたい。


 ■『データブック オブ・ザ・ワールド―世界各国要覧と最新統計』 二宮書店

1.特徴 2.補足 3.進度
 有名な統計資料集。様々な統計資料を詳細に掲載されており、地理の学習中に最新の統計を調べるのに役立つ。
 本書を全て暗記する必要は全くないが、勉強中に出会った統計について最新の動向を確認したり解答根拠の裏付けをとるときに使える。
 学校で配布された者はわざわざ買い替える必要はないが、地理を独学で学習する者は必ず資料集を1冊買っておかなければならないので、一応ここで紹介しておく。


 ■『地理用語集』 山川出版

1.特徴 2.補足 3.進度
 言わずとも知れた用語集の鉄板書。本書は、様々な出版社が出す地理Bの教科書の語句を頻度とともに網羅している。これを用いて直接語句暗記等に努めることはないが、勉強中に出会った分からない単語等を調べるときに非常に有益である。地理学習において、手元に1冊なければならない必携の書といえる。
 なお、本書の頻度は、どれだけの教科書に掲載されているかを示すもので、入試での頻出度では決してないので注意されたい。



 以上で、センター試験でのみ地理を使用する場合の勉強方法についての解説を終える。歴史科目に比べて暗記事項は少ない地理だが、思考力を問われる問題が多いので、問題演習を多くこなしてそれを養えば8割以上はとれる。満点を狙うなら、最後には知識がものをいうことが多いため、語句暗記に加えて資料集や地図はしっかり行うことが必要であることは忘れないでほしい。


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1-3.センター地理の独学
 初学者や学校の授業を疎かにしてしまった者は、1-1.地理をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画の前に、『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』を予め2週間程度で一気に読む。したがって当節で紹介している勉強計画よりも2週間早く開始する必要がある。

 一気に読む際には、語句は自然と覚えられればよしとして、因果関係に注意を払いながら読むことを意識する。地理がどのような科目なのかを把握すると同時に、地理の基本的な事象を理解できればよい。後は勉強計画の学習を進めて行きながら肉付けをしていくことになる。


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