受験勉強法学 Examics

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■物理の勉強法

3.二次・私大物理の勉強方法

 二次・私大試験で物理を使用する場合の勉強方法について述べる。本節では、難関大学や医学部で合格点をとることこを目標にしている。中堅大学を志望する者については説明中に適宜説明を加えるので、参考にしてもらいたい。 センター試験のみで物理を使用する者は、物理基礎の場合は1.センター物理(基礎)の勉強方法を、物理(専門)の場合は2.センター物理(専門)の勉強方法を閲覧してもらいたい。
 学校の授業を真面目に聞き、学校で配布された教科書傍用問題集を隅々まで勉強して来た者については、3-1.二次・私大物理の勉強方法と計画から読み進めてもらいたい。

 履修できずに独学で勉強したり、学校の授業が教科書の読み上げに終わるなどして使えなかったり、余り勉強して来ずに物理をかなり苦手とする者については、3-2.二次・私大物理の独学から読み進めてもらいたい。ただし、その場合は物理の勉強時間を多くとらなければ、難関大学や医学部の入試問題に対応できる学力を身に付けることは難しくなることに注意してもらいたい。

 なお、微分と積分を用いて物理を学習する方法もあるが、基本的にそうした勉強は想定していない。確かに微積を用いることで問題は解きやすくなるものもあるが、大学入試レベルでは微積を用いずに解けるように一応なっているため、必ずしも知っておかなければならないわけではない。また、独学ということを考えると微積を用いた解法等を習得することは時間を要し、1年間という短い期間しかない中で入試本番で使用できるような学力をつけるには、他科目の勉強時間を割く必要がある。
 以上のことから、ここでは、物理の勉強方法と計画から除外する。微積を用いた物理を勉強したい場合は、3-1.二次・私大入試の勉強方法と計画のD.定量物理の勉強方法で別に紹介するので、時間に余裕がある者だけが参照すればよい。

 構成は以下のようになっている。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

  3-1.二次・私大物理の勉強方法と計画
   A.基礎的事項の復習
   B.入試レベルの問題演習
   C.最難関大学の物理の勉強方法
   D.定量物理の勉強方法
  3-2.二次・私大物理の独学


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3-1.二次・私大物理の勉強方法と計画
 ここでは、学校の授業と定期試験を毎回真面目に受けて来て、教科書傍用問題集を解いてきた者を対象にしている。つまり、物理の基礎的な学習は基本的にできている者を想定している。学校の履修の関係から未習部分もあるかもしれないが、その場合は適宜補足していく。

A.基礎的事項の復習:4〜6月

 最初に教科書レベルの基礎的な事項に漏れがないかを確認するために『物理のエッセンス』を使用する。典型的な基礎的な問題が多いため、比較的容易に解けるだろう。物理の基礎的な問題を解けるか否かを確認することが目的だ。苦手な分野があれば理解し完璧にする。後々の問題演習で躓かないためにも、基礎を固める。『物理のエッセンス』の解説だけでは理解できない事項は『物理教室』を適宜参照するようにしてほしい。

 『物理のエッセンス』2冊を2カ月で1周して終わらせるようにする。解き終えたら解答を見て間違えた問題にチェックを付ける。

 その次に、解いた範囲の教科書を読み直す。

 1周後は、再び1カ月かけて最初から『物理のエッセンス』2冊を解き直していく。ここで解けない問題、理解できない事項があることは、基礎的な事項の理解が不十分であることを証左しているので、必ず解けるように復習する。


 また学校進度の都合上未習分野に入り独学をしていかなければならなくなったら、『橋元の物理をはじめからていねいに』を使用する。未習分野の項目を『橋元の物理をはじめからていねいに』で読んだ後に『物理のエッセンス』を解くようにすればよい。詳しくは3-2.二次・私大物理の独学を参照してほしい。


 ■『物理のエッセンス 力学・波動』四訂版 河合出版
  『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子』 四訂版 河合出版
1.特徴
 物理の参考書兼問題集。問題を解くことで物理の基礎的な事項を理解していくための問題集。問題はどれも応用問題を解く上で必要となる重要なもので構成されている。式の導入、使用方法、そして組み合わせ方を解説している本書を学習することで、物理に必要な公式や解法を一通り揃えることができ、入試物理の基本的な問題は解けるようになる。
 ただし、教科書に書かれている基礎中の基礎は説明がなかったりするので、教科書または辞書的参考書と併用しながら、本書を進める必要がある。

2.補足
 上でも述べたが、教科書等と併用することを想定して本書は作成されている。独学になる初学者は教科書のみで物理を理解していくことは難しいので、3-2.二次・私大物理の独学を参照してもらいたい。
 高校1・2年生の者は、授業に並行して本書を解き進めると、受験生になった時に物理の勉強の負担を軽減できる。

3.進度
 上及び下で紹介する勉強法に沿って使用してもらいたい。



 ■『物理教室 (河合塾シリーズ)』 四訂版 河合出版
1.特徴
 物理の事象を解説している参考書。一つ一つの事象、公式を丁寧に論理的に解説しており、網羅性も高い。勉強を進めていく内に出会う原理や疑問点等は本書を読むことで解決される。
 解説だけでなく、問題を解くことで理解できているかを確認できるようになっている。問題自体は、『物理のエッセンス』を仕上げていれば解ける程度の基本レベルなので、本文を読むことで理解した気になっただけということも防げる。
 物理学習者全てが手元に置いておくべき1冊である。

2.補足
 初学者が最初から使うには厳しいものがあるので、3-2.二次・私大物理の独学で知識を仕入れてから使用するべきである。
 初学者以外は、本書を最初から通読するのではなく、勉強の際に辞書的に参照するようにして使用する。
 物理で微分・積分を使用したい者にも対応できるように解説が付されているが、微積を使用するつもりのない者は、読み飛ばすか、このような解き方もあるのか程度で読み流せばよい。

3.進度
 適宜使用。


 ■『視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録』 数研出版
1.特徴 2.補足 3.特徴
 資料集は、それ自体を中心に物理を勉強することはないが、教科書や参考書で不足しがちな図や表を多く掲載しており、物理の理解をよい深めることを助けてくれる。二次・私大物理では深い理解を求められるので、物理のイメージが湧かない時等に資料集を引いて暗記・理解していくと忘れにくくなる。手元に1冊置いて置かなければならないものである。
 学校で配布された資料集で十分だが、独学で物理を勉強するため、資料集を新しく購入する者のために一応本書を紹介しておく。



B.入試レベルの問題演習:7〜10月

 基礎的事項を理解と確認をして基本的な問題が解けるようになった後は、入試レベルの問題を解くための問題演習を行う。

 『名問の森』を使用して勉強する。本書を完璧に仕上げることができれば、入試問題の基本的な問題は解けるようになる。

 本書を1週間1日15題程のペースで解く。
 解けなかった問題を中心に翌週に復習する。2カ月かけて1周できるように解き進める。
 その後、2カ月かけて最初から解きな直す。間違えた問題は必ず解けるように翌週に復習しながら進める。後で説明するが、難関大学志望者は1カ月で復習できるように本書を回してほしい。

 本書を解きながら、解法の運用等に不安を感じる分野は、『物理のエッセンス』に戻って確認したり、『物理教室』を読む等して勉強する。この演習を通して、物理を体系化できるようにしたい。

 以上の勉強を終えれば、難関大学の入試物理でも合格点を取ることができるようになる。後は今まで解いた問題を復習しながら過去問演習を行えばよい。
 なお、東京大学や京都大学、上位校医学部を志望する者で物理を安定して高得点を取り差をつけたい場合は、次のC.最難関大学の物理の勉強方法へと進んでもらいたい。その場合は、『名問の森』の2周目を1カ月で終えられるように勉強を進めるか、『名問の森』に代えて最初から『難問題の系統とその解き方』を使用してもらいたい。


 ■『名問の森物理 力学・熱・波動1』 三訂版 河合出版
   『名問の森物理 波動2・電磁気・原子』 三訂版 河合出版
1.特徴
 『物理のエッセンス』から接続することを想定した応用問題を扱った問題集。基礎的な解説は『物理のエッセンス』に任せてあるが、問題に対する解説は詳しく難しい問題をどのように考えて解くかを理解できる。網羅性も高く、過去問演習に入る前の学力養成・仕上げに最適な問題集である。

2.補足
 本書を消化すれば、東京大学や京都大学でも難関大学の問題についても十分対応でき、合格点を取れるようになる。しかし、本書は難問の割合が少ないので、最難関大学の入試物理で高得点を獲得したい場合は、過去問演習に入る前にある程度の難問を解いておくとよい。下で紹介する『難問題の系統とその解き方』を解くことをすすめる。
 本書と『物理のエッセンス』の間を繋ぐ問題集である『良問の風』があるが、特に使用する必要なはい。中堅大学を志望するもので本書が難しく、物理は最低限の点でよい者はそちらを使用してもよい、という程度のものである。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。



C.最難関大学の物理の勉強方法:10〜12月半

 東京大学や京都大学、または上位校医学部を志望する者で、物理で安定して高得点を取り他受験生に差をつけたい場合の、難問にも対処できるだけの学力を養成する。過去問演習に入る前に、多くの難問を解くことで思考力を養うことを目指した勉強を行う。

 『難問題の系統とその解き方』を使用して勉強する。難問が多く思考力の養成に最適な本書だが、『名問の森』を解いていれば解ける問題も多いはずだ。
 1週間に例題と練習問題合わせて35題程のペースで解く。
 解けなかった問題は翌週に復習しながら進める。2カ月で1周を終える。
 その後は、2週間で解けなかった問題を再度解き、解けるように復習する。

 ここまで物理をしっかりと勉強していれば、今まで解いて来た問題を総復習しながら過去問演習を行えばよい。過去問演習がやや遅くなるが、難問も解けるようになっているはずなので、過去問演習も容易にこなしていけるだろう。


 なお、『物理のエッセンス』を終えて『名問の森』を使用せずに7月から本書を使用し始める場合は、まず例題のみを1カ月で1周する。
 次に2周目の段階では、例題を最初から解き直して、練習問題も解く。間違えた問題は翌週に復習しながら、2カ月半で2周目を終える。
 最後に、解けなかった問題を中心に1カ月で総復習する。こうして11月半頃から過去問演習に入ればよい。


 ■『難問題の系統とその解き方 物理』 ニュートンプレス
1.特徴
 応用的な問題、難問を集めた問題集。『名問の森』との類題も多いが、それよりも難しい問題も多く収録している。解説は比較的簡素だが雑ではないので、このレベルの問題集を使用する者で困ることは余りないだろう。
 本書は難しい問題が多いが典型的な良い問題も多いので、入試に必要な解法と思考力を身に付けることができる。さらに、非典型的な難しい問題を考えることで、実際の入試で出題された初見の問題を考える練習もできる。最難関大学の入試物理で差を付けたい人は是非解いておくべき問題集である。

2.補足
 『物理のエッセンス』の後に『名問の森』を挟まず本書を使用する場合は、解けない問題も多いだろうが、『物理のエッセンス』で解法を確認しながら、例題を解き進めていけば最終的に解けるようにはなる。ただし、『良問の森』を挟んで段階を踏んで勉強していった方が、体系性等の点で効果的ではある。時間があるならば『良問の風』を解いてから本書に移行してもらいたい。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。



D.定量物理の勉強方法

 ここまで微分・積分を用いずに物理の勉強を進める方法を解説して来た。大学入学後は、より数学を活用して物理を学んでいくことになる。本来、物理はそうした学問であるため、微積を用いた定量物理は入試物理を勉強する上でも非常に有効である。そこで、ここでは定量物理を独学する上で有益な参考書を紹介する。大学入学前に大学で学ぶ物理をほんの少しだけだが味わうことができる。

 しかし勉強方法の最初にも述べた通り、入試物理においては大学で学ぶ定量物理を知らなくとも解けるようになっており、他科目の勉強時間を削ってまで学ぶ必要はない。したがって、高校1・2年の頃から英語・国語・数学を真摯に勉強し、また物理も基礎がしっかりと身に付いており、物理を勉強する時間を多くとれる場合に、定量物理を勉強するようにしてもらいたい。


 ■『新・物理入門』 増補改訂版 駿台文庫
1.特徴
 微分と積分を用いて物理を解説する参考書。通常の高校物理は、問題を直感的に捉えて図等に落とし込みながら解いたり理解するが、本書は高校で学ぶ数学の範囲で物理の事象を解説している。高校生でも分かる範囲で物理をより厳密に理解することを助けてくれる。
 本書で定量物理を習得できるようになれば、通常では難しい問題も容易に解けるようになったり、思考に幅ができ、学力を伸ばせる。

2.補足
 最低でも『物理のエッセンス』を消化してから本書を使用すること。高校で必要とされる基礎的な物理の理解もなしに学んでも意味は薄い。
 微分・積分を使用するので、数学V・Cまで学習しておくことが必要である。
 本書で読み終えた単元は下の『新・物理入門演習』で問題を解きながら学習するようにしてもらいたい。

3.進度
 各自の勉強に適宜取り入れてもらいたい。


 ■『新・物理入門問題演習』 改訂版 駿台文庫
1.特徴
 『新・物理入門』を演習する問題集。問題集だが、本書だけでも勉強できるように、基本から学びながら発展的な学習ができるように構成されており、解説も詳しい。『新・物理入門演習』のみでも定量物理を勉強できるような内容に一応はなっている。
 本書を完全に理解できれば、微積を用いて、『名問の森』『難問題の系統とその解き方物理T・U』レベルの問題も解けるようになる。

2.補足
 数学を活用して物理の問題を解くので、必ず計算や立式を自分で行いながら丁寧に解くようにしてもらいたい。
 『新・物理入門』の他に『物理教室』にも微積の説明があるので、参考にするとよい。

3.進度
 各自の勉強に適宜取り入れてもらいたい。


 ■『理論物理への道標〈上〉力学/熱学/力学的波動』 三訂版 河合出版
   『理論物理への道標〈下〉光学/電磁気学/現代物理学入門』 三訂版 河合出版

1.特徴
 定量物理で問題を解いていく参考書兼問題集。ただし、最初の理論の説明は簡潔なため、本書だけで定量物理を学ぶことは難しい。本書は『新・物理入門』と『新・物理入門演習』を終えてから難問を定量物理で解く練習をする演習本として使用するのがよい。
 「上」は力学/振動・波動/光学、「下」は電磁気/熱/現代物理入門という構成となっている。本書で大学物理の香りを感じることができる。

2.補足
 問題は難しいが良問も多く、本書を仕上げることで、東京大学や京都大学の入試物理でも満点を狙えるようになる。逆に言えば、それだけ時間もかかることは覚悟しなければならない。『難問題の系統とその解き方物理T・U』を終えた後にやるのが賢明だろう。

3.進度
 各自の勉強に適宜取り入れてもらいたい。




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3-2.二次・私大物理の独学
 履修できずに独学で勉強したり、学校の授業が教科書の読み上げに終わるなどして使えなかったり、物理をかなり苦手とする者において、物理を二次・私大入試で使用する場合の勉強の導入について説明する。

 物理は最初の公式や現象の理解ができるかが重要である。これができるか否かで物理を入試科目として使用できるかが決まる。最初の理解ができれば、問題演習を行うことで物理の成績はどんどんと上げていくことができる。初学者や苦手な者はこの最初の段階で苦労することが多い。したがって、最初の概念の理解をしっかりと行い、直感的に物理の問題を捉えることができるよことを目標とする。

 『橋元の物理をはじめからていねいに』を読む。本書を通じて物理の公式や事象がどのようなものかを理解した後に教科書を読む。そして『物理のエッセンス』を理解が不十分で問題の解き方が分からないながらでもよいので、時間をかけずにどんどん解き進める。
 1カ月で『橋元のはじめからていねいに』と『物理のエッセンス』を1周する。
 1周後は、もう一度『物理のエッセンス』を解く。今度は、自分の頭でじっくり考えながら解く。理解が不十分で曖昧な部分や分からない箇所は、『橋元の物理をはじめからていねいに』や『物理教室』を参照して勉強する。
 解けなかった問題は翌週に復習する。1カ月で『物理のエッセンス』の2周目を終える。
 2周目の後は、解けなかった問題を中心に『物理のエッセンス』を総復習して、解けない問題、理解していない公式等がないように完璧に仕上げる。


 物理の勉強に多くの時間を割くことができるのならば、『橋元の物理をはじめからていねいに』ではなく『漆原の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』を用いてもよい。こちらの方が全分野を網羅しており、基礎的な問題も丁寧に解説されているので、『物理のエッセンス』にスムーズにつなげることがしやすいだろう。ただし、全3巻で分量もあるので時間がかかることになる。
 本書を使う場合も『橋元の物理をはじめからていねいに』の場合と同様に、1カ月で3冊を1周できるように『物理のエッセンス』と並行して進める。


 以上の勉強の導入を終えたら3-1.二次・私大物理の勉強方法と計画のB.入試レベルの問題演習に繋げていけばよい。
 ただし、注意してもらいたいことは、基礎的な知識の習得が学校の授業を受けて来た者に比べて不十分になりやすい。基礎的な事項の復習は少しでも不安があれば多く行うようにしておきたい。とはいえ、物理はこの最初の段階を乗り越えれば、比較的得点が安定しやすいので、根気良く頑張ってもらいたい。


 ■『橋元の物理をはじめからていねいに 力学編』 ナガセ
   『橋元の物理をはじめからていねいに 熱・波動・電磁気編』 ナガセ
1.特徴
 講義形式の参考書。初学者でも使用できるように基礎的な事項をイメージを大切にしながら解説している。例え話等で物理を勉強する最初の難関である公式や事象の理解を助けてくれる。
 解説が初歩的で分かりやすくしているためか、網羅性が低く問題演習もできない。したがって、本書は勉強の導入にはよいが、問題演習や全範囲を網羅することはできない。その後の学習は『物理教室』で理解を行いつつ、『物理のエッセンス』で問題演習を行うようにする。

2.補足
 最初に説明したとおり、初学者や物理が極度に苦手な者以外は使用する必要は特にない。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。



 ■『橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則1』 学研
  『橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則2』 学研

1.特徴
 物理を直感的に捉えてイメージから問題を解く方法を解説する参考書。数式よりもイメージを重視して解説しているため、物理を苦手とする者が直感的に問題を捉えることを学習するのに有益である。『物理のエッセンス』で問題演習を行いながら公式と解法を習得する段階で、問題を直感的に捉えることができない場合に助けとなる。
 「1」は力学と電磁気を、「2」は熱力学と波動と原子物理を扱っている。

2.補足
 本書自体は通読する必要はないが、問題演習中に解説を読んでも問題をイメージしにくい時に、本書の該当箇所を参照すればよい。初学者や苦手な者以外は特に使用する必要はない。
 本書は物理を直感的に捉えることの助けとなるが、あくまでそれは物理の問題を解くための補助である。本書の解法に若干癖があるので、イメージを掴めたらこの勉強方法の中では『物理のエッセンス』で解法を習得するべきである。

3.進度
 各自の必要に応じて適宜参照するように使用すればよい。





 ■『漆原晃の物理基礎・物理[力学・熱力学編]が面白いほどわかる本』 中経出版
  『漆原晃の物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本』 中経出版
  『漆原晃の物理基礎・物理[波動・原子編]が面白いほどわかる本』 中経出版

1.特徴
 センター試験だけでなく二次の全範囲も網羅しており、物理(専門)のセンター試験にも必要十分な内容となっている。本書の特徴はその網羅性に加えて、公式と解法にを丁寧に解説していることが挙げられる。本書の解説を読み、過去問演習を行えばセンター物理で高得点をとれるようになる。

2.補足
 本書では問題演習が圧倒的に不足するので、別の参考書で補完する必要がある。つまり、本書はあくまでセンター試験に必要な知識の整理と理解のために用いて、『物理のエッセンス』で問題演習を行うようにしなければならない。
 初学者が本書を物理の第1冊目と使う場合は少し情報量が多いかもしれない。初学者は物理の大枠を最初にしっかりとつかむことを重視して、下で紹介する『橋元の物理をはじめからていねいに』を通読して本書に移ってもよい。とはいえ、初学者でも理解できるように丁寧なつくりになっているので、大枠を見失わないのならば本書から始めることも十分に可能である。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。



 
 以上で、二次・私大入試で物理を使用する場合の勉強方法についての解説を終える。


 物理の勉強方法
1.センター物理基礎の勉強方法
2.センター物理(専門)の勉強方法
3.二次・私大物理の勉強方法
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