受験勉強法学 Examics

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■高校1・2年生における勉強

1.高校1・2年生における国語の勉強方法

 高校入学して間もない時期から大学受験を意識していることは殊勝なことである。高校1年生の者は、英語、国語、数学をしっかりと勉強して受験生になったときに問題演習を中心に行えるような基礎的な学力をつけておくことが目標である。
 なお、各科目で紹介している参考書や問題集については、クリックすれば別窓で開くようにしている。

 当節は、高校1年生4月初旬から勉強を開始することを想定している。下で紹介する勉強方法を実践していけば、高校3年生になってからは問題演習や過去問演習を多く行うことができるようになる。したがって、英語で他受験生に差を付けておくことができ、理科や社会の勉強に時間を割くことができる。
 夏や冬等から開始する者は、この勉強計画を高校3年生になるまでに終えることはできないだろう。勉強量や速度を上げることで消化することもできるが、無理にそのようなことをせずにしっかりと基礎学力を付けることに専念した方がよく、終えられなかった計画は高校3年生になってから消化するので構わない。それでも各科目の勉強を先取りして勉強していることになっている。その場合の計画等についての詳しい例示は最後に示すので参考にされたい。

 もう一つ当節は、難関大学を志望して二次試験(私大試験含む)でも国語が課されることを想定している。したがって、センター試験のみを受験する者が当節の国語の勉強を行うと、明らかにオーバーワークとなる。当初から志望校が決まっており、センター試験のみしか国語を使用しない場合については、2.センター試験のみ国語を用いる場合を参考にされたい。

 いずれにしろ、当節読了後は、国語の勉強方法を参照して、受験生となり実際の入試に挑むまでにどれだけの参考書・問題集をこなすことになるのかを把握してもらいたい。そうすれば、焦って中途半端な理解で勉強を進めたという事実だけを積むということもないだろう。

 構成は以下の様になっている。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

 1-1.国語の勉強方法―現代文―

  A.読解基礎力の習得:5カ月(高校1年4〜8月)
  B.読解力の強化:5カ月半(高校1年9〜2月半)
  C.記述力の強化:7カ月半(高校1年2月半〜高校2年8月)
  D.読解量の研磨:7カ月(高校2年9〜3月)

 1-2.国語の勉強方法―古文―

  A.古文文法の強化:11カ月(高校1年4〜2月)
  B.読解基礎力の養成:3カ月(高校1年3〜高校2年5月)
  C.読解力の強化:3カ月(高校2年6〜8月)
  D.読み慣れと語彙力の強化と文法の復習:2カ月(高校2年9〜10月)
  E.読解力の強化:3カ月(高校2年11〜1月)
  F.記述力の強化2カ月(高校2年2〜3月)

 1-3.国語の勉強方法―漢文―

  A.句形と語彙の暗記:1年4カ月(高校1年4月〜高校2年7月)
  B.読解基礎力の導入:3カ月(高校2年8〜10月)
  C.記述力の強化:5カ月(高校2年11〜3月)

 2-1.センター試験のみ国語を用いる場合

 補足として、当節は長くなるので最初に高校1・2年生の内にどのような勉強を行うかの概略を示しておく。クリックで拡大された画像が別窓で閲覧できるようにしている。最初に長期計画を確認した後に、各時期に具体的に何を行うかを確認すると狙いが分かりやすくなる。

学習計画


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1-1.国語の勉強方法―現代文―

A.読解基礎力の習得:5カ月(高校1年4〜8月)

 現代文についての具体的な勉強方法については、国語の勉強法の1.現代文の勉強方法で解説している。大学受験という視点から、正しく読解して設問に答えていくという現代文の基礎力を身に付けるための勉強を行う。才能や直感等といった非論理的な読み方でなく、文章を論理的に読むことを学習するのである。

 読解基礎力の養成のため最初に『入試現代文へのアクセス 基本編』を用いて勉強する。本書で問題を解く際には、解答時間を気にせず、解答の根拠を見つ、文章の論理構造を自分なりに追いながら丁寧に解くことを心掛けてほしい。そのように丁寧に読み解き終わった段階でやっと解説を読むようにする。その時は、ただ解答が合っているか否かで終わらせるのでなく、自分の読解、論理の追い方、そして解答の根拠が正確であったかを確認して、誤った所はどうして読み違えたかを究明しながら修正するようにする。
 1週間に1題ずつ解き、夏休みに入る頃までに1周終わらせる。
 夏休みは、『入試現代文へのアクセス 基本編』を再度解き直す。解説や解答を覚えているかもしれないが、一から解くつもりで論理を追いながら解き直してもらいたい。ここで、解答を誤ったり論理の追い方が違った場合は、もう一度修正する。

 本書の勉強を終えた段階で、比較的簡単な文章なら正確に読む方法を習得できているだろう。



B.読解力の強化:5カ月半(高校1年9〜2月半)

 簡単な文章を正確に読めるようになった後は、やや難しい、中堅大学レベルの入試問題の文章を正確に読めるようになるための学習を行う。この時期の勉強を終える頃には、入試基礎レベルの問題については基本的に解けるようになることが目標だ。

 『入試現代文へのアクセス 発展編』を用いて、『入試現代文へのアクセス 基本編』で学んだことを復習しながら、問題を解いていく。本書も、解答時間を気にせず、解答の根拠を見つけ、文章の論理構造を自分なりに追いながら丁寧に解くことを心掛けて問題を解く。その後、解説を読み、論理の追い方や解答の根拠が合っているかと答えを確認して読み方を修正していく。
 1週間に1題ずつ解き進めて、12月が終わる頃には1周目を終わらせる。
 次に、1カ月半の間に本書を一から再度解き直して論理の追い方と解答の根拠の発見法を復習する。

 本書を終えた段階で、読み方と解き方の基礎は固められているはずだ。基本的な問題ならば比較的簡単に読解できるだろう。



C.記述力の強化:7カ月半(高校1年2月半〜高校2年8月)

 文章を正確に読めるようになったら、次は記述問題に対する答案作成能力を上げる。読解力がいくら高くなったとしても、設問の要求に答えた答案を作成できなければ、二次試験の現代文では合格点をとることはできない。記述問題について何となく答えるのではなく、解答の要素を入れながら如何に答案を練り上げるかを練習しなければならない。
 センター試験や私立大学専願の者で、入試全く記述問題が出題されない場合は、この勉強は飛ばすとよい。

 ここでは、『得点奪取 現代文 記述・論述対策』を使用する。本書で先ず解法のパターンを学習する。
 「第一部典型問題」を1週間に1、2題のペースで解いて解説を読み、1周する。
 その後、「第一部」を2週間程度で再度解き、解法のパターンの学習を復習して確認する。

 3月中旬か下旬頃から、1週間に1題ずつ「第二部練習問題編」を解く。7月が終わるまでに1周する。「第二部」では解法のパターンを演習して身に付ける。問題を解いて解説を読みながら、上手く使えなかった解法は「第一部」に戻って確認しながら丁寧に勉強していく。
 8月は「第二部」を解き直して、解法のパターンを確固として身に付ける。復習する際は、暗記したことではなく、読解方法、解答の根拠の見つけ方と答案作成方法を意識して再現できるか否かに注意してほしい。

 本書で記述問題の書き方を学び答案を書くことを練習すれば、正確な読解を前提としながら、記述問題に対してもある程度明確な方針をもって答えることができるようになっているだろう。



D.読解力の研磨:7カ月(高校2年9〜3月)

 正確な読解に加えて、記述力も身に付けて、多少難しい問題の二次試験にも対応できるような現代文の学力を身に付けた後、より正確に問題文を読み解く能力を養う。答案作成能力を高めた後に、難解な文章も正確に読み取る学力を養成することで、現代文をより安定した得点源とすることを目指す。

 『現代文と格闘する』を用いて、文章を丹念に読み解く練習を行う。先ず自分で読解して、設問に答えたる。しかし、解説をすぐに読むのではなく、再度、問題文の論理や文と文の繋がりを入念に追い直す。自分はこの文章をこう読み理解したと明確にした段階で、解説を読むようにする。1日で1題解き終えられないなら、文章の読み解きを翌日に回す等分割して行ってもよいので、丁寧に読み込んでから解説を読むようにしてもらいたい。解説で文章の読み方を学び自分の読解の仕方が正しかったかを確認して修正することで、本書が提供する効果を存分に吸収できるからだ。
 1つの問題に対して2週間かけて復習を交えながら勉強を進める。おそらく1題を勉強するのにもかなりの時間を要し得るからだ。最初に問題を解いて解説を読んだ後に、翌週に問題文の追い方を復習する。この時、解説の暗記をなぞるのではなく、解説で勉強した読み方を自分でできるようになっているかを確認しながら読むように心掛ける。
 このようにして、6カ月かけて本書を1周する。勉強が進んで来てもっと早くに本書を終えられるならそれでもよい。
 その後、1カ月かけて本書を再度解き直して、読み方の復習を行う。


 以上のような勉強を行えば、現代文は受験生になる段階で得意科目に、少なくとも苦手科目ではなく合格点は確保できるようになっているだろう。受験生になった段階では、『上級現代文1・2』に移って問題演習を行ったり、過去問演習を行えばよい。



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1-2.国語の勉強方法―古文―

A.古文文法の強化:11カ月(高校1年4〜2月)

 古文の勉強を開始するにあったって、先ず鍛えるべき分野は古文文法と古文単語である。両者がしっかり身に付いていないと、古文の逐語訳がままならず、そのため読解できず設問にも答えられない。先ずはこの両者を反復暗記で鍛えて、古文の基礎学力をしっかりと身に付ける必要がある。高校1年生の内は、古文をこの基礎学力の習得に専念するので十分だ。同じことをひたすら繰り返すだけなので勉強の負担にはそこまでならないだろう。つい先に先に勉強をしたいという焦る気持ちもあるだろうが、英語や数学、現代文の勉強をしっかりと行う方が、受験を総合的に考えればよい。さらに言えばこの勉強方法に従うだけでも十分に他受験生に差をつけることができ、二次・私大試験の古文に対応できるような科目となっている。

 古文文法の学習は、学校で配布される文法書と付属の問題集をこなして暗記するので十分である。学校の古文の授業が、文法書を読み上げるだけ等の使えない授業の場合や、自分で一回一気に勉強してしまいたい場合は、『NEW望月古典文法講義の実況中継』を使用して自習すればよい。学校配布の文法書及び付属問題集が無い者等のために、古文文法の基礎演習として、『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』を一応紹介しておく。

 学校の授業に合わせて古文文法を勉強していけばよいが、助動詞や助詞等は何度も何度も繰り返して、スラスラ意味や活用等を言えるようになるまで暗記するように心掛ける。この文法知識を一々考えてから導き出すようでは遅い。ひたすら繰り返して反射的に引き出せるようにまでしてほしい。
 品詞の識別も、学校でどれだけ行うかは分からないが、迷わずに答えられるように文法書や教科書で練習を行っておく。この品詞の識別は、上の助詞・助動詞の暗記と組み合わせて、古文文法の基礎であるから入念にやっておくこと。
 古文文法書に出てくる文や教科書は、辞書を使いながらでいいので、逐語訳の練習をしておく。

 古文単語は、授業で出てきた単語を覚えていけばよいが、ある程度学校に慣れてきた段階で『土屋の古文単語222』を覚えて行く。遅くとも夏休み位からは本書で古文単語を暗記していく。

 この基礎の徹底した反復によって高校1年生の春休みに入る前の頃には、古文文法と古文単語の基礎が培われている。結果として短い文を逐語訳する学力も身に付いているだろう。



B.読解基礎力の養成:3カ月(高校1年3月〜高校2年5月)

 古文文法と古文単語の基礎ができて来たら、次は古文の問題を解釈して読解する方法を学ぶ。問題演習を積みながら、入試における古文を解く学力を養うことが目標である。

 古文解釈の方法論を学ぶために、『古文解釈の方法』を使用する。本書で古文解釈の方法論を学びながら、学習した内容については下記の問題集を使用することで慣れてもらいたい。
 本書は難しいであろうが、3カ月で1周することを目標に読み込んでもらたい。1周目は全てを理解して使えるようになる必要はなく、後で復習する期間をちゃんと設けているので安心してほしい。

 解釈と並行して読解問題の解き方も学ぶ。『土屋の古文講義1』を使用する。本書は時間を気にせず問題を解くようにする。この時、本文を品詞分解して逐語訳を考えながら解いていく。後でも再度解き直すので、問題文はコピーをとっていた方がよいだろう。問題を解いた後は、解説を読み、設問の着眼点や文法事項を押えて、間違ったり理解が曖昧な個所は文法書に戻って復習をする。また、全訳を読み、逐語訳ができていたか等も確認しておく。勿論、『古文解釈の方法』で学んだことは適宜適用しながら本書を使うようにしてほしい。
 1週間に1題ずつ解いて、2カ月で1周する。1周後は1カ月程でもう1回解き直して復習をする。再度間違えた所は重点的に復習して潰しておく。

 両書を終えれば、古文読解の一歩目は勉強できており習得できるはずである。次からは、更に古文読解力を向上させる勉強に移る。
 なお、この勉強をしているときにも、古文文法と古文単語の反復暗記は怠らずに実行しておかなければならない。



C.読解力の強化:3カ月(高校2年6〜8月)

 更に、古文読解力を養うために引き続き問題演習を行いながら、読解と解釈、そして設問への答え方を学ぶ。

 古文解釈の方法論を確固として身に付けるために、引き続き『古文解釈の方法』を使用する。2周目となるので、1周目では十分に理解できなかった箇所や、問題演習を通じて生じた疑問等をつぶさに潰していく。2周目で、本書の内容を理解して習得するようにする。

 読解問題の解き方については『土屋の古文講義2』を用いて勉強する。本書は『土屋の古文講義1』の続編なので、勉強の仕方も上と同様に行えばよい。
 1週間に1題ずつ解き、2カ月で1周する。1周後は1カ月程でもう1回解き直して復習する。

 読解力と設問への答え方を養成する段階で古文文法と古文単語の反復暗記は行うが、古文単語については、8月から『土屋の古文単語222』から『読み解き古文単語』へと使用する単語集を変更する。1周目は1日1文章ずつでよいので毎日使用すること。
 1周目は現代語訳と本文を照らしながらでいいので、さっと読み赤字を中心に単語を覚えていけばよい。
 2周目からは、1日1〜3文章ずつ、頭の中で良いので品詞識別や逐語訳をしながら毎日読み、難しい箇所は実際に書き出して読む等して反復する。このとき黒字の単語も覚えていく。
 3周目以降は、2周目で行った品詞識別や逐語訳が上手くできなかった箇所は注意して読みながら行う。
 『読み解き古文単語』は、古文の読み慣れをつくりながら、二次・私大入試にも対応できる語彙力を身に付けることが目的である。高校2年生が終了する段階で6、7周はしたい。

 夏休みが終了する頃には、選択式のセンター・私大型の古文の入試に対して、時間をかければ大体は正答できる程の力はついているだろう。



D.読み慣れと語彙力の強化と文法の復習:2カ月(高校2年9〜10月)

 一通り読解学習や問題演習終わった段階で、古文の学習は少し進度を緩める。語彙力増強と今までの復習が学習の主となる。

 8月から使用している『読み解き古文単語』を上で紹介した勉強方法で何度も反復する。語彙力の強化に励むのは当然として、古文への読み慣れをつくりながら、逐語訳の精度を上げる。10月が終わるまでには2周しておきたい。

 また、『古文解釈の方法』と『土屋の古文講義1・2』で読解する上で文法が大切なこともよく分かった段階で、古文文法を再度入念に復習して、助動詞の意味や活用、助詞の意味、品詞識別等を再度確認して間違わないようおさらいする。


E.読解力の強化:3カ月(高校2年11〜1月)

 読み慣れや逐語訳、語彙力の強化ができた段階で、試験時間内に古文を解き終えるための読解力の強化を図る。

 『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』を使用する。本書はセンター試験のための読解の方法論の参考書だが、解答の要点等の説明は、記述式にも応用が利く。本書では、逐語訳により限界を突破してもらうために、どのように解答の根拠を効率よく拾っていくかを身に付けてほしい。
 1週間に1講のペースで読み進めて、3週間で1周する。

 本書で学んだ視点を自力で使えるように練習するため、『土屋の古文講義1・2』を再度解く。この際、『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』で学んだ視点や読み方を意識して、『土屋の古文講義1・2』の問題文に線を引きながら解いて、その後に解説を読む。両書を解き直す時に、ついでに『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』を復習して方法論を吸収するようにする。
 『土屋の古文講義2』は、1週間に1題のペースで解き直していく。
 既に1度解き復習している問題集なので、問題文をどのように読んで、解答の根拠を見つけ出すかは比較的簡単に見つけ出せるだろう。『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』で学んだ方法論を当てはめながら同じ問題をもう一度解くことで、より速く問題を解くことを目指す。読み方を意識して行うことを心掛けるようにしてほしい。

 問題文から速く正答を導き出す練習を行うことと並行して、逐語訳、語彙力の強化を行うために『読み解き古文単語』の反復暗記を行うこと忘れずに行う。これで、客観問題ならば時間内に古文の問題を解く基本的な学力は身に付けることができる。



F.記述力の強化:2カ月(高校2年2〜3月)

 ここまで、逐語訳、語彙力、読解力は相当高くなっているはずだ。客観問題については少し問題演習すれば、難関大学でも合格点をとうことができる基礎力は十分あるはずだ。そこで、いよいよ記述問題を解く練習に入る。記述問題では減点されない答案を作成する練習をしないと、古文は案外点数が伸び悩む。確かに古文文法や語彙力は十分にあるのに、記述では細かく減点されるという経験をした者も多いだろう。記述問題で、今まで学んできた内容と学力を発揮できるようにしてほしい。

 記述問題に特化した問題集である『得点奪取 古文 記述対策』で勉強する。
 典型問題を1週間の内に一気に解き終える。その後に、1週間で解き直して復習する。解説をよく読み、採点基準に照らして要素の漏れがないような答案を作成する能力の基礎を養う。
 練習問題は、1週間に2〜3題ずつ解く。典型問題で学んだことを練習問題で演習しながら磨く。
 3月が終わる頃には本書の1周目を終えるようにしたい。

 無論、『読み解き古文単語』の反復暗記は継続する。



 以上のように勉強を進めれば、高校3年生4月の段階で、古文の学力は他の受験生よりも高いものとなっているはずだ。受験生になってからの古文の勉強については細目事項や今まで学習した内容の調整と演習を中心に行えばよい。

 『読み解き古文単語』の反復暗記と古文文法を定期的な復習を行う。

 読解については、『得点奪取 古文 記述対策』の復習を1カ月程度で終わらせた後に、『入試精選問題集8 古文』へと移行して問題演習を行う。



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1-3.国語の勉強方法―漢文―

A.句形と語彙の暗記:1年4カ月(高校1年4月〜高校2年7月)

 漢文は難関大学と雖も、難問というのが余りない。そもそも漢文を出題すらしない大学もある。そうであるから高校1年生の頃から気合を入れて勉強する必要はないとも言える。ただ、受験生になった時に問題演習と過去問演習を中心に勉強ができるようにするためには、少しずつ勉強しておいた方がよいのもまた事実である。したがって、句形と語彙の暗記は最低限行っておくとよい。

 『文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード』を空いた時間等に読みながら、句形や語彙、漢文常識等を暗記していく。
 毎日行う必要はないが、高校1年の夏休みを終える頃には、全体を1周はしておきたい。
 高校2年生になる時点では、最低でも句形と語彙は5周、全体を3周はしておくことを目標に反復して暗記する。



B.読解基礎力の導入:3カ月(高校2年8〜10月)

 句形と語彙の反復暗記を行ったら、それらの知識を確認しつつ、簡単な読解問題を解く。

 『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』を用いて、漢文句形の暗記ができているかを確認し、簡単な読解問題に取り組む。解説やまとめを見る前に問題を解き、その後に答え合わせをして句形の暗記ができているかを確認する。間違えた句形は反復暗記したにも関わらず間違えたものであるから、重点的に復習して覚えなおす。今まで句形や語彙の反復暗記を行って来たため比較的楽に解くことができるだろうが、本書で知識を整理して完全に暗記するつもりで行う。
 1周目は2週間程度一気に進める。その後、1週間に1章ずつ復習すればよい。



C.記述力の強化:5カ月(高校2年11〜3月)

 句形と語彙の暗記を行って読解の導入も終わった段階で、記述問題で減点されないための答案作成能力を養成する。漢文では、問題自体は比較的平易だが、古文と同様に、記述問題では解答の要素を含んだ答案を作成を意識しなければならない。確かな基礎知識だけでは減点されて高得点を安定してとることができないので、受験生になる前にその練習を行う。

 『得点奪取 漢文 記述対策』を今まで反復暗記して来た句形や語彙の知識を運用しながら、読解力を上げて、要素を漏れなく含んだ解答の作成方法を本書で学習する。
 1週間に1題のペースで解き進める。4カ月程度で1周目を終えるようにする。
 1カ月(春休みの3月)で一気に総復習をして、記述力を固める。

 なお、『文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード』での句形と語彙の反復暗記はここでも繰り返しておく。


 以上のような漢文の勉強を行えば、受験生になった段階で漢文の基本的な学習は終えたこととなる。高校3年生の4月からは、『入試精選問題集9 漢文』を通じて問題演習を行いながら、今まで勉強したことを復習して抜けがないようにすればよい。



 それでは以上で高校1年生からの勉強についての説明を終えるが、最後に国語の勉強全体について補足をしておきたい。
 古文単語や漢文句形は確かに英単語のように毎日する必要はあるが、英語や数学に比べて毎日しっかりとしなければならないということはない。ただ1週間に1日は、現代文、古文、漢文を各々集中して問題を解いたり、解法の習得に励む勉強を行ってほしい。単語や文法の反復暗記は隙間時間に行うことで、国語を受験生になった段階で高い学力を獲得できる。

 受験生になってからこれらを行うとなると中々の量がある上に、短い時間で行わなければならないため、他科目との兼ね合いから国語を疎かにしがちになる。国語の成績を上げることは、特に記述問題が主な場合には時間を要するのにだ。

 しかし、上述した学習をコツコツと進めることで、勉強時間と量を確保できる。そうして、国語の基礎学力を養った後に受験生になれば問題演習を中心として勉強を回していくことができる。

 国語は伸び難い科目である反面、一回読解力や解法を身に付けると、問題演習を通じた調整で成績を高い所で維持できる科目である。是非受験生になる前から勉強を行ってもらいたい。



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2.センター試験のみ国語を用いる場合
 難関大学を志望するが理系のために国語はセンターのみでしか必要ないという者は、以下のように勉強計画を修正して行えばよい。目標としては、受験生になるまでに基礎学力を養成することである。高校3年生4月からセンター試験の問題の解き方を学んだ後、過去問演習を行い復習していけば、9割から満点を狙うことができるような勉強を行えるようになるはずだ。

 現代文については、高校2年生の6月から勉強を開始すればよい。
 6月から10カ月かけて、A.読解基礎力の習得とB.読解力の強化の勉強を行う。つまり『入試現代文のアクセス』の「基本編」「発展編」の両書を行う。
 高校3年生の4月から『きめる!センター国語 現代文』を開始する。夏休みを終える頃までに3周位終えるのが目安だ。
 後は、センター試験の過去問演習に入ればよい。

 古文については、A.古文文法の強化の勉強を上の計画通り高校1年生4月の最初から行う。
 そして、高校2年生9月からB.読解基礎力の養成へと進む。そして、高校2年生3月にC.読解力の強化を終えるようにすればよい。『土屋の古文講義1・2』はオーバーワークかもしれないがこなしておいた方がよい。『古文解釈の方法』は特にやらなくてもよい。
 古文単語帳については、『土屋の古文単語222』から『読み解き古文単語』に移るのではなく、『読んで見て覚える重要古文単語315』を最初から使用することに注意してほしい。
 高校3年生4月からは、E.読解力の強化を行った後に、過去問演習をしながら、復習していけばよい。

 漢文については、A.句形と語彙の暗記の勉強を上の計画通り高校1年生4月の最初から行う。
 高校2年生1月からB.読解基礎力の導入を開始するように変更する。『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』で暗記漏れが無いか確認して、読解問題に慣れる。
 高校3年生4月からは、句形と語彙の反復暗記を行いつつ夏頃から『センター試験漢文 出題パターン攻略』を使用する。その後、過去問演習に入ればよい。


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3.勉強計画の例示

 次に、難関大学を志望するが高校1年4月からではない持期から勉強を開始する者に対して、どのような勉強計画で学習を行えばよいかを説明する。
 現代文は、D.読解力の研磨を時間的に余裕を持たせており、古文と漢文は基礎の反復暗記の期間が長く取られているので、反復暗記のみを行う期間が短くなるが、反復暗記をしつつ各時期の勉強に入って行けばよい。消化しきれなかった勉強は、高校3年生4月に継続して行えばよい。
 以下に数例を挙げておく。

○高校1年生の夏休み(7月)から開始する場合
 現代文については、D.読解力の研磨の途中で、高校2年生が終わることになる。
 高校3年生からは、引き続き『現代文と格闘する』の勉強を行えばよく、受験生なので勉強量を増やして4月頃に終えるようにする。そして、『上級現代文1・2』へと移行すればよい。
 古文と漢文は、A.古文文法の強化とA.句形と語彙の暗記の最中なので、それぞれを開始すればよい。上の計画通り、古文は高校1年3月からB.読解基礎力の養成、漢文は高校2年8月からB.読解基礎力の導入に進んで行けばよい。

○高校2年生の春(4月)から開始した場合
 現代文については、C.記述力の強化で高校2年生を終えることになる。
 高校3年生からは『得点奪取 現代文 記述・論述対策』での勉強を引き続き行うが、受験生なので勉強量を増やして5月頃には本書を終えるようにする。そして『現代文と格闘する』に早めに移って以降は、国語勉強法の1.現代文の勉強方法に従って勉強していけばよい。
 古文は、学校の授業である程度基礎力がついているなら、B.読解基礎力の養成を開始する。F.記述力の強化の途中で高校2年生を終えることになる。
 受験生になってからは、『得点奪取 古文 記述対策』を引き続き学習する。終了後、国語の勉強法の2.古文の勉強方法に移ればよい。

 古文の授業を疎かにしていたり、授業が余りにも使えず、古文文法の基礎力等がない状態の場合は少し変更を要する。
 A.古文文法の強化を3カ月程度集中して行った後に、B.読解基礎力の養成に入る。この場合は、E.読解力の強化で高校2年生が終わるが、引き続きこの勉強計画に従って勉強を行う。
 F.記述力の強化を終えた後は、『得点奪取 古文 記述対策』の復習を1カ月程度で終わらせた後に、『入試精選問題集8 古文』へと移行すればよい。

 以上の例示から分かるように、本章で紹介した勉強法に従って受験生になるまで無理せずに国語の基礎力をつけることに専念するだけで、受験生になった時には十分な基礎力と応用力が身に付いており、問題演習を中心に勉強を進めて行くことができる。多くの受験生は受験生となるまで国語の勉強をほとんどしていないので、高校2年生からでも受験を意識した勉強をするだけで一歩先を行っていることになる。
 また、国語の勉強量を増やせば、この計画よりも速く勉強が進んでいくだろうが、それよりは英語と数学に時間をかけるべきである。国語の基礎力を早い内に付けるべきだと言って来たが、英語と数学の勉強時間を下手に削ることのないよう注意してもらいたい。

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