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■高校1・2年生における勉強

1.高校1・2年生における数学の勉強方法

 高校入学して間もない時期から大学受験を意識していることは殊勝なことである。高校1年生の者は、英語、国語、数学をしっかりと勉強して受験生になったときに問題演習を中心に行えるような基礎的な学力をつけておくことが目標である。
 なお、各科目で紹介している参考書や問題集については、クリックすれば別窓で開くようにしている。

 当節は、高校1年生4月初旬から勉強を開始することを想定している。下で紹介する勉強方法を実践していけば、高校3年生になってからは問題演習や過去問演習を多く行うことができるようになる。したがって、英語で他受験生に差を付けておくことができ、理科や社会の勉強に時間を割くことができる。
 夏や冬等から開始する者は、この勉強計画を高校3年生になるまでに終えることはできないだろう。勉強量や速度を上げることで消化することもできるが、無理にそのようなことをせずにしっかりと基礎学力を付けることに専念した方がよく、終えられなかった計画は高校3年生になってから消化するので構わない。それでも各科目の勉強を先取りして勉強していることになっている。その場合の計画等についての詳しい例示は最後に示すので参考にされたい。

 いずれにしろ、当節読了後は、数学の勉強方法を参照して、受験生となり実際の入試に挑むまでにどれだけの参考書・問題集をこなすことになるのかを把握してもらいたい。そうすれば、焦って中途半端な理解で勉強を進めたという事実だけを積むということもないだろう。

 なお文系志望者に対して一言ある。文系でも高校1年時から数学をしっかりと勉強しようと思う者は、入試に課されずとも理系と同様に数学Vも勉強することをすすめる。理由としては、入試でも数学Vを理解していることで問題が解きやすくなることが挙げられる。さらに、文系でも大学に入ってから統計学で数学をかなり使うことになる学部は多い。経済学部にいたっては数学なしでは勉強を進めることができない。以上の理由により、文系志望者であっても大学入学前に数学Vの内容は理解しておくと大学に入ってからも勉強しやすい。

 ここでは高校1・2年生における数学の勉強方法を紹介しているが、現在『良問プラチカ』シリーズ及び『大学への数学 1対1対応の演習 数学V』の新課程対応版は未だ発刊されていない。発刊され次第紹介しようと考えているが、発刊前に勉強が進んで必要になった者は『マセマ』等で代用しておいてほしい。



 構成は以下の様になっている。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

 1-1.総論

  A.解法暗記の進め方
  B.解法暗記の注意点
  C.解法暗記以前の基礎理解
  D.問題演習の進め方

 1-2.理系数学の勉強方法

  A.解法暗記:19カ月(高校1年4〜高校2年10月)
  B.解法暗記から入試実践への橋渡し:4カ月(高校2年9〜12月)
  C.入試実践力の養成:3カ月(高校2年1〜3月)

 1-3.文系数学の勉強方法

  A.解法暗記:13カ月(高校1年4月〜高校2年4月)
  B.解法暗記から入試実践の橋渡し:3カ月(高校2年5〜7月)
  C.入試実践力の養成:3カ月(高校2年8〜10月)
  D.入試実践力の強化:5カ月(高校2年11〜3月)


 補足として、当節は長くなるので最初に高校1・2年生の内にどのような勉強を行うかの概略を示しておく。クリックで拡大された画像が別窓で閲覧できるようにしている。最初に長期計画を確認した後に、各時期に具体的に何を行うかを確認すると狙いが分かりやすくなる。

理系数学の計画
文系数学の計画


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1-1.総論
 数学の勉強方法については、数学の勉強方法の1.勉強法総論で説明しているので、そちらも参照してもらいたい。ここで説明する内容と被る項目も多いが、当節では必要最低限のことしか述べないので注意してもらいたい。


A.解法暗記の進め方


 「解法暗記」のために網羅系問題集である『青チャート』を用いて勉強する。

 最初の1周目は例題のみを解くのでよい。勿論、時間に余裕があるのならば練習問題も解いてもよい。この段階では、2分程度考えても解答の方針が立ちそうにない場合は、すぐに解答を見てもよい。解答を見て、何故そうした式を使うのかを理解しつつ暗記する。
 平日は1日6例題ずつ解く。勉強の進度によっては6題より多く解くことも場合によっては必要となる。
 翌日と翌週、問題の復習を行う。復習の際は、問題の何処に注目して、何の公式を用いて、どのように解いていくかを確認するだけでよく、実際に計算等はしなくてよい。
 土日は、次の週に勉強する予定の基本事項を読み、定理や公式の証明を学習しておく。また、翌日、翌週の復習の際に着眼点や方針が答えられなかった問題を解き直す。

 このような流れで、『青チャート』の例題を一通り学習した後に2周目に入り、例題を解き直すとともに、練習問題も解く。例題については1度解いて復習した問題なので、ある程度解くことができるだろう。この時は最初に解く時と同様に、実際に計算もしながら、例題を解き、解法の暗記ができているかを確認する。例題を確認後には、練習問題を解き、例題で学んだ解法の練習も行う。
 平日に例題と練習問題をセットで1日9〜10ずつ進めて行く。解けなかった例題や練習問題は、翌日、翌週にも解き直して解法を完璧に暗記する。

 このように『青チャート』の例題と練習問題を解き終えるようにする。なお、この段階で、復習時にも解けなかった例題や練習問題にはチェックを入れておく。

 以上、2周、翌日と翌週の復習を入れたら6周したことになるので、解法パターンは大方暗記できているだろう。チェックが入っている問題は再度解き直して、「解法暗記」の漏れがないようにしておく。



B.解法暗記の注意点

 解法暗記は、「問題の特徴」と「論理」に注意して行うことを心掛ける。社会科のように、語句と定義を漠然と暗記しているだけでは、数学の「解法暗記」を行ったことにならない。ただ問題文を読んで解答の流れをそのまま覚えるだけでは、その膨大な量に挫折する上に応用力が付かない。そうした学習をしているからこそ、解法網羅系の問題集を使用しても数学が苦手な者は、勉強したのに数学ができないという状態に陥っていると考えられる。漠然と問題を見て解答を覚えているだけでは酷似した問題しか解けず、少し問題文の表現を変えたり、融合問題を出題された時に対応できなくなる。

 解法を暗記する際は、問題文から何の公式や解法を使うべきかを先ず読み取ることを意識しなければならない。問題文を読んで、『青チャート』に示される「指針」まで自分で読み解くことができるようになることである。つまり思考の道筋を明確にする。
 「問題の特徴」から何を答えとして求められているのか、どの解法を適用するのか、といったことを捉えて解法を暗記するようにする。「問題の特徴」から解法の適用を決定することを覚えることが「解法の暗記」である。

 問題文から解法の適用を決めた後の実際に解法を適用して問題を解いていく流れも、何故変数を置くのか、式変形をするのか等を考えながら「論理」を暗記する必要がある。漠然と解法とその流れを暗記しても、おそらく全てを暗記することはできず、似たような問題すら解けないことになる。「論理」は、数学の鍵であり、また「解法暗記」を進めていく内に似たような「論理」を幾度となく解答作成中に使うことに気付いていくはずだ。

 以上のような「問題の特徴」と「論理」を意識して、問題を解けなっかたという結果だけでなく、問題・解答のどこで自分が躓き解けなかったのかを明らかにしながら解法を暗記するように心掛けて勉強する。


C.解法暗記以前の基礎理解

 これまで「解法暗記」について説明してきたが、それ以前にそもそも教科書に掲載されている基本的な定理・公式を理解していなければならない。こうした基礎的な知識は、『青チャート』の基本事項にも簡潔にまとめられ証明もついている。これを読んで定理・公式を理解して導き出せるならよいが、初学者や数学に苦手意識がある者には厳しいものがある。したがって、そういう者は、土日に次の週に解く予定の分野の基本事項を理解するために、『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学』を用いて学習する。

 『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学』を用いる目的は、定理や概念を理解して、「解法暗記」の前提となる知識を身に付けることである。数学を得意科目とできるか否かは、こうした基礎がしっかりと身に付いているかどうかに大きく左右される。この勉強を疎かにしては解法暗記をしても効果は薄い。したがって、基礎と侮ることなく、しっかりと学習するようにすること。
 本書は章立てが『青チャート』と異なるため、次週に『青チャート』で解く予定の単元を確認して、該当単元の解説を『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学』で読み、本書の練習問題を解くように学習を進める。この基礎的事項の理解の学習を土日を用いて行う。



D.問題演習の進め方

 解法を暗記した後の問題演習につての説明をする。「解法暗記」をすれば基本的な典型問題は解けるようになっている。しかし、数学の入試、特に難関大学の入試における数学は、発想力が必要になったり、典型問題を改変したり、複数の単元にまたがった融合問題が出題される。こうした応用問題に対応できるように問題演習を行う必要がある。ここで重要となるのが「数学的思考力」だ。

 問題を分析して暗記した解法を適用する「数学的思考力」は、「解法暗記」で述べた「問題の特徴」と「論理」を活用して、一見すると見たこともないような問題に対して、どれとどれの解法をどのように組み合わせると解けるのかを考える力である。

 この学習を始めた時に、最初は応用問題を解くことができないだろう。そこで、問題演習の際の注意点を述べる。
 問題演習をする際は、解法暗記の時とは異なり、自分の頭で考えることが一層重要となってくる。すぐに解答・解説を見るのではなく、最低でも10〜15分、問題によってはそれ以上の時間をかけて、何かしらの解法がどうにか適用できないかを試行錯誤し、色々な視点から問題を考えなければならない。
 また、解法を一つ適応した後、また違う解法を適用する等の何段階か手順を踏む問題もある。問題を解きながら、手詰まりになった時には、そこから違う視点から問題を考えることも必要になってくる。

 問題を解く上での姿勢から、問題を自分の頭で考えて解いた後、特に解けなかった後、解答・解説をどういった観点に注意しながら読まなければならないかが導き出される。
 先ず、問題をどのように解けばよいのかの最初の取り掛かりすら掴めなかった場合は、問題をどのような視点を以て分析すればよかったのかに注意しなければならない。応用問題を解けるようになるには、この最初の視点を自分で見つけ出せるかが第一の課題となる。「問題の特徴」を分析して、どの解法を適用するかを解答・解説から学習する。
 次に、最初の取り掛かり方は合っていたが途中で解けなくなったという問題がある。この場合は、問題の途中で考え方を転換して、別の解法を適用する問題に切り替わったとして、別の解法をそこから適用する ことが求められている。この点に注意して考え方の修正や視点を解答・解説から学習する。
 これらの点に注意しながら、暗記した解法を問題に適用できるような思考力を身に付けることを意識して解答・解説を読む。問題演習は、ただ解いて終わりでなく、解けなかった問題についてこのような思考力を獲得するために行う。これができるか否かが、難関大学の入試で数学を合格点以上を取ることができるかを決める。勿論、問題演習中に、暗記した解法を忘れていたりして使えなかった場合は、当該分野の解法暗記を再度行う必要がある。

 以上のような点に注意して問題演習を行ってもらいたい。その際、解答の第1文を読むことでそこから自力で一気に解き進めることができるようになることは多々あるので、解けなかった場合も、解答の第1文のみを読んで再度考えてみるのも勉強方法の一つである。また、応用問題にも典型問題はあるので、それらは、解法暗記と同様に、解法の流れを覚えておかなければならない。




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1-2.理系数学の勉強方法

A.解法暗記:19カ月(高校1年4〜高校2年10月)

 先ず、実践力を培うために「解法暗記」を行う。1-1.総論で述べた「解法暗記」の方法で以下の進度を目標に勉強を進める。「解法暗記」の期間を多くとっているが

 数学TAについては、3カ月で『青チャート』の「解法暗記」を1周終える。2周目を2カ月で終えるように回す。
 数学UBについては、3カ月半で『青チャート』の「解法暗記」を1周終える。2周目を2カ月半で終えるように回す。ただし、「確率分布と統計的な推測」は勉強しないものとしている。したがって、「確率分布と統計的な推測」も勉強する場合は、1度に解く量を計画的に増やしてもらいたい。
 数学Vについては、3カ月で『青チャート』の「解法暗記」を1周終える。2周目は1カ月半で終えるように回す。

 以上で「解法暗記」が1年と3カ月半(15カ月半)で一通り終わるので、高校2年生の7月中旬以降、遅くとも8月からは、解法暗記に漏れをなくすための総復習を行う。
 『青チャート』の例題は全て解き直し、練習問題はチェックが入っている問題を解き直す。この時に解けなかった例題は「解法暗記」が不十分である可能性が高いので、さらに念入りに復習する。
 8月の夏休みにどれだけ復習できるかにもよるが、9月、遅くとも10月が終わる頃までには、総復習を終える。

 『青チャート』での「解法暗記」を終えた段階で、過去問演習を行えば中堅大学の数学の問題はあらかた解けるようにっている。つまり、入試における数学の基礎学力は確実に身に付いていることになる。



B.解法暗記から入試実践への橋渡し:4カ月(高校2年9月〜高校2年12月)

 『青チャート』による「解法暗記」の総復習中だが、9月(早ければ8月半ば)からは問題演習へと移行する準備を行う。この期間は、暗記した解法に漏れがないかを確認しつつ、入試の実践的な問題に対応できるようになることが目標である。『青チャート』の数学TAの復習が終わり、数学UBに入る頃に、『青チャート』の復習と並行して『大学への数学 1対1対応の演習』の数学Tに取り掛かり順次進めて行くようにする。

 「解法暗記」の確認と入試実践力となる「数学的思考力」の養成のために『1対1の演習』を用いて勉強する。『青チャート』でしっかりと「解法暗記」を行えていれば、本書の例題はそれ程難しくないだろう。
 例題を先ず解き、解けなければ同様の解法を『青チャート』に戻って復習する。翌日と翌週にに再度『1対1の演習』の例題を解く。このような工程で勉強を進めてほしい。
 演習問題は難しい問題となっているが、暗記した解法を適用しながら、1-1.総論のD.問題演習の進め方に沿って解き進めて行く。解けなかった問題については、どこで自分が止まってしまったのかを確認しながら、思考力を磨いていく。

 『1対1の演習』は数学TAUBVで問題数が異なるが、3カ月程度で全6冊を1周し終えられるように勉強を進める。その後、1カ月程で間違えた問題を中心に復習する。



C.入試実践力の養成:3カ月(高校2年1月〜高校2年生3月)

 典型問題の「解法暗記」と「数学的思考力」の養成を演習を通じてが終了した後は、いよいよ問題演習に入り入試に対する実践力を付ける。1-1.総論のD.問題演習の進め方に沿って以下の参考書を進めていけばよい。

 最初に『理系数学の良問プラチカ 数学T・A・U・B』を用いて問題演習を行う。比較的解きやすい問題からやや難しい問題まであるが、自分で解答を作成しながら思考力を磨いてもらいたい。解けなっかった問題は、『青チャート』で解法を確認して、後日もう一度挑戦するようにする。
 1カ月半で1周するように進める。間違えた問題等は後日にもう一度挑戦する等して解けるようにすることも忘れないこと。

 次に『理系数学の良問プラチカ数学V』を用いて問題演習を行う。こちらも上と同様に進めればよい。1カ月で1周するように進める。

 残りの期間は同両書の復習を行う。


 高校3年生になってからは4月中は同両書の復習を引き続き行い、5月から『やさしい理系数学』へと移行していけばよい。



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1-3.文系数学の勉強方法

A.解法暗記:13カ月(高校1年4月〜高校2年4月)

 先ず、実践力を培うために「解法暗記」を行う。1-1.総論で述べた「解法暗記」の方法で以下の進度を目標に勉強を進める。「解法暗記」の期間を多くとっているが

 数学TAについては、3カ月で『青チャート』の「解法暗記」を1周終える。2周目を2カ月で終えるように回す。
 数学UBについては、3カ月半で『青チャート』の「解法暗記」を1周終える。2周目を2カ月半で終えるように回す。ただし、「確率分布と統計的な推測」は勉強しないものとしている。したがって、「確率分布と統計的な推測」も勉強する場合は、1度に解く量を計画的に増やしてもらいたい。

 以上で「解法暗記」が11カ月で一通り終わるので、高校1年生の3月からは、解法暗記に漏れをなくすための総復習を行う。
 『青チャート』の例題は全て解き直し、練習問題はチェックが入っている問題を解き直す。この時に解けなかった例題は「解法暗記」が不十分である可能性が高いので、さらに念入りに復習する。
 3月の春休みにどれだけ復習できるかにもよるが、遅くとも高校2年4月が終わる頃までには、総復習を終える。

 『青チャート』での「解法暗記」を終えた段階で、過去問演習を行えば中堅大学の数学の問題はあらかた解けるようにっている。つまり、入試における数学の基礎学力は確実に身に付いていることになる。



B.解法暗記から入試実践の橋渡し:3カ月(高校2年5〜7月)

 「解法暗記」が終了した段階で、問題演習へと移行する準備を行う。この期間は、暗記した解法に漏れがないかを確認しつつ、入試の実践的な問題に対応できるようになることが目標である。

 「解法暗記」の確認と入試実践力となる「数学的思考力」の養成のために『1対1対応の演習』を用いて勉強する。『青チャート』でしっかりと「解法暗記」を行えていれば、本書の例題はそれ程難しくないだろう。
 例題を先ず解き、解けなければ同様の解法を『青チャート』に戻って復習する。翌日と翌週にに再度『1対1の演習』の例題を解く。このような工程で勉強を進めてほしい。
 演習問題は難しい問題となっているが、暗記した解法を適用しながら、1-1.総論のD.問題演習の進め方に沿って解き進めて行く。解けなかった問題については、どこで自分が止まってしまったのかを確認しながら、思考力を磨いていく。

 『1対1対応の演習』は数学TAUBVで問題数が異なるが、2カ月程度で全4冊を1周し終えられるように勉強を進める。その後、1カ月程で間違えた問題を中心に復習する。



C.入試実践力の養成:3カ月(高校2年8〜10月)

 典型問題の「解法暗記」と「数学的思考力」の養成を演習を通じてが終了した後は、いよいよ問題演習に入り入試に対する実践力を付ける。1-1.総論のD.問題演習の進め方に沿って以下の参考書を進めていけばよい。

 最初に『文系数学の良問プラチカ 数学T・A・U・B』を用いて問題演習を行う。比較的解きやすい問題からやや難しい問題まであるが、自分で解答を作成しながら思考力を磨いてもらいたい。解けなっかった問題は、『青チャート』で解法を確認して、後日もう一度挑戦するようにする。
 本書を1カ月半程度で1周する。その後、1カ月半程かけて解けなかった問題を中心に復習を行う。

 以上で難関大学の数学入試問題も合格点がとれる位の学力は身に付く。「解法暗記」と「数学的思考力」は演習を通じて十分蓄積されているはずだ。


D.入試実践力の強化:5カ月(高校2年11〜3月)

 問題演習で「数学的思考力」を養い入試の実践力を養った後は、応用問題や難問を解き、難関大学の数学で他受験生と差をつける得点を出して突破する実力を養成する。

 最初に応用問題と難問演習のために『解説がスバラシク親切な頻出レベル文系・理系数学I・A,II・B』を用いて勉強する。融合問題等も多く収録されており、難しい問題もあるが、解答をすぐ見ることがなく自分の頭で考えた後に解答を読むようにする。
 1カ月半で1周できるように進める。その後、1カ月程度で2周目を行い復習する。

 引き続き 『解説がスバラシク親切なハイレベル文系・理系数学I・A,II・B』を使用して難問演習を行う。東京大学の文系数学でも7、8割以上の点をとることを目標にしているので、骨が折れる問題も多いが、思考力を磨きながら、難しい問題を解く練習を行う。
 1カ月半で1周できるように進める。1周した後は、本書も1カ月程度で2周目を行い復習する。


 ここまで問題演習を行い復習をしていれば、「数学的思考力」等は相当程度高いものになっているはずだ。
 高校3年4月からは、過去問演習に入ればよい。過去問演習の間にも、今まで学んだ内容を復習することは忘れてはならない。過去問演習では、時間内に問題を解く練習や、本番では捨てるべき難問を見分ける練習を行いつつ、苦手分野の補強等を行えば、数学で他受験生を引き離すことができるだろう。



 それでは、高校1年生からの数学の勉強方法についての説明を終える。数学は、中々伸びない科目だからこそ英語と同様に毎日コツコツと積み重ねていくことが重要である。数学は、理系なら当然、文系でも難関大学に合格する上で避けては通れない科目であるから、早い内からしっかりとした基礎を固めておくことが必要である。是非、数学を得意科目として、合格点、更には他受験生を引き離すような高得点が出せるように頑張ってもらいたい。

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2.勉強計画の例示

 難関大学を志望するが高校1年4月からではない時期から勉強を開始する者について、どのような勉強計画で学習を行えばよいかを説明する。基本的には、理系、文系共に、A.解法暗記及びB.解法暗記から入試実践への橋渡しまでを高校3年生となる前の段階で終わらしておくようにすればよい。

 数例を挙げておくので参考にしてもらいたい。

○高校1年生の夏休み(7月)から開始する場合
 数学TAに関しては1学期にもう勉強しているので、既習分野については、理解していなかったり定期試験で赤点を取るようなことがない限りは『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学』は必要ない。上述した進度に追いつけるように、1日に解く問題量を増やしたり土日も解法暗記の勉強に充てる等して解法暗記をどんどん進めていけばよい。進度に追いついた後や、未習分野に入ったら『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学』を読みながら、解法暗記を進めていく。

○高校2年生の春(4月)から開始する場合

 文系で数学TA・UBまでしか勉強しない場合は、高校2年生の内にA.解法暗記及びB.解法暗記から入試実践への橋渡しまでを終えることができるので、C.入試実践力の養成以降は、高校3年生になってから行うようにしても十分入試で間に合う。

 理系については、数学Vまで勉強しなければならないので、高校1年生の夏休み(7月)の例示と同様に行う必要がある。
 既習分野の解法暗記については、1日に解く問題量を増やす等してどんどん解法暗記を進めて、未習分野に入ったら『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学』を読みながら解法暗記を進めるようにする。
 高校3年生になるまでに、A.解法暗記及びB.解法暗記から入試実践への橋渡しを終えるように予定を組んでもらいたい。

○高校2年生の秋(9月)から開始する場合
 1日に解く問題量を増やしながら勉強していくのは変わらず、文系の場合は既習分野も多くそれで間に合うだろう。

 理系については、高校3年生になるまでに、A.解法暗記を終えることを目標に解法暗記を進めてもらいたい。高校3年生になってからB.解法暗記から入試実践への橋渡しの勉強を行うように繋げていけばよい。

 以上のように、勉強を開始する時期が遅れても、問題演習を行う前の解法暗記をしっかりとこなすことに集中してもらいたい。数学が苦手な者、数学的センスがないと思っている者こそ、解法暗記が重要となる。高校3年生になる前までに解法暗記を完璧にこなすように頑張ってもらいたい。


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