受験勉強法学 Examics |
更新:LAAD[説明詳細] |
| ■世界史の勉強法2.二次・私大世界史の勉強方法二次・私大試験で世界史を使用する場合の勉強方法について述べる。センター試験のみ世界史を必要とする場合は当節は過剰な勉強量になるので1.センター世界史の勉強方法の方を閲覧してもらいたい。世界史の勉強を開始する前の準備段階として、最初に過去問を研究する事から始める。論述のみ出題される大学、論述が主に出題される大学、客観問題に加えて論述が出題される大学、そして語句等の客観問題のみ出題される大学等、大学によって傾向が様々であり、自分が志望する大学の過去問を研究して、どのような出題がなされているかを先ず確認しなければならない。 出題される時代に偏りがあるか、出題される分野に偏りはあるか(政治史、文化史の他に、経済史、土地制度史等のテーマ史等)、設問形式はどのようなものか(論述が課されるかも含む)を考察する。実際に問題は解かずに赤本や青本等の出題に関する分析を読むので十分ではある。無論、実際に問題を解いてみてもよい。ただいずれにしろ、どのような設問があるのか等は実際に確認しておかなければならない。 ここで、世界史に限らず、社会科は夏から集中して勉強して間に合うという言説があることについて私なりの見解を述べておきたい。 確かに夏から勉強を本格的に開始して間に合う場合はあるのだが、私の指導してきた経験則として、10人中3人程度が社会科で合格点をとり他受験生と点に差をつけられない程度に仕上がっている。そして、10人中1人が社会科を得点源として他受験生と差をつけることができるようになるという状況である。後の10人中の6人は社会科が仕上がらず、他科目で点数を上積みする必要や社会科で致命的な差をつけられるという結果になっている。 したがって、英語や国語が余りにもできないという者以外は、早い時期からコツコツと社会科を勉強しておく方がよい。そして夏以降に社会科の勉強にも本腰をいれるという勉強計画を組む方がよい。春から社会科の勉強時間を確保できるならしているという反論もあろうが、社会科の得点が足を引っ張るという危険は常に考えておいた方が良い。 逆に、大学の配点にもよるが、社会科で合否を決定づける程の点数差は中々つきにくい。社会科が面白いと感じ勉強熱心になること自体は大変喜ばしいことだが、英語、国語等の主要科目が大学入試突破で重要であることを忘れず、それらの科目の勉強を中心とすべきということにも注意してほしい。 最初に、2-1.二次・私大世界史の基本的な勉強方法で二次・私大試験に世界史が課される場合の基本的な勉強方法について説明する。次に、2-2.論述の勉強方法で論述問題についての対策を述べて、最後に2-3.難関私大対策の勉強方法で難関私大等の細かな知識への対策について述べる。 なお、世界史については全くの未習で独学で0から勉強を行おうとしている者は、2-5.二次・私大世界史の独学を読んでから以下の内容を読んでもらいたい。 それでは、以下で説明する勉強方法に必要な箇所を各自で読んでもらいたい。 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。 受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。 2-1.二次・私大世界史の基本的な勉強方法 2-2.論述の勉強方法 2-3.難関私大対策の勉強方法 2-4.世界史の勉強で必要なその他の参考書 2-5.二次・私大世界史の独学 ページのトップへ戻る 2-1.二次・私大世界史の基本的な勉強方法 二次・私大試験で世界史が課される場合、センター試験程度の知識では基本的に足りないことが多い。センター試験程度の知識に加えて、更に細かい知識も暗記する必要がある。しかしながら教科書(山川出版社の『詳説世界史B』)が勉強の基本となるのはここでも変わらない。なお、総論でも述べた通り、語句暗記の際は、「いつの時代に(背景・理由も含む)」、「どこで」、「意義・役割(何をした・惹起した結果)」を意識しながら行うことを心掛けてほしい。 それでは具体的な勉強方法について述べる。最初に入試に必要な知識のインプットから開始する。4月から勉強を開始して、7月までに世界史の通史についての知識をインップトすることを目標とする。 A.通史の暗記(4〜7月) 最初に二次・私大試験に共通して求められるる最低限の知識を覚えることから開始する。 先ず『実況中継』を使用する。これにより、歴史の因果関係や、背景、重要語句等を身に付ける。 本書を80〜100ページ程を目安にキリのいい章まで読みながら付属のサブノートに穴埋め及び解説を書き込む。 その後に該当範囲を教科書で読み、サブノートを参考にしつつ、教科書の記述にチェックしたり書き込んだりする。 翌日に教科書を読み直す。 以上の勉強の流れを1セットとする。新しいセットの勉強を開始する前には、前回セットの範囲の教科書を読み直す。 このセットを4回程度繰り返して1冊の『実況中継』を終える。 1冊の『実況中継』を終えた次の週には、当該時代の該当箇所の『はじめる世界史』(後でまとめて学習する文化史は解かなくてよい)を解いて基本事項が暗記できているかを確認する。そして教科書を読み直す。 なお、東南アジア等で教科書と『はじめる世界史』とも配列をかなり異なる箇所があるが、一応『実況中継』で読んだ通りの配列で消化してもらいたい。 以上のサイクルで学習を進めて、4月に「オリエント・ギリシア・ローマ・インド・中国・朝鮮・東南アジア史」、5月に「イスラーム・中世ヨーロッパ・ルネサンス・宗教改革・主権国家体制の形成」、6月「イギリス・フランス革命〜第一次世界大戦に至る国際関係史」、7月「第一次大戦・ロシア革命・中国革命〜第二次対戦後の世界」と一通りの学習を終える。 B.文化史の暗記と通史の復習(8月) 8月での勉強計画について述べる。教科書に記されたチェックに注意しながら読み直しつつ、サブノートでの暗記を繰り返す。 通史の復習と並行して、『実況中継』で文化史の学習を行う。このときも上のセットと同様に学習を進めて、8月の1カ月で『実況中継』を1冊終える。問題演習は、1セット終えるごとに該当範囲において『はじめる世界史』でやり残していた文化史を解くことで行う。 以上のように勉強を進めると、4月から8月の勉強により、世界史の全範囲は一応学習を終えることができる。入試に必要な知識はほぼそろい、教科書も大学入試に必要な箇所がチェックされている状態となっている。後は、サブノートと教科書で暗記を反復しながら、テーマ史や論述、難関大を志望する者は個別に細かな知識の学習を行えば、世界史で高得点を安定してとることが可能となる。 なお、ここまで説明した勉強計画及び勉強方法で使用する参考書等を以下にまとめて紹介しておく。
ページのトップへ戻る 2-2.論述の勉強方法 論述の勉強方法について説明する。ここでは上で紹介した2-1.二次・私大世界史の基本的な勉強方法の学習を終えた状態、つまり知識のインプットを終えた段階であることを想定している。したがって、当勉強計画に沿えば9月から論述の勉強を開始することとなる。 論述問題といってもその形式は多様である。ただ暗記したものを書き出せばよい論述は語句とその内容を覚えているか否かで決まるので、通常の暗記だけで対応でき特別な論述の練習というものは必要ない。しかしながら、難関大、特に国公立二次試験の論述となるとそうはいかない。ただ覚えた事項を書き出すだけでなく、基本的な事項(教科書レベルの知識)の理解と暗記を基礎として、問題文を分析して題意に沿って、与えられた字数にまとめて論述する力が必要となる。この論述力を磨くことが論述の勉強である。 『世界史論述練習帳』を用いて論述での問題の分析方法と書き方を学ぶ。本書を9月から使用開始したとして、11月に入るまでに、遅くとも11月半ばには終え、論述の問題分析法と書き方を身に付けると同時に、サブノートと教科書を論述に準拠したものに仕上げる。 「A論述」を1週間1日のペースで1日1単元ずつ解いて解説を読む。 その後に該当箇所のサブノートと教科書を書き込みながら読んで復習する。 一度解いた問題は翌週にもう一度、問題の分析と解答の過程を意識しながら復習する。 「B基本60字」は、「A論述」の勉強と並行してコツコツと読み進めていく。一言一句暗記する必要はないが、各問題の鍵となる語句と論述の流れを明確にして意識して覚えるとよい。 1度読み解いた問題については、翌日、翌週の復習をする。こちらも「A論述」が終わる頃には1周して最後にもう一度一気に解いて覚えたかを確認しておきたい。 基本60字は過去問演習をしている段階でも繰り返し読み、知識として定着させることが望ましい。 その後の11月(半ば)以降は、過去問演習を行いながら本書で学んだことを自分で使いこなせるようになれば、論述問題でも高得点を獲得できるようになる。論述問題の演習と並行してサブノートと教科書を軸に反復暗記も忘れずに行うこと。その際に山を張るのではなく良い意味で論述問題を予想しながら行うとよいだろう。『世界史論述練習帳』の復習も行うことを忘れないように注意てしてほしい。 もし過去問演習に入る前に論述問題の演習を行いたい場合は、『段階式 世界史論述のトレーニング』で自分が受験する予定の大学の論述の字数の問題を解くとよい。
ページのトップへ戻る 2-3.難関私大対策の勉強方法 難関私大における世界史の勉強法について述べる。上で紹介した2-1.二次・私大世界史の基本的な勉強方法の学習を終えた段階で、難関私大といはいえ合格点に届くことに必要な知識は6〜7割は大体揃っている。したがって、教科書とサブノートの反復暗記を行いながら、過去問演習を行い、未知の知識と出会う度に暗記し、教科書とサブノートに書き込んでいけばよい。語句暗記の際は、「いつの時代に(背景・理由も含む)」、「どこで」、「意義・役割(何をした・惹起した結果)」を意識しながら行うのは変わらない。 一問一答の類の参考書は基本的に必要ないのだが、難関私大に出題され得る語句を効率よく拾うために一問一答集『世界史B一問一答』を使用する。教科書とサブノートを用いて歴史の流れを確認しつつ、『世界史B一問一答』でサブノートにない語句を補強していく。志望校によっては不要な語句もあるだろうから、本書の★で要不要の判断を行ってもらいたい。 過去問演習に入る前に、問題演習を通じて知識の確認を行いたい場合は、『オンリーワン世界史完成ゼミ』または『実力をつける世界史100題』を用いればよい。また、大学別の世界史の問題集も多く出版されているので、赤本ではなくそれらの大学別の問題集を解いてみるのも手である。
以上の勉強方法を実行して、過去問演習を行いながら必要な情報を書き込むことでいった教科書及びサブノートは志望大学の世界史に準拠した形となっている。直前の復習も効率よく行えるはずである。 ページのトップへ戻る 2-4.世界史に必要なその他の参考書 最後に、世界史の勉強を進める上であると便利な参考書を紹介しておく。世界史マニアになれば入試では良い点が取れるが、入試は総合点勝負ということを忘れずに、英語や国語をしっかりと固めた上で世界史を得意科目とできるように頑張ってもらいたい。 世界史で重要なテーマである、各国史等のような世界の歴史における縦の見方と、同時代の世界の動向等の横の見方を学習する必要がある。英語や国語の完成が遅く、世界史にかけられる時間がなければ仕方ないが、論述が主な大学も私立専願者も『ヨコから見る世界史』と『タテから見る世界史』を用いた勉強は是非行ってほしい。
以上で、二次・私大で世界史を使用する場合の勉強方法についての説明を終える。 なおセンター試験については、二次・私大向けの勉強をしていれば、センター試験の過去問で形式に慣れることで高得点はとれる。センター試験のための勉強は特段行う必要はない。 ページのトップへ戻る 2-5.二次・私大世界史の独学 世界史を0から独学で学習する場合についての勉強方法を示す。初学者や学校の授業を疎かにしてしまった者は、2-1.二次・私大世界史の基本的な勉強方法に入るの前に、『手にとるように世界史がわかる本』を予め2週間程度で一気に読む。その後再度1週間でもう1周する。したがって当節で紹介している勉強計画よりも3週間早く開始する必要がある。 一気に読む際には、語句は自然と覚えられればよしとして、因果関係に注意を払いながら読むことを意識する。世界史の全体の流れがどのようになっているかを把握すると同時に、世界史の基本的な事項を理解できればよい。後は勉強計画の学習を進めて行きながら肉付けをしていくことになる。
|
Copyright 2012-2019 受験勉強法学 Examics. All Rights Reserved. |