受験勉強法学 Examics

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■物理の勉強法

2.センター物理(専門)の勉強方法

 センター試験でのみ物理(専門)を使用する勉強計画を述べる。センター試験のみで物理基礎を使用する者は1.センター物理基礎の勉強方法を閲覧してもらいたい。物理を二次・私大試験で使用する者については、センター試験のための勉強を特別に行わなくても対策できるので、3.二次・私大物理の勉強方法を閲覧してもらいたい。

 ここでは、先ず、2-1.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画において、勉強計画と勉強方法を説明する。次に、勉強計画に基づいて使用する参考書を2-2.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の参考書で説明する。

 なお、完全に独学で物理の勉強を開始する場合は2-3.センター物理(専門)の独学を参照してから2-1.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画に進んでもらいたい。

 次のような構成になっているので、各自で必要な項目を読んで、勉強計画作成の参考にしてほしい。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

 2-1.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画
  A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画
  B.9月から4カ月半かけて仕上げる計画
 2-2.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の参考書
 2-3.センター物理(専門)の独学


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2-1.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画
 物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合について、A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画B.9月から4カ月半かけて仕上げる計画に分けて示す。この両者の勉強計画を参考にして、組み立てもらいたい。いうまでもないが、高得点を安定してとりたい場合は前者のAの計画をすすめる。

A.7月から6カ月半かけて仕上げる物理(専門)の勉強計画

 当勉強計画では、7月から物理の勉強を開始して、1月のセンター試験までに物理を安定して高得点(8、9割以上)を目指す。週1日のペースで物理の勉強を行う。


 最初に、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』をキリの良い節まで110〜120ページを目途に読む。この時、公式や事象が何を意味しているかに注目して押えるのは勿論、図も簡単にでよいので自分で紙に書く。これは、手を動かしながら考えることで理解の助けになるはずである。また本書に付随する問題は、答えを見る前に、自分で解くように試みる。

 次に、『物理のエッセンス』の問題を解く。定期テストで教科書傍用問題集を解いたことがあれば、さほど悩まずに解くことができる問題も多いだろうが、公式や解法パターンを問題を解くために運用できるかを確認する。解けなかった問題についてはチェックを付して、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』に戻って理解し直す。

 上で読んだ範囲の教科書の該当箇所を読む。上で読んだ内容を思い出しながら、教科書の記述がどのようになっているかを確認して、覚えながら読む。

 翌日、間違えた問題の復習を行い、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』を読み返す。以上の一連の流れを1セットとして勉強を行う。
 なお、新しいセットに入る前に、1セット前に行った箇所を教科書で読み返す。つまり、翌週に新しいセットを始める前に復習することになる。

 1セットに何ページ読むか人によって変わるが、このセットを8回前後繰り返して、8月末までに『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』と教科書を読了する。


 9月から11月にかけても、7月からの学習と同様に、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』と『物理のエッセンス』での学習を中心に行う。両書ともに1度勉強したので、3カ月で2周するように勉強を行う。11月が終わる頃には、両書とも完璧に覚えて解けるような状態になるのが目標である。

 1週間に1日、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』を150ページ程読み、該当範囲の『物理のエッセンス』を解く。解けなかった問題については何度も復習をして完璧に解けるようにする。

 12月からは、『物理のエッセンス』で何度も間違えた問題を復習しつつ過去問演習を行い形式に慣れれば、物理で高得点を安定してとれるようになる。


B.9月から4カ月半かけて仕上げる物理(専門)の勉強計画

 当勉強計画でも、基本的な流れは、A.7月から6カ月半かけて仕上げる計画と同じであるが、勉強内容を薄く、回数を圧縮して行うことになる。

 最初に、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』をキリの良い章まで100ページを目途に読む。この時、公式や事象が何を意味しているかに注目して押えるのは勿論、図も簡単にでよいので自分で紙に書く。これは、手を動かしながら考えることで理解の助けになるはずである。また本書に付随する問題は、答えを見る前に、自分で解くように試みる。

 翌日に、『物理のエッセンス』の問題を解く。定期テストで教科書傍用問題集を解いたことがあれば、さほど悩まずに解くことができる問題も多いだろうが、公式や解法パターンを問題を解くために運用できるかを確認する。解けなかった問題についてはチェックを付して、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』に戻って理解し直す。

 これを1セットとして、週1回行い、9セット程度繰り返す。最初の5セットで『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』と『物理のエッセンス』を1周目を終える。

 そして、後半の5セットで両書の2周目を終えることとする。12月半頃までに、『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』と『物理のエッセンス』の2周目を終える。これで一応の解法暗記と思考力・計算力の養成ができる。

 後は過去問演習に入ればよい。過去問演習では、間違えた箇所や理解が曖昧な箇所は『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』と『物理のエッセンス』に帰って復習しながら進める。

 この勉強計画は短い期間に行うため、復習が少なくなり、安定して高得点をとることが難しくなる危険もある。さらには高得点自体がとれない可能性もある。やはり、試験で高得点をとるには時間がかかるものであるということに注意してほしい。


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2-2.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の参考書
 上述した勉強計画の中で使用する参考書を以下で紹介する。
 

 ■『漆原晃の物理基礎・物理[力学・熱力学編]が面白いほどわかる本』 中経出版
  『漆原晃の物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本』 中経出版
  『漆原晃の物理基礎・物理[波動・原子編]が面白いほどわかる本』 中経出版

1.特徴
 物理(専門)のセンター試験にも必要十分な内容となっている。本書の特徴はその網羅性に加えて、公式と解法にを丁寧に解説していることが挙げられる。本書の解説を読み、過去問演習を行えばセンター物理で高得点をとれるようになる。

2.補足
 本書では問題演習が圧倒的に不足するので、別の参考書で補完する必要がある。つまり、本書はあくまでセンター試験に必要な知識の整理と理解のために用いて、『物理のエッセンス』で問題演習を行うようにしなければならない。
 初学者が本書を物理の第1冊目と使う場合は少し情報量が多いかもしれない。物理の大枠を最初にしっかりとつかむことを重視して、下で紹介する『橋元の物理をはじめからていねいに』を通読して本書に移ってもよい。とはいえ、初学者でも理解できるように丁寧なつくりになっているので、大枠を見失わないのならば本書から始めることも十分に可能である。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。




 ■『物理のエッセンス 力学・波動』四訂版 河合出版
  『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子』 四訂版 河合出版

1.特徴
 物理の参考書兼問題集。問題を解くことで物理の基礎的な事項を理解していくための問題集。問題はどれも応用問題を解く上で必要となる重要なもので構成されている。式の導入、使用方法、そして組み合わせ方を解説している本書を学習することで、物理に必要な公式や解法を一通り揃えることができ、入試物理の基本的な問題は解けるようになる。
 ただし、教科書に書かれている基礎中の基礎は説明がなかったりするので、教科書または辞書的参考書と併用しながら、本書を進める必要がある。

2.補足
 上でも述べたが、教科書等と併用することを想定して本書は作成されている。独学になる初学者は教科書のみで物理を理解していくことは難しいので、2-2.センター物理(専門)の独学を参照してもらいたい。
 高校1・2年生の者は、授業に並行して本書を解き進めると、受験生になった時に物理の勉強の負担を軽減できる。

3.進度
 上及び下で紹介する勉強法に沿って使用してもらいたい。



 ■『視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録』 数研出版

1.特徴 2.補足 3.特徴
 資料集は、それ自体を中心に物理を勉強することはないが、教科書や参考書で不足しがちな図や表を多く掲載しており、物理の理解をより深めることを助けてくれる。
 センター試験のみで物理を使用する場合は、深い知識まで要求されないので資料集を使用することは少ないだろうが、手元に1冊置いて物理のイメージが湧かない時等に、資料集を引いて暗記していくと忘れにくくなる。
 学校で配布された資料集で十分だが、独学で物理を勉強する等で資料集を新しく購入しければならない者のために一応本書を紹介しておく。


 以上で、センター試験でのみ物理を使用する場合の勉強方法についての解説を終える。物理は、理科の中では一番計算力が必要であるが、暗記事項は最も少ないため、最初の公式や事象の理解の勉強を乗り越えて、直感的に問題を解釈できれるようになれば、以後の勉強は、他の理科の科目に比べて極めて少なくでき、さらに高得点を安定してとることができる。満点も目指せるので頑張ってもらいたい。


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2-3.センター物理の独学
 ここまでセンター試験の勉強計画及び勉強方法について説明したが、物理を0から独学で学習する場合についての勉強方法を示す。以下で解説する学習を終えた後に、2-1.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画に移ってもらいたい。

 『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』を予め2週間程度で一気に読んで物理の大枠を掴むとよい。その際には、語句や公式は自然と覚えられればよしとして、概念の理解に注意を払いながら読むことを意識して、物理ではどのようなことを勉強するかを大きく掴むことができればよい。

 『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』を3冊読むとなると初学者には情報量が多く感じられ、大枠を掴む前に路頭に迷む可能性もある。『漆原明の物理基礎・物理が面白いほどわかる本』を最初から全てを理解せずともよいとはいえ、通読することが難しいと感じる者もいるだろう。その場合には、代わりに『橋元の物理をはじめからていねいに』を大枠を掴むための最初の書としてもよい。『橋元の物理をはじめからていねいに』を2週間程度で1周読み通して2-1.物理(専門)をセンター試験のみで使用する場合の勉強計画に移ることとなる。


 橋元の物理をはじめからていねいに 力学編』 ナガセ
   『橋元の物理をはじめからていねいに 熱・波動・電磁気編』 ナガセ

 1.特徴
 講義形式の参考書。初学者でも使用できるように基礎的な事項をイメージを大切にしながら解説している。例え話等で物理を勉強する最初の難関である公式や事象の理解を助けてくれる。
 解説を初歩的で分かりやすくしているため、網羅性が低く、問題演習もできない。したがって、本書は勉強の導入にはよいが、それ以上を求めることは無理である。

2.補足
 最初に説明したとおり、初学者や物理が極度に苦手な者以外は使用する必要は特にない。

3.進度
 上述した勉強計画に沿って使用する。




 物理の勉強方法
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3.二次・私大物理の勉強方法
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