受験勉強法学 Examics

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■国語の勉強法

2.古文の勉強方法

 ここでは、古文の勉強方法について解説する。国語が入試で課される大学においては大抵現代文に加えて古文も課されるだろう。古文は、古文文法と古文単語をしっかり固めて解釈の練習を行えば、現代文よりも伸びやすく、国語という教科の中での得点源となる。得点が伸びやすいということは、古文での大幅な失点を許されないことになる。しっかりと古文の勉強をして、最低限のレベルで国語の得点を安定させられるようにならなければならない。

 では、古文の勉強方法の詳細について説明する。最初に、古文単語を暗記しながら古文文法を固めて古文解釈ができるように基礎を固める。その後に、古文解釈や説明問題等の読解問題を解き演習をする。以上のことをしっかり行った上で過去問演習を行えば、古文の合格点はとれるようになる。また、理系(一部文系も含む)でセンター試験のみ国語を使用する者については、古文読解の勉強方法において解説する。

 次のような構成となっており、各段階で使用する参考書を紹介する。
 また、受験勉強における基本的な勉強方法については勉強法コラムで詳しく述べているのでそちらを参照してもらたい。
受験勉強以前に全教科に通じる論理的思考を学びたい者は、LAAD(外部サイト[詳細説明])で学ぶことを強く奨める。

  2-1.基礎固め
  2-2.読解方法の習得
  2-3.入試実践力の養成:二次・私大試験レベル
  2-4.入試レベルを超えて
  
  

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2-1.基礎固め
 基礎固めの時期の勉強方法について述べる。この基礎固めの時期に、しっかりと古文文法と単語を暗記しておかなければ、後に学習する読解方法の習得に円滑に移ることができない。読解方法の習得では、この基礎固めで身に付けた知識を用いて、どう読み設問に答えるのかを学習するため、読解方法の習得時に一々基礎的な暗記事項をその都度細かく戻って学習するのでは効率が悪い。したがって、短い期間にしかっりと一度暗記して、次の読解方法の習得時に暗記事項を活用しつつ弱点を補強する形で勉強を進めることができるようにしたい。
 古文文法については、高校で配布された古文文法書を読み、付随する古文文法書を解いて暗記すれば問題ない。なお、高校の古文の授業も頼りなく古文文法書だけではただの暗記になってしまう者は、『望月古典文法講義の実況中継』を読むことをすすめる。一応、学校の授業が使い物にならなかったり等したものために、古文文法書の基礎的な問題集を紹介する。
 古文単語は、入試直前までに何度も繰り返し、基礎固め以降も入試直前まで行うことが必要だ。

 それでは、使用する参考書を以下に掲げる。


 ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』 五訂版 河合出版
1.特徴
 古文文法の知識確認をした後に、実際に問題を解いて覚える形式の問題集。助動詞から敬語、品詞の識別等、古文読解に必要な古文文法事項を習得できる。

2.補足
 全くの古文の初学者が使用するにはやや難しいかもしれないので、本書を使用して理解できない場合は、下記の『望月古典文法講義の実況中継』を読みながら本書で該当箇所の問題を解くとよい。
 古文文法を今までにしっかりと固めた者は本書を使用する必要は特にないが、一応古文文法を復習したり確認したりしたい場合に1週間程で1回解いてみるのもよい。

3.進度
 1日1章、または1日2章で1カ月で解く。終了した章は、翌日と1週間後に復習すること。
 本書を1周し終わった後、もう一度3日程度で解きなおすとより一層知識が定着する。


 New望月古典文法講義の実況中継(上)』 語学春秋社
   『New望月古典文法講義の実況中継(下)』 語学春秋社

1.特徴
 本書は古文文法を講義調で初学者にも理解できるように丁寧に解説している。「上」では助動詞、助詞を「下」では敬語、品詞識別を主に扱っている。上下二冊の構成だが、文章は口語体で平易に記されているため、すぐ読み終えられるので、最初の古文文法の参考書として適している。

2.補足
 本書は講義本なので、問題演習に欠けている点で知識の定着が甘くなる。よって、本書を読んだ後に、上で紹介している『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』の該当箇所の問題を解くことがすすめられる。なお、古文文法をもう学習した者には、本書は不要である。

3.進度
 上で紹介した『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』の進度に合わせて読む。一回一回の使用順序としては、本書を読んだ後に『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』で解くのがよい。



 読んで見て覚える重要古文単語315』 三訂版 桐原書店

1.特徴
 センター試験及び中堅大学の二次私大レベルの古文においては、本書のみで必要十分の古文単語が暗記できる。
 語源等も解説されており暗記しやすいようになっている。関連語等もしっかりと覚えれば、センター試験程度の古文の問題では、単語が分からずに得点を落とすということはなくなるだろう。
 古文常識も掲載されているので、古文読解のための背景知識も得られる。

2.補足
 難関大学を志望する者でも、本書を使用することで最低限の語彙力を学習できる。しかしながら、安定して高得点を獲得したい場合は、本書の使用後に下に紹介する『読み解き古文単語』へと移ることをすすめる。その場合は、本書は基礎語彙力の養成という位置付けになるが、その意味では『土屋の古文単語222』を本書に代えて使用する方が古文単語に使用する時間的に効率がよい。

3.進度
 1周目は、1日見出し30語前後と関連語を暗記して、翌日に復習するという方式で1週間で終わらせる。
 2周目も同様に行い、その後、10語前後でよいので毎日繰り返し暗記すること。


 土屋の古文単語222』 代々木ライブラリー

1.特徴
 本書は、超重要古文単語に絞っている。語数が222とセンター試験には物足りないが、いきなり多くの古文単語を覚えることが重く感じる者には最初の1冊として使えるだろう。
 暗記しやすいように、語源や同義語・対義語を絡めるだけでなく、意味を無理なく広げるように解説が付されている。

2.補足
 『読んで見て覚える重要古文単語315』を使用する場合は、本書を使用する必要性は特にない。難関大学志望者は、まず本書を使用した後に『読み解き古文単語』に移ることをすすめる。

3.進度
 1日30〜32語ずつ進め、翌日に復習する方式で1週間で1周することを3回行う。つまり、本書を3週間で計3周する。


 読み解き古文単語』 改訂版 Z会出版
1.特徴
 古文読解をしながら古文単語を覚えていく形式。数え方にもよるが、語数も1000近く掲載されており、文章も『源氏物語』『宇治拾遺物語』等、有名所が多い。
 読むことに慣れるだけでなく、文章の中で単語の意味を選ぶ練習にもなる。文章の主だった文法事項については、別冊に簡単な解説が付されているので、気になった箇所は読んでおくとよい。
 難関大学志望者で古文高得点を狙う者にとって最良の古文単語集といえる。

2.補足
 難関大学志望者以外は本書を使用する必要は特にない。
 掲載文章も簡単とは言えず、語彙も多いので、古文初学者は本書を使用するだけで多くの時間を要することになる。本書を使用する際には、まず『土屋の古文単語222』で基礎単語を暗記し、古文文法が固まってから使用することに注意すること。

3.進度
 1周目は1日1文章ずつ読み、翌日に暗記しながら2カ月かけて終える。
 その後は、自分のペースによって1日1〜3文章ずつ何回も繰り返して暗記していくとよい。
 1周目は絶対赤字を、2周目は黒太字を、3週目は細字(通常の文字)もできるだけという具合に徐々に暗記の量を増やしていくことで、一度に全部を暗記しようとして挫折することを防ぐことができる。


 ■『土屋の古文常識222』 代々木ライブラリー

1.特徴 2.補足 3.進度
 古文常識は、問題を解いていく過程で適宜補充していく方式で十分間に合わせることができる。しかし、古文常識は古文常識でまとめて覚えたいという者のために本書を紹介する。
 古文常識をまとめて学習するのならば本書でざっと確認するとよい。さらに本書は文学史も少し学べるように作品紹介も通して古文常識を紹介している。
 なお、『読んで見て覚える重要古文単語315』を使用している者は、そちらで古文常識を確認できるので本書は必要ない。
 繰り返すが、古文常識は問題を解く過程で覚えて行けるので、まとめて覚えるための古文常識用の参考書は特に必要ない。敢えてまとめて勉強したいという者ののみ本書を使用してほしい。


 ■『土屋の試験に出る文学史』 ライオン社

1.特徴 2.補足 3.進度
 古代から現代までの文学史の解説がなされている。文学史が出題される大学を受験する者は、コツコツと時間を見つけて読み進めておくとよい。文学史が出題されない者は、教養としては必要だが、受験としては特に必要ない。
 なお、学校で配布された文学史の参考書で負担にならずに暗記できる者は、そちらを用いて暗記すればよいので、本書は必要ない。




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2-2.読解方法の習得
 次に、古文の読解問題の勉強方法について解説する。この段階では、上で学習した古文文法及び古文単語を読解で応用する方法を学習する。
 設問になってない箇所も、古文文法や古文単語の知識を使って品詞分解をして逐語訳の練習も忘れずに行うようにしなければならない。自力である程度の現代語訳ができるようになっておくことが、実際の入試を解く上で重要となるからだ。ただし、全文を訳せるようになる必要はないし、また古文の学者でない受験生にできるはずもないので、余り神経質にならないように注意されたい。あくまで、読解問題を解く上である程度の現代語訳がこなせるようになることが目的での逐語訳の練習である。
 このようにして、読解問題の解法の基本と問題文の意味をとることを身に付けた後に、二次・私大レベルの入試問題に対応するための実力をつけるための学習へ入る。

 なお、センター試験のみの受験生は、『土屋の古文講義1・2』を解いた後に、『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』を使用して、問題の解き方を学習した後に過去問演習に入ればよい。センター型の問題演習をしたいという者は、他に問題集を手を出すよりも、過去問演習において何年分解くかは個人によって異なるが、今まで学習したことを復習しつつ過去問演習期を長くとってセンター試験の過去問の古い方から解いていけばよい。

 それでは、この時期に使用する参考書を以下で紹介する。


 土屋の古文講義1』 代々木ライブラリー
   『土屋の古文講義2』 代々木ライブラリー

 1.特徴
 各書籍8章ずつで構成されている。古文文法と古文単語を読解でどのように使用するかについて、丁寧な解説を通じて問題を解きながら学べる。本書を通じて、読解の中で古文文法や古文単語の運用方法を始めとして、問題文の読み進め方と設問に対してどのように当たるかを会得できる。また、問題文に関する文学史も掲載されているので、文学史が出題される大学を受験する者は、本書を通じて文学史をどのように覚えればよいかも学習できる。

2.補足
 問題を解く際は、時間を気にせず、品詞の識別をして本文へ書き込みながら、逐語訳を行いながら進める。設問の解説だけでなく全訳もしっかりと読み、助動詞や助詞の識別が合っているかを確認することを怠らずに行うこと。
 本書で身に付けたことを前提にすれば、下で紹介する『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』に円滑に移行できる。
 センター試験のみで古文を使用し、かつ古文に時間をかけられない者は、応急処置として、『土屋の古文講義1』のみを解いて、『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』を一読して過去問演習へ入る。

3.進度
 1日1章ずつ解き、2週間で『土屋の古文講義1』を終える。
 その後、『土屋の古文講義2』も、1日1章ずつ解き、2週間で終える。
 古文文法と古文単語、及び設問の解き方等気になったところは各自で復習しておく。



 古文解釈の方法』 改訂版 駿台文庫

1.特徴
 書名通り、古文解釈の方法を丁寧に論理的に解説しており、古文を解く際に必要な解釈の仕方を本書で学ぶことができる。国公立の記述式の問題を解く上では必要な基礎力と応用力を勉強することができる。
 解説が非常に論理的で緻密なため、読み理解することに多少苦労するだろうが、その分本書を学習し終えた後は、古文の実力は相当なものとなる。

2.補足
 本書は時間を多く要するので、センター試験のみで古文を使用する者や、古文が出題されても客観式が主な大学を受験する者は、無理に使用する必要はない。
 古文文法や単語の暗記等、最低限の知識がないと本書を使用するのは困難なので、基礎固めをしっかりと終えてから本書を使用すること。
 解説が主になっており演習が不足するので、本書で学んだことを問題演習で随時使用しながら定着させるようにする必要がある。
 記述式が主に出題される大学を志望する者は、是非とも本書を使用してもらいたい。しかし、他科目の勉強の関係で古文に時間を割けられない場合は、本書の使用を断念してもよい。ただし、その場合でも、『土屋の古文講義』で古文解釈を自分でしっかりと行いながら解くように心掛けてほしい。

3.進度
 『土屋の古文講義』を終えるまでに、全てを理解できなくてもよいので、問題を解きながらとりあえず1周読み通す。このとき、1度読んだ講は簡単にでよいので、翌日と翌週に復習する。
 2周目は、『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』と『入試精選問題集8』の両書と並行しながら、理解し習得できるように勉強する。約2カ月が目安である。
 後は、理解や習得不足と感じる箇所を中心に復習すればよい。


 ■
元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』 改訂版 中経出版

1.特徴
 本書は、センター試験の問題を用いて、古文読解方法を解説している。問題文から設問を解く上での目の配り方等を丁寧に解説している。『土屋の古文講義』で学んだことを、より明確に意識することができるはずである。
 本書で、逐語訳で意味をとりながら読んでいた読解方法を、設問に合せた読解方法へと磨くことができる。本書によって、古文読解の速度と解答の精度を上げることができる。

2.補足
 本書は、直訳を軽視しているようにとれる所があるが、あくまで逐語訳或いは直訳がある程度できることを前提に使用することが必要である。直訳も満足にできない程度の古文の学力では、本書の目指すレベルまでは届かないものと思われる。本書は、直訳から一歩進むための参考書ということに注意してほしい。
 センター試験対策だけでなく、二次・私大対策でも基本的に本書の視点は非常に有効なので、しっかりと本書の内容を身に付けてほしい。
 センター試験のみ古文を使用する者は、本書の後に過去問演習に入ればよい。

3.進度
 1〜2週間程度で読み1周読み終える。復習は原則等、読解のポイントに重点を絞って行えばよい。




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2-3.入試実践力の養成:二次・私大試験レベル
 二次・私大レベルの問題に対応するための勉強方法について説明する。この段階では、問題演習を通じて、古文文法を始めとして読解法まで、今まで学習して来たことを定着させることを目標にする。『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』で学んだ視点が自分でもできるように、問題集の解答・解説から根拠部分に実際に線を引く等して確認していくと効果的である。『得点奪取 古文 記述対策』の後に『入試精選問題集8 古文』に移行するのが基本的な流れだ。

 国公立二次試験等で記述問題が主に出題される大学を志望する者は、必ず『得点奪取 古文 記述対策』を解いて、記述問題で減点されない答案を書けるようにならなければならない。記述問題とその書き方を練習せずに答案を作成していると、案外読解はできているのに点数に繋がらないことが多い。
 センター試験対策については、『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』を基礎にした二次・私大レベルの対策を行えば、過去問演習で形式に慣れるだけで十分である。
 難関大学以外の私大専願者は、記述問題は少ないであろうから『得点奪取 古文 記述対策』を無理に解く必要はない。さらにいえば『入試精選問題集8 古文』も解く必要がないので、『中堅私大古文演習』を使用するので事足りる。
 難関大学の私大専願者で、記述問題がそこそこの重さを持つ場合は『得点奪取 古文 記述対策』をしっかりと解いておくことをすすめる。

 それでは、使用する問題集を以下に紹介する。

 入試精選問題集8 古文』 改訂版 河合出版 

1.特徴
 二次・私大レベルの問題集。最初に設問の解き方がまとめられているので、ここで解き方を確認したら、後はひたすら全22題の問題を解いていく。解説が非常に丁寧で、記述問題には採点基準も付いているので、自分がどれだけ得点できているかを確認できる。本書で難関大の問題にも対応できるような実力が身に付けることができる。

2.補足
 国公立二次試験で古文を課され、記述問題の割合が多い者は、本書でも記述問題の演習はできるが、より答案作成能力を向上させる必要があるので下の『得点奪取 古文 記述対策』を並行して使用することをすすめる。
 難関国公立大学以外の国公立大学志望者は、本書を使用せず、下記の『得点奪取 古文 記述対策』のみでもよい。
 本書が難しく感じたり、上位の私大を受験するつもりはなく古文で高得点を狙わない私大専願の者は、本書の使用を中止して、下記で紹介する『中堅私大古文演習』を使用することをすすめる。

3.進度
 1日1題ずつ、1カ月半程度で1周する。1度解いた問題は、1週間後に再度解答の根拠を意識しながら解きなおすこと。


 ■
得点奪取 古文 記述対策』 改訂版 河合出版

1.特徴
 古文の記述問題に特化した問題集。解釈・説明・要約と典型問題を通じて記述問題の解法と答案の作成方法を学び、練習問題で定着させる構成となっている。
 解説が詳しく、答案作成で気を付ける点を細かく学んでいける。本書をじっくりやれば、記述問題でつまらない減点をされることはなくなるだろう。

2.補足
 国公立二次試験で古文が課される者にとって、本書は必須の問題集。本書の典型問題を先ず解いてから、本書で学んだことを、本書の他に上で紹介した『入試精選問題集8 古文』の演習の際にも意識しながら行うとより学習内容が身に付く。

3.進度
 典型問題は毎日1題ずつ解く。1度解いた問題を翌日、1週間後に解答の作成方法を重点的に意識しながら復習する。
 練習問題は1日1題ずつ解き、1カ月程度で終わらせる。ここでも1度解いた問題は、1週間後に復習する。

■『中堅私大古文演習』 河合出版
1.特徴
 客観問題を中心とする私大に特化した問題集。問題のレベルも『入試精選問題集8 古文』に比べて低いものとなっているが、設問の解き方等の解説は非常に丁寧なものとなっている。
 早稲田、関関同立等の難関私大を受験しない者は、本書で演習をした後に、過去問演習に入ればよい。

2.補足
 本書は私大専願者のための問題集なので、国公立二次で課される者が用いても有用性は低い。書名通り、中堅私大レベルの大学を受験する者が、『入試精選問題集8 古文』に代えて問題演習に使用するためのものである。

3.進度
 1日1題ずつ解き、2カ月程で1周終える。1度解いた問題は1週間後に、設問のポイント等を意識しながら復習すること。




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2-4.入試レベルを超えて
 最後に、古文の勉強をさらに細かく現在の受験レベルを逸脱して行いたい者ののために、古い古文の学習参考書の名著を紹介する。現在の古文の大学受験レベルでは、これほどまでの内容は求められないが、以下に紹介する参考書を使用することでより深い古文の世界を理解することができる。


 ■『古文研究法』 改訂版 洛陽社

1.特徴
 今は亡き筑波大学名誉教授小西甚一博士による古文の参考書。古文単語から古文文法、さらには読解、おまけに古文常識、和歌まで古文の全範囲を網羅しており、しかも、解説を逐一懇切丁寧に行っている。
 内容は現在からみるとかなり高度なものになっているが、本書を読み終える頃には受験の古文については怖いものなしとなる。

2.補足
 はっきり言って今の受験生には、志望校が東京大学だろうが京都大学だろうが、本書は不要である。もし大学で国文学を研究したい等でより詳しく古文を勉強したい者ならば、一応受験の枠組みに入る本書で勉強を進めるとよいかもしれない。ただし、受験に関しては必ずオーバーワークとなる。

3.進度
 1年生で時間があるなら本書を使ってみるのも一興だろう。
 私自身の経験から言えば、本書は確かに他の古文参考書として一線を画しているが、その分深い理解が得られる。しかしながら、高校1年時の6月という早い時期から私は本書を使用し始めたからこそ、他の科目の勉強時間を圧迫することが避けれた。受験生は本書を主に勉強することは避けるべきだ。


 ■『古文の読解』 復刻版 筑摩書房

1.特徴 2.補足 3.進度
 上で紹介した『古文研究法』と同じ著者の小西甚一博士による古文の読解のための参考書。旺文社で絶版となっていたものを筑摩書房が文庫サイズで復刻した。『古文研究法』でも読解は扱っていたが、そこまで紙面を割いてないので、本書の方が読解に関しては詳しい。
 本書も非常に高度な解説で、現在の受験では必要以上の内容となっている。『古文研究』と同様に現在では不要な程の内容だが、読み物としても十分に面白いので、時間に余裕がある者は問題を解くというよりも一種の読み物として気軽に読んでみると古文読解の際に役に立つだろう。そうでない場合は、貢数も多く厚い本書を読むことは避けるべきだろう。


 以上で、古文の勉強方法の解説を終える。


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