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■勉強法コラム

過去問演習とは何か



要約

過去問演習とは、本番を意識して実際の入試で試験時間以内に全ての問題を目を通して、合格最低点または目標点を確保するための処理能力を身に付けて戦略を立てることが目的である。問題演習の通常学習とは異なり、全ての問題を厳しい制限時間内に解き、解ける問題とそうでない問題を峻別する能力が入試突破に必要だからだ。



 過去問演習の際には入試本番を明確に意識することが重要である。時間無制限で全てを解く必要がある問題集の演習と異なり、過去問演習は制限時間内に合格最低点または目標点を確保する練習であり、より実践的なものとなる。入試問題は制限時間内に全て解けるように作成されていることを一応考慮すると、全問について目を通して、かつ解ける問題を峻別する必要がある。したがって、過去問の分析を基にして、問題を解く順番を考えたり、どれだけの時間を各問題にあてるか等の時間配分を綿密に計画することが重要となる。


 問題を解くことに関して、入試本番と問題集による演習とでは2つの大きな相違点がある。相違点の1つ目として、入試本番では厳密に時間制限が設けられているのに対して、問題集による演習では時間制限がなく自分のペースで解き進めることができる。2つ目として、入試本番では合格最低点があり全てを完璧に解ける必要がないのに対して、問題集による演習では基本的に全て解けることが目標になる。
 これら2つの性質の違いに注意して入試本番への対策を行わなければ、どれだけ勉強し理解しても志望校に合格できないという危険がある。そこで、入試本番において最低でも合格最低点を確実に獲得するための準備方法について考える。これがいわゆる入試本番を意識した過去問演習である。

 入試本番では試験時間に制限が設定されている。入試問題は、受験生がこの制限時間内に全問題を解けるように作成されていることに基本的になっている。勿論、入試本番では慣れない会場に加えて緊張もあるために全問完璧な解答を提出することは難しいだろうし、いわゆる解けなくてもよい非常に難度の高い捨て問もある。しかし、試験時間内に全問題を解くことを前提に作成されていることについてはしっかりと意識しておかなければならない。したがって、試験時間内に全問題目を通して全て一度は解くことを試みる必要がある。そうでなければ、捨て問なのか、解けなくてもよい問題なのか、といった判断すらできないからだ。問題集による演習では好きなだけ1問に時間をかけることができるが、入試本番を意識した過去問演習では、制限時間を厳格に意識して行う必要がある。

 そして、入試本番では満点を取れなくとも、合格最低点を確保できれば志望校には合格できる。このことを上で述べた制限が課された試験時間と併せて考えると、合格最低点を確保する上で必ず正答しなければならない問題、得意科目として他受験生として差をつけるためには正答したい問題、そして解けなくてもよい捨てる問題を見分けられるようにならなければならない。制限時間を厳密に守るからこそ、時間をかけて解く問題と、きっぱりと捨てて適当に済ましてしもよい問題との峻別できるようになることが重要となる。問題集による演習では、問題集は様々な入試問題の中から頻出事項や良問を揃えているので、全て解けるようになる必要があるが、入試本番を意識した過去問演習では、問題の難易度を見分ける能力も養うことが重要となる。

 以上から、入試本番対策としての過去問演習の目的と養成するべきことを再度確認する。1つに、制限時間内に問題を不完全ながらも全て解き終わる計画性である。もう1つに、合格最低点または目標点を確保するための問題の選別する能力である。この2点を明確に意識して、実際の本番を想定した制限時間を設けて、分からない問題・設問に出会っても闇雲に時間をかけるのではなく後回しにする等の練習をしながら戦略を練ることが必要がある。このように処理能力を高めて戦略をしっかりと立てることが過去問演習で行わなければならないことだ。


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