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■勉強法コラム

勉強計画の立て方



要約

 勉強計画は、入試日から逆算して長期的な年間、中期的な月間、短期的な週間計画の順に具体化・修正して立てる。計画は崩れやすいので、勉強を行いながら適宜修正して立て直す必要がある。また、1日の勉強計画は、確保できる勉強時間を考慮しつつも、こなすべき勉強量から立てるのがよい。勉強時間では時間をこなすことに焦点が当てられているが、勉強量では勉強すべき内容で勉強計画を考えているためである。



 勉強をするとき、何の参考書や問題集をどのように使用するかと同様に、勉強計画を立てることが重要である。入試本番に合格点を取ることが最優先にして最終的な目的であることから、それまで勉強をどれだけして何を身に付けるべきなのかを考えて、現実的な計画を立てる必要がある。そこで、勉強計画の立て方について一つの方針を示したい。最初に長期、中期、短期の勉強計画の立て方を論じた後に、毎日の勉強計画の立て方を述べる。

 勉強計画は最初に長期的な視野から立てるべきで、入試の日から逆算して年間計画する。この勉強計画を立てる時は、実現可能かということも重要であるが、2月に受験する二次・私大入試での、センター試験を受験するなら1月の段階の中間地点での、目標点とそれを取るのに必要な学力を考えて、理想的な勉強計画を立てるようにすることを重視する。入試当日に必要な点と学力を考えたら、入試日から逆算して、例えば「12月に何の問題集を終えてどの程度の学力を身に付けておくべきか、過去問演習に入っておくべきか等を計算する。それならば、11月には難しめのこの問題集を解き終えておく。となると難しめの問題集に繋ぐための問題集を10月に…、基礎的な事項の暗記や理解については7月までに終えて夏休みは復習して完璧にする…」等のように組み立てていく。このように年間を通じた長期的な計画を逆算しながら立てることで、行き当たりばったりの勉強を避けて順序立てて体系的に勉強を行えるようにする。

 長期的な年間計画を逆算して立てた次は、現時点から何をすべきかを考えて1、2カ月程度ずつの中期的な月間計画を立てる。「現時点の学力から先ず今やるべき参考書や問題集はこれであり、これをいつまでに完璧に仕上げる。それが終了したら次はこの問題集を解きいつまでに仕上げる」といった具合で1、2カ月程度の勉強計画を積み重ねるように立てていく。このとき、年間計画を参照しながら無理のないように修正するようにしていく。問題集を復習する期間を適宜補充したり、年間計画の中でどの時期なら多くの勉強時間を確保できるかを検討する等して計画倒れし難くする。

 中期的な月間計画を立てたら1週間の短期的な週間計画を立てる。月間計画から1週間にどの程度の勉強量が必要かはある程度分かるので、「1週間に参考書を何ページ進めて問題集を何題解くので何曜日は何を勉強する」といったより具体的な勉強計画を立てる。実現可能性をかなり厳しく考えながら勉強計画を修正するようにする。週間計画を立てるときは、1日何も勉強計画を進めない予備日をつくり、6日間の週間計画で消化することができなかったものを勉強できる日を設けておくとよい。計画通り週間計画を消化できれば、予備日は気分転換に遊んだり、細かい知識の確認を行ったり週間計画を前倒ししたりする等すればよい。

 このようにして勉強計画を立てる時には、自己が思い描く理想的な長期的な年間計画から立て、中期的な月間計画、短期的な週間計画と細かく立てるに従って実現可能な現実的な計画に修正するようにしていく。そして完成した勉強計画に沿って勉強を進めていくのだが、計画は往々にして崩れるものである。実際に勉強してみて1日に消化できる量が計画よりも少なかったり、思わぬ用事が入って勉強ができなかった等で崩れるので、しばらく勉強して勉強計画が崩れて現状では立て直すことができないと思ったら、長期的な年間計画から勉強計画を立て直すようにする。逆に週間計画が緩かったり等した場合も計画を立て直すようにする。

 なお、長期的な勉強計画を立てる時に、何の参考書や問題集を、学力がどの程度のときに、どのような用途で、どのように使用するべきか、については計画段階では分からないだろう。そこで、当サイトの各科目の勉強法を参考にしてもらいたい。東京大学も含めた難関大学の入試で合格点を取る勉強について解説しているので、全て当サイトの勉強法通りに実行しないまでも、この程度の勉強をすればよいのかということが分かってもらえればよい。


 年間計画から週間計画まで勉強計画を立てたら、それを実践するために日々の勉強の計画の立て方を検討する。よく勉強時間から1日の勉強計画を立てる者がいるが、それは避けるべきだ。確かに1日は24時間であり、学校の授業の時間、睡眠時間等を引いた時に何時間勉強できると計算しやすく、実際にそれだけしか勉強時間は確保できない。そういう意味では時間を軸として1日の勉強計画を立てるのは正しい。
 しかし、勉強時間を消化することで勉強をしたとするのは間違いである。1日に行うべき勉強は勉強量を基準として計画するべきである。それによって、時間ではなくやるべき量をこなすことを意識して勉強することになる。限られた時間の中でやるべき勉強量をこなすために、ダラダラと勉強することを避けるようになる。勉強時間に焦点が当てられた計画では、設定した時間を勉強すれば計画を実行・消化したことになるが、勉強量を中心した計画では、やるべき勉強が終わらなければ時間がいくら経っても計画を消化したことにならない。

 確保できる勉強時間を考えつつも、やるべき勉強量を中心にして1日の勉強計画を立てるようにする。勉強を始めたばかりの時は、自分が時間当たりどの程度のペースで勉強量をこなせるかは分からないだろうが、勉強をしてこなせる量を見極めるようにしていけばよい。その場合は、予め作成していた勉強計画を大幅に修正する可能性も高く計画実行が不可能と思いすぐに計画を修正しようと思うかもしれない。しかし、最初は勉強自体に慣れていないということもあるので、少々無理な計画だったとしても頑張って消化するように努めて、しばらく勉強して様子を見てから修正するようにしてほしい。何とかこなそうと勉強をすることで意外にも勉強量を消化することに慣れることも多々あるからだ。

 以上、年間を通じた長期から1日毎の日々の勉強計画の立て方を述べてきた。勉強計画は、入試までに必要な学力を不足することなく身に付けるためには重要であり、目標となる理想と実現可能性の両方を上手く見極めながら立てる必要がある。勉強計画を立てた後は、それを忠実にこなしていくように勉強を進めればよいが、計画とは崩れるためにあるといっても過言ではない。勉強を進めて慣れながら柔軟に勉強計画を修正しながら受験生活を送ってもらいたい。


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