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■勉強法コラム

問題集の取り組み方



要約

 解き方や知識を知らない初見の問題は基本的には解けないので、問題集を何周もして覚えることが重要となる。1周目は、解答・解説を見ながらでよいので、問題の解き方や解答を覚えるために短期間に1周する。2、3周目は、解答を見ずに1周目で覚えたことを自力で使えるかを試しながら、覚えることができなかったものを覚えていく。4、5周目と6周目以降も、同様に自力で解き、前周回で覚えることができなかったものを記憶する。このとき、何の迷いもなく解けたものについては覚えたとしてよく○を、正解したとしても少しでも悩んだりした問題には△を、間違えた問題や正解しても勘だったりした問題については×を記して、次周以降では△と×を解くようにして勉強の効率化を図る。新たな問題集に入るか否かの基準は、問題集の9割少なくとも8割は○が付いた状態になった段階である。



 勉強の進め方の基本は、参考書や教科書で知識を覚えて問題集でそれらを用いながら問題を解くという方法である。いくら覚えるべきことを覚えて基本的な知識を蓄えても、問題を解く練習を行わければ、実際の入試では思うように得点できない、という事態に陥りやすい。最初に勉強を始めた頃、受験生は問題演習を行うことが多い。しかし、問題集を解き始めた時、余りに解けないので焦ったりやる気を失くしてしまう。問題集で問題演習を積むという姿勢は正しいのだが、問題集の使い方についてより深く考えることで、日々の勉強の在り方を考えてみたい。


 勉強を始めた最初の段階での問題集の使用方法から考える。勉強を開始した最初期では、知識は少なく、問題演習も行っていないので、問題の解き方や対応の仕方についてはほとんど経験がない。この段階では、問題集で出題形式や基本的な解法を学習することを重視するべきである。そもそも知らないものに答えることができないのは当然であり、問題がほとんど解けなくても気にしないことが必要だ。問題集は何度も繰り返して問題と答えを覚えるくらいに勉強して初めて「問題集をやり終えた」といえるからである。

 具体的な問題集の使用方法については、問題を見て解答が作成できそうならそのまま解けばよく、そうでなければ考え込まず解答・解説を見るという方法でよい。解答・解説を読みながら問題を分析して、どこに注目して、何の知識を使用し、どのように解くかということを身に付けるようにする。このように、模範解答を覚えながら解くくらいで問題集を進めていく。可能な限り次の日に問題を復習して解答を再現できるかを試すと覚えやすくなる。1周目は余り時間をかけることなく、とにかく問題集を1周して解答と解法を把握することに専念する。

 勿論、1度解いただけで問題の解き方や解答を覚えて全て解けるようになることはない。解答・解説を読んで解答の根拠がどうしてもよく理解できない場合もあるだろう。そうだとしてもこの段階では、丸暗記してしまうくらいで構わない。問題集や参考書での勉強が進む過程で理解が深まるようになることも往々にしてあるからだ。ただし、丸暗記したものについては後日、理解し直す作業を怠らないようにすることを忘れてはならない。


 1周目で問題の解き方と解答を覚えたら、2、3周目は覚えたことを自分で使えるかを確認する段階となる。また、覚えることができていないものを覚える段階でもある。つまり、問題集の2、3周目の目的は、1周目同様に問題の解答と解法を覚えることと、それを自分で使用することができるかを確認することである。問題集の7割程は自力で解けるようになれば十分だ。

 具体的には、1周目は解答・解説を見ながら解いてもよいとしたが、ここでは解答・解説を見ることなく自力で覚えたことを使えるかを試すようにする。1度は解いた問題かつ解答も暗記しようとした問題であるから解けるものもそこそこあるだろう。何の迷いもなく解けたものについては覚えたと判断してよく○を、正解したとしても少しでも悩んだりした問題には△を、間違えた問題や正解しても勘だったりした問題については×を記す。これは4周目以降に覚えたものについては飛ばして繰り返すことで有限な勉強時間を活用するためだ。


 2、3周目で問題の解き方と解答を覚えて、ほとんどの問題で問題文から自力で導き出せるようになったら、4、5周目はより完璧に覚えて自力で問題を解けるようになるために、2、3周目と同様に問題集を解くことを繰り返す。この段階では、解答も解説も問題と一緒に覚えているものも多いはずで、時間があれば完璧に解けるだろう。したがって、問題を解く速度や類題への対応ができるかを意識しながら解く。解答速度については時間を計ったり、解答に最短で至る思考ができるか等を意識すればよい。類題への対応については、問題の形式を分類しながら、この問題ならこのように解くという根拠を理解してどう応用するかを考える等してみるとよい。4、5周目は、○が記してある問題については完璧に覚えているので解かずに飛ばしても構わず、△と×が記してある問題のみを解くのでよい。再度解いた問題については、2、3周目と同様に、○・△・×を記す。


 6周目以降は、4、5周目と同じような方法で、△と×が付いた問題を解けるように繰り返して完璧に問題集を解くことができるようにする。この段階では、5周目までに問題集のほとんどを解けるようになっているはずなので、6周目以降は時間はかからないだろう。


 このよにして1冊の問題集を完璧に仕上げれば、難易度を極端に上げない限り新たな問題集に入っても、解ける問題もそれなりにあり、問題集の消化速度は速くなっていく。したがって、1冊を1周する期間が長くなると解き方を覚えたりする上で効率が悪くなることも考慮すると、問題集を複数同時並行して進めるよりも1冊ずつ仕上げていくことが基本である。

 しかしながら、1冊を完璧に仕上げること自体も時間を要するので、9割少なくとも8割は○が記された状態に問題集がなっていれば新たな問題集に移行して、以後の周回は新たな問題集と並行して進めてもよい。何冊か問題集を消化していけば、4、5周目を終えた段階で新たな問題集に移行できるようになるだろう。勿論2、3周目を解き終えた段階で9割○が記されているなら新たな問題集に入っても構わない。有限な時間を考慮して、1冊ずつを完璧に仕上げることを基本としつつも、ある程度解けるようになったら勉強を次の段階に進めるために新たな問題集に入る、という問題集の進め方を実行する。


 問題集の取組み方の基本を述べた。まとめると、1周目は、問題の解き方や解答を覚えるために解答・解説を見ながらでよいのでできるだけ短期間に1周する。2、3周目は、解答を見ずに1周目で覚えた解き方や解答を自力で使用できるか試しながら、覚えることができなかったものを覚えていく。4、5周目も、同様に自力で解き、2、3周目で覚えることができなかったものを記憶する。6周目以降も同様である。問題集を解き進めていく際には、何の迷いもなく解けたものについては覚えたと判断してよく○を、正解したとしても少しでも悩んだりした問題には△を、間違えた問題や正解しても勘だったりした問題については×を記して、次周以降では△と×を解くようにして勉強の効率化を図る。また、新たな問題集に入るか否かの基準は、問題集の9割少なくとも8割は○が付いた状態になった段階である。このようにして問題集を何周もして解答を覚え込みながら勉強するようにする。


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